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聖地と性痴

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智、ユウ、メグは、翼に家まで車で送ってもらった。


「それじゃあお母さん、そろそろ行くね。」


「うん。
また遊びに来てね。

智さん、メグさんも。」


「ありがとうございます。
お母さま

また来ます。

それと、東京にも遊びに来て下さいね。
色々とご案内したいところがありますので。」

智はそう言って笑い、頭を下げた。


メグも笑顔で別れの挨拶を行った。


「啓斗もお見送りを出来たらよかったんだけど、もう出勤時間で、さっき出ていったわ。」


「そう。
あの子にもよろしく言っといて。」

ユウはそう言うと、玄関先で対面して話していた裕美に近づき、熱いハグをした。

裕美も最初はビックリした様子だったが、自分もユウの背中に手を回して応えた。


「ありがとう、お母さん
大好き」

ユウは感極まった様子で裕美の耳元で小声で囁くように言った。


「優も体にはくれぐれも気をつけてね。
何かあったらすぐに連絡してくるのよ。」

裕美もそう言って涙ぐんだ。



もう少し別れを惜しんでいたかったが、何とか夕方には向こうに着きたいという思いから、三人は裕美に別れを告げ、車に乗り込み、また旅の続きを敢行した。


「ユウちゃん

お母さま大丈夫なの?」

車を運転しながら智は助手席のユウに尋ねた。

「えっ?」


「体あんまり良くないんでしょ?

この前もお見舞いでユウちゃん、実家に戻ってたじゃない。」


「あー、あれは大丈夫だったのよ。

ちょっと熱中症みたいになっちゃってて」


「でも、これからは定期的に顔見せてあげた方がいいんじゃない?」


「そうだね。
心掛けるようにするよ。」


ユウは頷いてそう答えた。


高速に乗り、昼まで走り、サービスエリアで昼ご飯を食べた三人は、少しだけ休憩すると、すぐに車に乗り込んだ。


「あと、どれくらいで着くの?」


「そうね
三時間くらいかな。

四時には到着出来ると思う。」


智はもう一踏ん張りとばかりに、ハンドルを握った。



「メグちゃん、どうしたの?
口数が少ないわね。」


ユウが後部座席に座るメグの方に視線をやると


「なんか緊張してきてて…」


と、メグは硬い表情で呟くように言った。


「わかるわ、メグちゃん。

ワタシもめちゃくちゃ緊張してきたわ。」


智はそう言って笑ったが、その表情は若干引き攣り気味であった。
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