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茨の道
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「女ホルの注射ってお尻に打つんですね。
なんか恥ずかしかった…」
病院を出て、駅までの道を歩きながら、恵太はユウに言った。
「痛かったでしょ?
筋肉注射だからね。
腕に打つ人もいるけど、だいたいはお尻よ。
ワタシもトモちゃんもね。」
「へえ、そうなんだ
でも、念願の注射を打てたんで、本当に嬉しいです。」
「すぐには変化はしてこないだろうけど、経口薬の効果を見たら、恵ちゃんは多分体つきとかが顕著に変わるタイプだと思うから、ある程度の期間が過ぎたら、劇的に変わると思うよ。」
「だったらいいんですけど」
「あと、副作用には気をつけてね。
気をつけてって言っても、どうしようもないんだけど。
頭痛とか、のぼせるってか熱った感じになったり、あと、鬱みたいな症状も出やすいしね。」
「はい。
経口薬でも、調子崩すときもありましたから、気をつけます。」
「そうね。
トモちゃんなんて、めちゃくちゃ頭良いのに、ホルモンしてからバカになったって言うくらいだし。」
「えっ、そうなんですか」
「物事を理論立てて考えられなくなったんだって。
それと、集中力が削がれるっていうのか…」
「へえ、そうは見えなかったけどなあ。」
「当事者だから言えるけど、女性ホルモンなんてものは、出来ることならしない方がいいわね。」
「たしかに…
でも、女らしい体になるのが夢だったし…」
「そこよね。
だから、結局は寿命縮めてもみんな女ホルをやるんだもんね。」
ユウは、そう言って笑った。
「本物の女性になれるわけじゃないんですけど、それでも少しずつでもいいから女らしい体になりたいです。」
「そうね。
ワタシもそれが目的で始めたし、こうして今も続けてる。
男の部分をとことん消したくてね。」
「ユウさん
ワタシ、こんなだから、ずっとオカマだって皆んなに言われて、いじめられてきたんです。
だから、高校も入ってすぐに耐えられなくなって辞めてしまいました。
でも、三ヶ月しか在籍しなかった高校で、ワタシは莉愛ちゃんと出会い、すごく親切にしてもらったんです。
莉愛ちゃんはなんでワタシに優しくしてくれるのか、不思議で仕方なかったんですが、聞いてみると、ママがニューハーフだって…
それも、ワタシが小さい時からキレイだなあって憧れてきたトモちゃんだって言うから、もうビックリしちゃって…
そして、今
トモちゃんと一緒に出ていたユウさんにまで出会うことが出来て、もう夢みたいで信じられない思いです。
トモユウはワタシを救ってくれた命の恩人なんです。」
「そうなんだ…
そう思ってくれる人がいたって事は、ワタシも活動した甲斐があったっていうものね。
恵ちゃん、いっぱい辛い事があったと思うけど、人生のターンはもう変わったの。
これからは幸せになる番だよ。」
ユウは恵太を励ました。
「ありがとうございます」
恵太はユウの言葉に礼を述べたが、我慢できずに大泣きしてしまった。
なんか恥ずかしかった…」
病院を出て、駅までの道を歩きながら、恵太はユウに言った。
「痛かったでしょ?
筋肉注射だからね。
腕に打つ人もいるけど、だいたいはお尻よ。
ワタシもトモちゃんもね。」
「へえ、そうなんだ
でも、念願の注射を打てたんで、本当に嬉しいです。」
「すぐには変化はしてこないだろうけど、経口薬の効果を見たら、恵ちゃんは多分体つきとかが顕著に変わるタイプだと思うから、ある程度の期間が過ぎたら、劇的に変わると思うよ。」
「だったらいいんですけど」
「あと、副作用には気をつけてね。
気をつけてって言っても、どうしようもないんだけど。
頭痛とか、のぼせるってか熱った感じになったり、あと、鬱みたいな症状も出やすいしね。」
「はい。
経口薬でも、調子崩すときもありましたから、気をつけます。」
「そうね。
トモちゃんなんて、めちゃくちゃ頭良いのに、ホルモンしてからバカになったって言うくらいだし。」
「えっ、そうなんですか」
「物事を理論立てて考えられなくなったんだって。
それと、集中力が削がれるっていうのか…」
「へえ、そうは見えなかったけどなあ。」
「当事者だから言えるけど、女性ホルモンなんてものは、出来ることならしない方がいいわね。」
「たしかに…
でも、女らしい体になるのが夢だったし…」
「そこよね。
だから、結局は寿命縮めてもみんな女ホルをやるんだもんね。」
ユウは、そう言って笑った。
「本物の女性になれるわけじゃないんですけど、それでも少しずつでもいいから女らしい体になりたいです。」
「そうね。
ワタシもそれが目的で始めたし、こうして今も続けてる。
男の部分をとことん消したくてね。」
「ユウさん
ワタシ、こんなだから、ずっとオカマだって皆んなに言われて、いじめられてきたんです。
だから、高校も入ってすぐに耐えられなくなって辞めてしまいました。
でも、三ヶ月しか在籍しなかった高校で、ワタシは莉愛ちゃんと出会い、すごく親切にしてもらったんです。
莉愛ちゃんはなんでワタシに優しくしてくれるのか、不思議で仕方なかったんですが、聞いてみると、ママがニューハーフだって…
それも、ワタシが小さい時からキレイだなあって憧れてきたトモちゃんだって言うから、もうビックリしちゃって…
そして、今
トモちゃんと一緒に出ていたユウさんにまで出会うことが出来て、もう夢みたいで信じられない思いです。
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「そうなんだ…
そう思ってくれる人がいたって事は、ワタシも活動した甲斐があったっていうものね。
恵ちゃん、いっぱい辛い事があったと思うけど、人生のターンはもう変わったの。
これからは幸せになる番だよ。」
ユウは恵太を励ました。
「ありがとうございます」
恵太はユウの言葉に礼を述べたが、我慢できずに大泣きしてしまった。
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