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異色

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三人目はこれまでの二人とは全く異なる雰囲気を纏っていた。


「こんちは
荒木琉偉っていいます。
本名です」

そう言って挨拶した琉偉は、ショートカットでパンツスタイルという、かなりボーイッシュで、表情、言動も明るい、いわゆる陽キャのニューハーフだった。


「こんにちは。
ルイちゃんね。すごく元気でいいわね。」


「自分は、元気だけが取り柄なんで、ハイ。」

喋り口調は全然女っぽくなく、男の子そのものであった。
声質は高めではあったが。


「ルイちゃんは、紗栄ちゃんや結衣ちゃんとは全くタイプが違うね。」


「あー、ワタシ
地元にいる時はけっこう悪くて。
ケンカも負けた事ないんすよ」

ルイはそう言って笑った。


「へえ

でも女の子になりたかったんだ?」


「そうっすね。
なんかそこだけは子供の時から感じてて…

なんか自分は他の人と違うって。

でも、地元ではそんな振る舞い出来へんし、高校出てすぐに東京に出てきたんです。」


「そうだったんだ」


「はい。

ワタシってこんなんやから、なかなかお店とかで雇ってくれなくて、しばらくコンビニでバイトする毎日やったんですけど、たまたま久美子さんがお客さんで来られて、声かけてもらったんです。

そのときのワタシ、全然女装とかしてへんかったんですけど、一目見てわかったらしいですよ、久美子さん。
ホンマにすごい人です。」


「ルイちゃんはおいくつ?」


「あ、年齢言うてへんかったですね。

ワタシ、十九です。」


「若いし、これからもっともっと可愛くなるよ。

ルイちゃんて、化粧とかそんなにしてないし、ボーイッシュな髪型と服装だけど、めちゃくちゃ可愛いもん。
素材がいいんだね」


「そんなん言うてもろたん初めてです。
なんか照れますね」


「フフッ

で、どうしてウチで働きたいって思ったの?」


「さっきも言いましたけど、ワタシ自身はそういうお店で働きたいって思て東京に出てきたんですけど、なかなか雇ってもらわれへんで…

そしたら、久美子さんが、智さんていう人がお店を開店させようとしていて、オープニングスタッフを探してるから受けてみる?って言われて。

ワタシもコレや!って思いました。」



「今までルイちゃんみたいな人と出会った事なかったから、見ててすごく新鮮だわ。、

ウチとしては是非来て欲しいな。」

智は、またもや合格の判定をした。


「えっ、ホンマにいいんですか!

ありがとうございます。」

ルイは、驚いた様子だったが、すぐに笑みを浮かべ、深々と頭を下げた。




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