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里帰りツアーは、無事終わり、智達は、いつもの日常生活に戻っていった。
三人の本業であるバーの仕事に。
そんな中、ついに念願の案件であった、店の隣の空き店舗との契約が交わせる段取りが整ったとの連絡が入った。
「ユウちゃん。
今からオーナーさんに会ってくるわ。」
「オーナーさん?
仲介業者は?」
「そうなんだけど、オーナーさんが次に借りる人に会いたいっておっしゃられてるみたいで、お店の方に行って 二時にお伺いすることになってるの。」
「へえ、気に入らなかったら、この人には貸さないとか言いそうだね。
頑張ってね。」
「脅かさないでよ。
じゃあ、行ってくるわ。
面談?が終わったら、そのまま店に入ってるから。」
「うん。ワタシも今日は早めに出勤するわ。」
智は家を出て、オーナーがいるという店舗に向かった。
到着すると、店内の電気が付いており、智は緊張した面持ちでドアを開けた。
「すいませーん」
智が声をかけると、既にオーナーと思しき人物が座っており、智の方を見つめていた。
「こんにちは。
お隣のお店のオーナーさんね?」
智の目の前に現れたのは年配の女性だった。
年齢は五十代半ばから後半といった感じの。
「そうです。
初めまして。
吉岡智と申します。」
智は、深々と頭を下げた。
「ニューハーフの方だって聞いてたから、勝手なイメージをしてたんだけど、どこからどう見ても女性なのね。
それに綺麗。
どうぞ、こちらに座って。」
オーナーの女性は、自分の向かい側のソファーを指さして言った。
智は、一礼して腰を下ろすと、自分に対する褒め言葉を否定した。
「いえ、もう歳ですし
最近はブクブク太ってしまい、みっともない体になってしまいました。」
「それは仕方ないわ。
女性ホルモンをしてるんでしょ?
何もしなくても太るものね。
ワタシも四十を過ぎてから一気に太ったわ。
あ、ごめんなさい。まだ名前も言ってなかったわね。
友谷と申します。」
「あの、友谷さんもニューハーフさんなんですか?」
「そうよ。
あなたと同じ。
もっともワタシははるかに歳上のオバサンニューハーフだけどね。」
「いえ、そんなふうには全然見えません。
とてもお綺麗です。」
「あら、お世辞でもそう言ってくれて嬉しいわ。」
「それにワタシももう四十過ぎていますし、若くもありません。」
「そんな事言ったら、ワタシなんて還暦前よ。
お互い歳は取りたくないものね。」
オーナーがそう言って笑うと、智も頷いて笑った。
「吉岡さん。
ワタシはね、このお店を誰に貸したって別にいいとは思うんだけど、どうせならいい人に借りて欲しいじゃない?
僭越だとは思うんだけど、こうしてお会いして、その方の人となりを見せていただいてるのね。
そういう面では、あなたの第一印象はすごく良かったし、少しだけど話してみて、あなたのお人柄もよくわかったわ。」
オーナーはそう言うと、また笑った。
三人の本業であるバーの仕事に。
そんな中、ついに念願の案件であった、店の隣の空き店舗との契約が交わせる段取りが整ったとの連絡が入った。
「ユウちゃん。
今からオーナーさんに会ってくるわ。」
「オーナーさん?
仲介業者は?」
「そうなんだけど、オーナーさんが次に借りる人に会いたいっておっしゃられてるみたいで、お店の方に行って 二時にお伺いすることになってるの。」
「へえ、気に入らなかったら、この人には貸さないとか言いそうだね。
頑張ってね。」
「脅かさないでよ。
じゃあ、行ってくるわ。
面談?が終わったら、そのまま店に入ってるから。」
「うん。ワタシも今日は早めに出勤するわ。」
智は家を出て、オーナーがいるという店舗に向かった。
到着すると、店内の電気が付いており、智は緊張した面持ちでドアを開けた。
「すいませーん」
智が声をかけると、既にオーナーと思しき人物が座っており、智の方を見つめていた。
「こんにちは。
お隣のお店のオーナーさんね?」
智の目の前に現れたのは年配の女性だった。
年齢は五十代半ばから後半といった感じの。
「そうです。
初めまして。
吉岡智と申します。」
智は、深々と頭を下げた。
「ニューハーフの方だって聞いてたから、勝手なイメージをしてたんだけど、どこからどう見ても女性なのね。
それに綺麗。
どうぞ、こちらに座って。」
オーナーの女性は、自分の向かい側のソファーを指さして言った。
智は、一礼して腰を下ろすと、自分に対する褒め言葉を否定した。
「いえ、もう歳ですし
最近はブクブク太ってしまい、みっともない体になってしまいました。」
「それは仕方ないわ。
女性ホルモンをしてるんでしょ?
何もしなくても太るものね。
ワタシも四十を過ぎてから一気に太ったわ。
あ、ごめんなさい。まだ名前も言ってなかったわね。
友谷と申します。」
「あの、友谷さんもニューハーフさんなんですか?」
「そうよ。
あなたと同じ。
もっともワタシははるかに歳上のオバサンニューハーフだけどね。」
「いえ、そんなふうには全然見えません。
とてもお綺麗です。」
「あら、お世辞でもそう言ってくれて嬉しいわ。」
「それにワタシももう四十過ぎていますし、若くもありません。」
「そんな事言ったら、ワタシなんて還暦前よ。
お互い歳は取りたくないものね。」
オーナーがそう言って笑うと、智も頷いて笑った。
「吉岡さん。
ワタシはね、このお店を誰に貸したって別にいいとは思うんだけど、どうせならいい人に借りて欲しいじゃない?
僭越だとは思うんだけど、こうしてお会いして、その方の人となりを見せていただいてるのね。
そういう面では、あなたの第一印象はすごく良かったし、少しだけど話してみて、あなたのお人柄もよくわかったわ。」
オーナーはそう言うと、また笑った。
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