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喪失
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「そんな手術を、なんで…したんですか」
袮留は信じられない思いで、マキに聞いた。
マキも困った様子で袮留を見つめていたが、意を決して話し始めた。
「袮留、よう聞きや。
アンタがタマを取られたんは、オカマになる為や。」
「オカマ…」
「客とそういう行為をせなあかんねんけど、フツーに男としてやったら客も付きにくい。
だから去勢して、女性ホルモンの注射を打たせて女みたいな容姿にしてしまういうのが、大野さんの考えや。」
「そんな…」
「ワタシも過去に、ここで去勢手術を受けてこないな体になったんや。
もっとも、ワタシの場合は自分から女になりとうて、ここで世話になったわけやけど。」
「えっ、姉さん…
女の人やないんですか…」
「そうや。ワタシは男や。」
「…」
「なあ、袮留
タマ取ってしもたわけやし、もう元に戻る事は出来へん。
若いアンタには酷な話かもしれんけど、もうどないもならへんのや。
だから、割り切って頑張るしかないねん。
全てはどうしようもない、アンタの親父のせいや。
親に恵まれんかった不運を恨むんやな。」
「…わかりました…
姉さん、これからもご指導をお願いします。」
袮留は力なく答えた。
「任せとき、アンタはワタシが立派な女に育て上げたるから。
大野さんもアンタが思てるほど悪い人ちゃうしな。
ちゃんと給料もくれはるし。」
「はい…
ウチの場合は、お父さんの借金を肩代わりしてもろてるわけですし…」
「せやな。
袮留、まだ動いたらあかんで。
しばらくここで休んでから帰ろな。」
「ありがとうございます。
色々すいません。
姉さん関係ないのに、こんなとこまで付き合わせてもうて。」
「何を言うてんの。
ワタシはアンタのこと、妹やと思てんねん。
困ったことがあったら、全部ワタシに言うんやで。」
「はい。
姉さん、ありがとうございます。」
袮留はそう言うと、自分の股間に視線を向けた。
竿は残っているが、袋の部分にはガーゼが当てられている。
本当に手術で去勢されたのか…
そう、思うと絶望感に包まれたが、マキの言った通り、ここまで来たら、もはやどうすることも出来ない…
鈍い痛みに耐えながら、袮留は自分の運命を呪った。
袮留は信じられない思いで、マキに聞いた。
マキも困った様子で袮留を見つめていたが、意を決して話し始めた。
「袮留、よう聞きや。
アンタがタマを取られたんは、オカマになる為や。」
「オカマ…」
「客とそういう行為をせなあかんねんけど、フツーに男としてやったら客も付きにくい。
だから去勢して、女性ホルモンの注射を打たせて女みたいな容姿にしてしまういうのが、大野さんの考えや。」
「そんな…」
「ワタシも過去に、ここで去勢手術を受けてこないな体になったんや。
もっとも、ワタシの場合は自分から女になりとうて、ここで世話になったわけやけど。」
「えっ、姉さん…
女の人やないんですか…」
「そうや。ワタシは男や。」
「…」
「なあ、袮留
タマ取ってしもたわけやし、もう元に戻る事は出来へん。
若いアンタには酷な話かもしれんけど、もうどないもならへんのや。
だから、割り切って頑張るしかないねん。
全てはどうしようもない、アンタの親父のせいや。
親に恵まれんかった不運を恨むんやな。」
「…わかりました…
姉さん、これからもご指導をお願いします。」
袮留は力なく答えた。
「任せとき、アンタはワタシが立派な女に育て上げたるから。
大野さんもアンタが思てるほど悪い人ちゃうしな。
ちゃんと給料もくれはるし。」
「はい…
ウチの場合は、お父さんの借金を肩代わりしてもろてるわけですし…」
「せやな。
袮留、まだ動いたらあかんで。
しばらくここで休んでから帰ろな。」
「ありがとうございます。
色々すいません。
姉さん関係ないのに、こんなとこまで付き合わせてもうて。」
「何を言うてんの。
ワタシはアンタのこと、妹やと思てんねん。
困ったことがあったら、全部ワタシに言うんやで。」
「はい。
姉さん、ありがとうございます。」
袮留はそう言うと、自分の股間に視線を向けた。
竿は残っているが、袋の部分にはガーゼが当てられている。
本当に手術で去勢されたのか…
そう、思うと絶望感に包まれたが、マキの言った通り、ここまで来たら、もはやどうすることも出来ない…
鈍い痛みに耐えながら、袮留は自分の運命を呪った。
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