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性癖詐称
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生まれてきた妹の恵香を、メグは愛おしそうに見つめた。
「ママ、ありがとう」
「えっ、何が?」
「こんな可愛い妹を産んでくれて」
「恵太にそんなに喜んでもらえるとは思ってもみなかったわ。
私ももう歳も歳だしね」
「由香里さん、見た目も若いし綺麗だし、全然大丈夫よ」
横で聞いていた智が言うと、ユウもウンウンと頷いた。
「ママ、ワタシってニューハーフだから、子供を産めないカラダだし、男として誰かと子作りしたいなんて、少しも思えないの。
でも、子供は大好きなの。
だから…
なんて言っていいかわかんないけど、とにかく恵香を溺愛してしまうのは間違いないわ」
メグは少し上気した顔で言った。
「ありがとう、恵太
私もそう言ってもらえるとすごく嬉しいわ。」
由香里もメグの言葉に頷き、笑みを浮かべた。
「パパは何時頃帰ってくるの?」
「そうね
あと二時間くらいかなあ。」
由香里が時計を見ながらそう言うと、智は思い出したかのように
「じゃあ、ワタシ
組合長さんのところに行ってくるわ。
ご挨拶したいし」
と、言った。
「智さん…
あの…」
「ん?
あー、組合長は大丈夫。」
智は笑って答えた。
敦と智は籍の入っていない、所謂事実婚であった。
そういうのが流行りだからではなく、智が性別変更を行っていなかったからそういう形を取っていたのだ。
やがて、由香里と恵太がやってきて、智のAV、風俗復帰や、組合長と関係を持ったりと、様々な事が起き、二人は別れるという選択をした。
敦もそのとき既に、由香里と体の関係を結んでおり、由香里と結婚するという流れとなっていた。
しかし、ここはとんでもない田舎ゆえにそんな男女の関係を理解するわけもなく、智を追い出し、由香里が敦を追い出したと誰もが見るだろうと思われた。
そこで、智は一計を案じ、次のようなシナリオを考え出した。
東京で浮気をし、男を作った智が、敦を捨てて村を出ていった。
傷心の敦を由香里が支えるうちに恋心が芽生え…
と、いうものだった。
このシナリオでは智が悪者となるが、この地を離れるので別にどうということはない。
この事は、組合長の吉川に伝え、流布してもらうように依頼した。
吉川も渋々であるが、了承してくれたのだった。
だから、今も智の事をよく思っていない人間は多数いて、もし、吉川以外の人達に会ってしまったら…
由香里はその点を心配したのだった。
「大丈夫、組合長にしか会わないようにするから」
智は気にする素振りも見せず、笑って答えた。
「ママ、ありがとう」
「えっ、何が?」
「こんな可愛い妹を産んでくれて」
「恵太にそんなに喜んでもらえるとは思ってもみなかったわ。
私ももう歳も歳だしね」
「由香里さん、見た目も若いし綺麗だし、全然大丈夫よ」
横で聞いていた智が言うと、ユウもウンウンと頷いた。
「ママ、ワタシってニューハーフだから、子供を産めないカラダだし、男として誰かと子作りしたいなんて、少しも思えないの。
でも、子供は大好きなの。
だから…
なんて言っていいかわかんないけど、とにかく恵香を溺愛してしまうのは間違いないわ」
メグは少し上気した顔で言った。
「ありがとう、恵太
私もそう言ってもらえるとすごく嬉しいわ。」
由香里もメグの言葉に頷き、笑みを浮かべた。
「パパは何時頃帰ってくるの?」
「そうね
あと二時間くらいかなあ。」
由香里が時計を見ながらそう言うと、智は思い出したかのように
「じゃあ、ワタシ
組合長さんのところに行ってくるわ。
ご挨拶したいし」
と、言った。
「智さん…
あの…」
「ん?
あー、組合長は大丈夫。」
智は笑って答えた。
敦と智は籍の入っていない、所謂事実婚であった。
そういうのが流行りだからではなく、智が性別変更を行っていなかったからそういう形を取っていたのだ。
やがて、由香里と恵太がやってきて、智のAV、風俗復帰や、組合長と関係を持ったりと、様々な事が起き、二人は別れるという選択をした。
敦もそのとき既に、由香里と体の関係を結んでおり、由香里と結婚するという流れとなっていた。
しかし、ここはとんでもない田舎ゆえにそんな男女の関係を理解するわけもなく、智を追い出し、由香里が敦を追い出したと誰もが見るだろうと思われた。
そこで、智は一計を案じ、次のようなシナリオを考え出した。
東京で浮気をし、男を作った智が、敦を捨てて村を出ていった。
傷心の敦を由香里が支えるうちに恋心が芽生え…
と、いうものだった。
このシナリオでは智が悪者となるが、この地を離れるので別にどうということはない。
この事は、組合長の吉川に伝え、流布してもらうように依頼した。
吉川も渋々であるが、了承してくれたのだった。
だから、今も智の事をよく思っていない人間は多数いて、もし、吉川以外の人達に会ってしまったら…
由香里はその点を心配したのだった。
「大丈夫、組合長にしか会わないようにするから」
智は気にする素振りも見せず、笑って答えた。
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