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外見
しおりを挟む予備校の授業を受けながら、俺は朝の圭太とのやりとりを思い返していた。
そう、アイツの言った通り、確かに俺は変わってしまった。ちょっと前までは俺も圭太と同じように女子大生達を飢えた目で見つめていた。
でも、今はそんな感情が体のどこからも湧いてこない。 じゃあどんな感情が芽生えるのかと言えば…
女子大生達が着ている服をかわいいと思ったり、自分も着てみたいと思うんだ。
今の俺には小さいけど乳房がある。だから胸元が開いた服も着れる…
そんなことばかり考えているんだ。
俺の女性化願望や美への追求心は衰えることを知らず、日に日にエスカレートしていく。
女性ホルモンの注射が俺の体に合ったみたいに、ニューハーフっていう存在でいる事が妙に心地よくて楽しい。
浪人という社会的に言えば何の生産性も無く
、認められていない立場にある俺が見つけたオアシスが美咲ママの店でありニューハーフの仕事なんだ。これでバランスを取れていれば文句ないところなんだろうけど、受験勉強の方がおろそかになり、ニューハーフに生活の全てがシフトされている。マズイとは思いながらも、どっぷりのめり込んでしまっている。
「西村、何ボーっとしてんだよ?」
休み時間に予備校内で俺と圭太とよくつるんでいる木村が声をかけてきた。
「何でもねーよ。」
このニキビ面でパッとしない風貌の木村とは予備校でしか会う事はないが、後から聞いたところによると、ここ数ヶ月の俺の変化に早くから敏感に気付き、圭太に話していたそうだ。確かに毎日俺の姿を目にしている圭太よりは変化に気付きやすいだろう。
俺は女装していなくても、かなり外見が変化しているんだ。それは俺にとってすごく嬉しいことであると同時に、心配な点でもあった。ニューハーフとして楽しくやっていけるのも男モードでの生活が基盤としてあるからだった。どちらか一方に偏ると
今までの生活が出来なくなってしまう…
まあ、そんなこと考えてても仕方ないか…
今日もバイト頑張ってこようっと。
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