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里帰り

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「二人とも
準備は出来た?」

智は、鏡を見て、化粧と髪型の最終確認をしながら声をかけた。


「うん、大丈夫だよ。」

メグはキャリーケースを玄関に置くと、リュックの中身をチェックしながら頷いて言った。


「ユウちゃんも、大丈夫?」


ユウもブランド物のボストンバックを足下にドサっと置き、頷いた。
そして


「でも、トモちゃん
ワタシまでお伺いしてもいいのかなあ。

メグちゃんのご両親が迷惑されないか心配だわ」


「何言ってるのよ。

由香里さんも敦さんも、ユウちゃんにちゃんとご挨拶っていうか、お礼を言いたいってずっと思ってたらしくてね。
出産して落ち着いたら、元々こっちに来ようとしてたらしいわよ。

で、会いに行くって連絡したら、是非ユウちゃんもって事になって。」


「だと、いいんだけど」


「会いに行くって言っても、このご時世
大挙して病院に行くのはムリだから、退院して家に戻ってきたタイミングでって事になったの。

それで、レンタカーでのんびり向かう事にしたの。

途中、温泉旅館で一泊
もう一箇所で一泊っていうゆったりスタイルでね。」


「それはそれで楽しみだよ。」


「じゃあそろそろ出発しましょうか。」


三人は、さっき智が借りてきたレンタカーに荷物を積み込み、智が運転、ユウが助手席、メグが後部座席に座った。

「この車、広ーい」

メグはシートの上で寝そべるような仕草をして、声を出して笑った。


「遠いからね
ちょっと大きめの車の方がいいと思って。」


智は左右を確認しながら、車を大通りに出して言った。


「トモちゃん
ワタシも運転代わるから、少しでも疲れたら言ってね。」


「うん。ありがとう

長い旅だし、のんびり安全運転で走らせてもらうわ。」


「メグちゃんも、お母さんと会うの久しぶりだし、楽しみだね」


ユウが後ろを振り返って言うと、メグは嬉しそうに頷いた。


「はい。
ワタシ、ママのこと大好きだし、やっぱり寂しかったので。
それと、妹の顔見るのが楽しみで仕方ないです。」


「そっかあ、妹かあ

歳も離れてるし、溺愛しそうだね」


「はい。

いっぱいプレゼント買っちゃいました。」

メグは照れくさそうに言って頷いた。

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