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命
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美月がNPWの寮に引っ越してきた翌日、昼食を終えてくつろぐミカの元に、ミサトがやってきた。
「失礼します。」
「ミサト、どうしたの?」
「あの、美月ちゃんの事で。」
「美月がどうしたの?」
「あの、ワタシみたいに、先に体を変えたいって言ってて。」
「えっ、マジで言ってる?」
「はい。大マジです。」
「わかった。
美月を呼んできて。」
ミカがそう言うと、ミサトは一礼して去って行った。
美月は、食堂で、皆が昼食で食べた後の皿や箸を片付けていた。
「美月ちゃん!」
「あー、ミサトちゃん。
どうしたの?」
「ちょっとミカさんのところへ行ってくれる?」
「えっ、ワタシ?」
「そうそう。
ここの片付けはワタシがやっとくし。」
「いや、そんな…」
「だって、ワタシの仕事でもあるもん。
そういう事は、必ず一緒にやるんだよ。
わかった?」
「うん。ありがとう」
「それよりも、早くミカさんのとこに行って。」
「わかった。」
美月は、慌てて下に降りて行った。
「すいません!」
道場の椅子に腰掛けるミカの元に、美月が走ってきて、一礼しながら声をかけた。
「あー、美月
ちょっと、座って。」
ミカは、自分の向かい側に座らせると、美月の顔をじっと見つめた。
そして、視線を頭から足先までゆっくり移動させると、小さく頷いた。
「髪型は男にしては長めだけど、女にしては短すぎる。
体型は細身ではあるけど筋肉質。
肩や足にもしっかり筋肉が付いている。
顔は可愛い。」
「えっ、ミカさん
なんですか?ソレ…」
「ワタシの美月評よ。」
「そんなのあるんですか…」
「ねえ、美月
さっきミサトから聞いたんだけど、先に病院に行きたいんだって?」
「あ、はい。
そうなんです。
出来れば…」
「そうなんだ。
あんまり焦る事ないとは思うけどね。
まあ、いいや。
ちょっと、アキ!
こっちに来てくれる?」
ミカはリングの方向に向かって手招きした。
美月も、そっちの方に視線を移すと、背の高いスレンダーな美人が立っていて、ゆっくり歩いてきていた。
「アキ、ちょっと美月の相談に乗ってあげて。」
ミカが、そう言うと、アキは
「ヘーーイっ!」
変な言い方の返事をすると、ミカの横の椅子に腰掛けた。
「アキはウチの美容番長よ。
何でも聞きなさい。」
ミカはそう言うと立ち上がり、美月の肩をポンと叩いてリングの方に歩いていった。
「美月ちゃん。
ちゃんと喋るの初めてね。
ワタシは高野アキ
よろしくね。」
なるほど…
美容番長か…
アキのきめ細かな肌やハッキリとした目鼻立ちをした顔を見て、美月は妙に納得した。
「失礼します。」
「ミサト、どうしたの?」
「あの、美月ちゃんの事で。」
「美月がどうしたの?」
「あの、ワタシみたいに、先に体を変えたいって言ってて。」
「えっ、マジで言ってる?」
「はい。大マジです。」
「わかった。
美月を呼んできて。」
ミカがそう言うと、ミサトは一礼して去って行った。
美月は、食堂で、皆が昼食で食べた後の皿や箸を片付けていた。
「美月ちゃん!」
「あー、ミサトちゃん。
どうしたの?」
「ちょっとミカさんのところへ行ってくれる?」
「えっ、ワタシ?」
「そうそう。
ここの片付けはワタシがやっとくし。」
「いや、そんな…」
「だって、ワタシの仕事でもあるもん。
そういう事は、必ず一緒にやるんだよ。
わかった?」
「うん。ありがとう」
「それよりも、早くミカさんのとこに行って。」
「わかった。」
美月は、慌てて下に降りて行った。
「すいません!」
道場の椅子に腰掛けるミカの元に、美月が走ってきて、一礼しながら声をかけた。
「あー、美月
ちょっと、座って。」
ミカは、自分の向かい側に座らせると、美月の顔をじっと見つめた。
そして、視線を頭から足先までゆっくり移動させると、小さく頷いた。
「髪型は男にしては長めだけど、女にしては短すぎる。
体型は細身ではあるけど筋肉質。
肩や足にもしっかり筋肉が付いている。
顔は可愛い。」
「えっ、ミカさん
なんですか?ソレ…」
「ワタシの美月評よ。」
「そんなのあるんですか…」
「ねえ、美月
さっきミサトから聞いたんだけど、先に病院に行きたいんだって?」
「あ、はい。
そうなんです。
出来れば…」
「そうなんだ。
あんまり焦る事ないとは思うけどね。
まあ、いいや。
ちょっと、アキ!
こっちに来てくれる?」
ミカはリングの方向に向かって手招きした。
美月も、そっちの方に視線を移すと、背の高いスレンダーな美人が立っていて、ゆっくり歩いてきていた。
「アキ、ちょっと美月の相談に乗ってあげて。」
ミカが、そう言うと、アキは
「ヘーーイっ!」
変な言い方の返事をすると、ミカの横の椅子に腰掛けた。
「アキはウチの美容番長よ。
何でも聞きなさい。」
ミカはそう言うと立ち上がり、美月の肩をポンと叩いてリングの方に歩いていった。
「美月ちゃん。
ちゃんと喋るの初めてね。
ワタシは高野アキ
よろしくね。」
なるほど…
美容番長か…
アキのきめ細かな肌やハッキリとした目鼻立ちをした顔を見て、美月は妙に納得した。
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