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制服
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「あらあら、学校に通えるなんて夢みたいね」
「我も楽しみである」
「私も楽しみです」
「私は一度だけ見に行ったことがありますが、通ったことはありません」
「夢と二人、学校に登校……」
「俺も魚から話は聞いたが、行ったことはねえ」
「なら学校に行ったことがあるのは、俺とヴェントスだけってことか」
異世界の学校と日本の学校にどのような違いがあるのかとても気になる。
しかもみんなの制服姿……。
だめだ、だめだ。
こんなことを考えているようでは、まだまだ管理人として未熟である。
そんなことより……。
「この世界の学校ってもしかして珍しいの?」
俺の質問に水月が答えた。
「俺は海の王の家系だったから学校に通うことを禁じられていただけで、そこまで珍しくはないと思うぜ」
そういうパターンもあるわけか。
「そうなると、ヴェントスは森のお姫様だったからか?」
「そうですね。確かに禁止されていました」
「キースは吸血鬼だったから?」
「うん」
「ならスラとイムはどうして?」
「私とスラお姉様は、お父様にお願いされて学校へ通えませんでした」
「ふっふっふ。聞いて驚け、我の親は大金持ちなのである」
「そ、そうなのか」
みんながみんな特別な理由を持っているなんてすごい偶然だ。
となればソフィも何かあるのでは……いやいやまさかそんなことあるわけないか。
「ソフィも何か理由があったのか」
俺が質問した時、ソフィは待ってましたと言わんばかりににやりと笑った。
「あらあら、今まで私が何者か知らずに接していたのね」
「ということはまさか……」
「私はエルフ国王の娘よ」
このマンションは異世界から来た俺を含め、特殊な存在が集まりすぎている。
まるで誰かが意図的に集めているようだ。
とここで、ヴェントスがとある提案をした。
「そうだ! みなさんで制服を着て、見せ合いっこしませんか?」
「ヴェントスさん……ナイスアイデアです!」
イムが乗ったことにより、やる流れになった。
スラの命令により、物運びスライムが全員分の制服をとってきてくれた。
ただ、ポストの中まで持ってこれてしまうのは問題な気がする。
着替えをするため、一度男女で部屋に分かれた。
「男チーム準備完了!」
「女の子チーム準備完了しました!」
「せ~の!」
水月とヴェントスの合図で、部屋から出た。
部屋を出るとそこには二人の天使がいた。
「夢さん……ど、どうですかね?」
「我も……少し恥ずかしい」
慣れないブレザー姿に少し照れている二人は最高に可愛かった。
もちろん、照れていなくても可愛いんだけど。
それにしても、本当にブレザーを着るために生まれてきたのではないかと思うくらい似合っている。
「すごく似合ってると思う! なあ水月」
「そうだな。これは見違えたぜ嬢ちゃん達」
「そうですか、えへへ」
「悪い気はせんな」
二人は満足そうだ。
俺と水月がスラとイムの方を見ていると、セーラー服組に呼ばれた。
「あらあら、私たちは視界に入らないくらい魅力がないのかしら」
「本当です! せっかく来たんですから見てもらわないと」
「夢、私似合ってるかな?」
こっちにも天国が……。
こっちはこっちで似合いすぎだろ。
ソフィは制服を着ると大人の魅力が際立ち、美しい女子高生って感じがする。
ヴェントスは、おしとやかで綺麗な学校のマドンナって感じだ。
キースは少しギャルっぽく見えるかも。
ギャルっぽく言えば、超可愛いってやつだ。
「三人ともすごく似合ってるよ!」
「確かにこれはすごい……」
「あら、嬉しいわ」
「照れちゃいます」
「夢のために着た」
俺は今日改めて制服の偉大さを知った。
だが、まだ大事なことを聞いていない。
「ところで、俺と水月はどうかな?」
「それ、俺も気になってた」
俺と水月はみんなの方に体を向けた。
「私はかっこいいと思います」
「私も似合ってると思う」
始めに感想をくれたのはイムとキースだった。
「二人ともよく似合っているわ」
「我もよいと思うぞ」
「私もよくお似合いだと思います」
続けて三人も感想をくれた。
「あ、ありがとう」
「みんなありがとな!」
自分から聞いておいてなんだが、とても恥ずかしい。
それにしてもさすがは海の王だ。
こんな状況でも堂々としている。
いや、よく見ると耳が赤い。
それに何やら右手に力が入っている。
間違いない。これは手を強く握ることで水魔法を体内に発生させ、体温を下げているのだ。
