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幼馴染
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水谷大輝は小学校から高校までずっと一緒で、腐れ縁というかすごく仲が良く、親友と呼べる存在だった。
私が地元を離れてからは疎遠になってたけど、同窓会の幹事をやるということで、真っ先に私に連絡をくれた。
メールで、色々手伝って欲しいと依頼されてたので、皆んなの集合時間よりかなり早めに、水谷と待ち合わせしていた駅前のロータリーに行った。
水谷は私より早く着いてて、ヒマそうに携帯をいじってた。
もともとスポーツマンでずっと陸上部にいたっけ
昔と変わらず、浅黒く日焼けした肌に短髪、太い眉に大きな目のワイルドなヤローだ。
「お待たせ、水谷」
ワタシは堂々とした口調で水谷に声をかけた。
水谷は、顔を上げ、ワタシの顔を見つめた。
けれども、知らない人物が自分の名前を呼んだ為に、一瞬、焦ったような怪訝な表情を浮かべ
「えっ」
と、小さな声を発した。
「久しぶり、俺だよ俺
西村」
「えっ?… えっ」
水谷はさらに変な声を発した。
そこからのリアクションはいつもしてきたパターンと同じで、少し自分で飽きてきたから割愛させてもらいます。
とりあえず、ワタシ達は駅の中にあるハンバーガー店に入り、飲み物だけを頼んだ。
「なんだよー、お前、一体どうなってんだよ」
二人掛けテーブルの向かい側に座った水谷は、ワタシの全身をじーっと見つめながら、信じられないといった表情を浮かべた。
「まあ、成り行きだよ」
「西村って、男が好きだったの?」
「うーん‥
そういうわけでもなかったんだけど、どっちかって言ったら女装が先で、そこから女性ホルモンしてニューハーフのお店で働いてるうちに男性を好きになったっていう感じかな。」
「いやあ、信じらんね
整形した?
顔も変わりすぎてんじゃん。」
「顔はいじってないよ。
もちろん体もね」
「いやいや、胸あるじゃん。
手術したんだろ?」
「あー、これは違うのよ。
女性ホルモンの注射を長いこと打ってたらおっぱいが膨らんできたっていうか、体つきも徐々に変わってきたのよ。
ワタシの体質に合ってたのかもね。」
「ワタシ‥って
頭が混乱するわ」
「もういいよ、こういう質問されまくって飽きちゃってるのよ。
それより、同窓会の手伝いしてくれって言ってたじゃん。
どうすればいい?」
「あ、ああ、そうだった」
水谷は何とか気を取り直して、段取りの説明を始めた。
「18時から店は予約してるんで、集まったら先に金集めてくれる?」
「オッケー」
「田上先生からは集めなくていいから」
「わかった。後は何すればいい?」
「まあ、思いの外盛り上がらなくてグダグダになったらいけないから、一応自己紹介させたり、座るとこの配置とか、紙に書いてきた。
この通り進行するから、フォローしてくれよ。」
「しかし、水谷もマメだね
普通こういうのって女子がやるもんだけどね。」
「まあ、俺が言い出しっぺだし、やる事はやるよ
それに、手伝ってくれる西村が女になってたからちょうど良かった。」
「何よ、ソレ
ところで、水谷って今働いてるんだっけ?」
「ああ。野菜の仲買ってやつ
まあ、親も同じ仕事だし、自然とな。」
「朝早いんじゃないの?」
「朝ってか、夜中に起きる感じだよ。」
「ふーん」
「まあ、そういうわけで、皆んなとも時間が合わねーし、お前も東京行っちゃってるし、ここらで集まりたいなあってな」
「寂しがり屋だね」
「そういうんじゃねーよ
まあ、ちょっとはあるけど」
水谷は気まずそうに言うと、アイスコーヒーを一口飲んだ。
私が地元を離れてからは疎遠になってたけど、同窓会の幹事をやるということで、真っ先に私に連絡をくれた。
メールで、色々手伝って欲しいと依頼されてたので、皆んなの集合時間よりかなり早めに、水谷と待ち合わせしていた駅前のロータリーに行った。
水谷は私より早く着いてて、ヒマそうに携帯をいじってた。
もともとスポーツマンでずっと陸上部にいたっけ
昔と変わらず、浅黒く日焼けした肌に短髪、太い眉に大きな目のワイルドなヤローだ。
「お待たせ、水谷」
ワタシは堂々とした口調で水谷に声をかけた。
水谷は、顔を上げ、ワタシの顔を見つめた。
けれども、知らない人物が自分の名前を呼んだ為に、一瞬、焦ったような怪訝な表情を浮かべ
「えっ」
と、小さな声を発した。
「久しぶり、俺だよ俺
西村」
「えっ?… えっ」
水谷はさらに変な声を発した。
そこからのリアクションはいつもしてきたパターンと同じで、少し自分で飽きてきたから割愛させてもらいます。
とりあえず、ワタシ達は駅の中にあるハンバーガー店に入り、飲み物だけを頼んだ。
「なんだよー、お前、一体どうなってんだよ」
二人掛けテーブルの向かい側に座った水谷は、ワタシの全身をじーっと見つめながら、信じられないといった表情を浮かべた。
「まあ、成り行きだよ」
「西村って、男が好きだったの?」
「うーん‥
そういうわけでもなかったんだけど、どっちかって言ったら女装が先で、そこから女性ホルモンしてニューハーフのお店で働いてるうちに男性を好きになったっていう感じかな。」
「いやあ、信じらんね
整形した?
顔も変わりすぎてんじゃん。」
「顔はいじってないよ。
もちろん体もね」
「いやいや、胸あるじゃん。
手術したんだろ?」
「あー、これは違うのよ。
女性ホルモンの注射を長いこと打ってたらおっぱいが膨らんできたっていうか、体つきも徐々に変わってきたのよ。
ワタシの体質に合ってたのかもね。」
「ワタシ‥って
頭が混乱するわ」
「もういいよ、こういう質問されまくって飽きちゃってるのよ。
それより、同窓会の手伝いしてくれって言ってたじゃん。
どうすればいい?」
「あ、ああ、そうだった」
水谷は何とか気を取り直して、段取りの説明を始めた。
「18時から店は予約してるんで、集まったら先に金集めてくれる?」
「オッケー」
「田上先生からは集めなくていいから」
「わかった。後は何すればいい?」
「まあ、思いの外盛り上がらなくてグダグダになったらいけないから、一応自己紹介させたり、座るとこの配置とか、紙に書いてきた。
この通り進行するから、フォローしてくれよ。」
「しかし、水谷もマメだね
普通こういうのって女子がやるもんだけどね。」
「まあ、俺が言い出しっぺだし、やる事はやるよ
それに、手伝ってくれる西村が女になってたからちょうど良かった。」
「何よ、ソレ
ところで、水谷って今働いてるんだっけ?」
「ああ。野菜の仲買ってやつ
まあ、親も同じ仕事だし、自然とな。」
「朝早いんじゃないの?」
「朝ってか、夜中に起きる感じだよ。」
「ふーん」
「まあ、そういうわけで、皆んなとも時間が合わねーし、お前も東京行っちゃってるし、ここらで集まりたいなあってな」
「寂しがり屋だね」
「そういうんじゃねーよ
まあ、ちょっとはあるけど」
水谷は気まずそうに言うと、アイスコーヒーを一口飲んだ。
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