海の王水月も所詮は無垢な男の子ってわけか。
青春の香り漂うマンションは、学校に向け移動を始めた。
「我も楽しみである」
「私も楽しみです」
「私は一度だけ見に行ったことがありますが、通ったことはありません」
「夢と二人、学校に登校……」
「俺も魚から話は聞いたが、行ったことはねえ」
「なら学校に行ったことがあるのは、俺とヴェントスだけってことか」
異世界の学校と日本の学校にどのような違いがあるのかとても気になる。
しかもみんなの制服姿……。
だめだ、だめだ。
こんなことを考えているようでは、まだまだ管理人として未熟である。
そんなことより……。
「この世界の学校ってもしかして珍しいの?」
俺の質問に水月が答えた。
「俺は海の王の家系だったから学校に通うことを禁じられていただけで、そこまで珍しくはないと思うぜ」
そういうパターンもあるわけか。
「そうなると、ヴェントスは森のお姫様だったからか?」
「そうですね。確かに禁止されていました」
「キースは吸血鬼だったから?」
「うん」
「ならスラとイムはどうして?」
「私とスラお姉様は、お父様にお願いされて学校へ通えませんでした」
「ふっふっふ。聞いて驚け、我の親は大金持ちなのである」
「そ、そうなのか」
みんながみんな特別な理由を持っているなんてすごい偶然だ。
となればソフィも何かあるのでは……いやいやまさかそんなことあるわけないか。
「ソフィも何か理由があったのか」
俺が質問した時、ソフィは待ってましたと言わんばかりににやりと笑った。
「あらあら、今まで私が何者か知らずに接していたのね」
「ということはまさか……」
「私はエルフ国王の娘よ」
このマンションは異世界から来た俺を含め、特殊な存在が集まりすぎている。
まるで誰かが意図的に集めているようだ。
とここで、ヴェントスがとある提案をした。
「そうだ! みなさんで制服を着て、見せ合いっこしませんか?」
「ヴェントスさん……ナイスアイデアです!」
イムが乗ったことにより、やる流れになった。
スラの命令により、物運びスライムが全員分の制服をとってきてくれた。
ただ、ポストの中まで持ってこれてしまうのは問題な気がする。
着替えをするため、一度男女で部屋に分かれた。
「男チーム準備完了!」
「女の子チーム準備完了しました!」
「せ~の!」
水月とヴェントスの合図で、部屋から出た。
部屋を出るとそこには二人の天使がいた。
「夢さん……ど、どうですかね?」
「我も……少し恥ずかしい」
慣れないブレザー姿に少し照れている二人は最高に可愛かった。
もちろん、照れていなくても可愛いんだけど。
それにしても、本当にブレザーを着るために生まれてきたのではないかと思うくらい似合っている。
「すごく似合ってると思う! なあ水月」
「そうだな。これは見違えたぜ嬢ちゃん達」
「そうですか、えへへ」
「悪い気はせんな」
二人は満足そうだ。
俺と水月がスラとイムの方を見ていると、セーラー服組に呼ばれた。
「あらあら、私たちは視界に入らないくらい魅力がないのかしら」
「本当です! せっかく来たんですから見てもらわないと」
「夢、私似合ってるかな?」
こっちにも天国が……。
こっちはこっちで似合いすぎだろ。
ソフィは制服を着ると大人の魅力が際立ち、美しい女子高生って感じがする。
ヴェントスは、おしとやかで綺麗な学校のマドンナって感じだ。
キースは少しギャルっぽく見えるかも。
ギャルっぽく言えば、超可愛いってやつだ。
「三人ともすごく似合ってるよ!」
「確かにこれはすごい……」
「あら、嬉しいわ」
「照れちゃいます」
「夢のために着た」
俺は今日改めて制服の偉大さを知った。
だが、まだ大事なことを聞いていない。
「ところで、俺と水月はどうかな?」
「それ、俺も気になってた」
俺と水月はみんなの方に体を向けた。
「私はかっこいいと思います」
「私も似合ってると思う」
始めに感想をくれたのはイムとキースだった。
「二人ともよく似合っているわ」
「我もよいと思うぞ」
「私もよくお似合いだと思います」
続けて三人も感想をくれた。
「あ、ありがとう」
「みんなありがとな!」
自分から聞いておいてなんだが、とても恥ずかしい。
それにしてもさすがは海の王だ。
こんな状況でも堂々としている。
いや、よく見ると耳が赤い。
それに何やら右手に力が入っている。
間違いない。これは手を強く握ることで水魔法を体内に発生させ、体温を下げているのだ。
海の王水月も所詮は無垢な男の子ってわけか。
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