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常連客
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ケイコと山田の次に来た客は…
「どうも…」
「あら、真弥クン」
仕事帰りに立ち寄った真弥だった。
「来てくれたんだあ」
智は感激の面持ちで真弥を出迎えた。
「今日オープンて聞いたので、仕事終わってソッコー駆けつけました。」
「ありがとう」
「真弥クン、美智香さんは?」
隣に座るケイコが声をかけると
「ホントはオープンのときは絶対行きたいって言ってたんですけど、つわりが酷くて…」
「えっ…つわり?
美智香さん、妊娠したの?」
事情を知らないケイコは驚いた様子で飲みかけていた水割りを置き直した。
「はい。
おかげさまで、赤ちゃんがお腹の中に…ハイ」
「えーっ、知らなかったあ
おめでとう、真弥クン!」
ケイコと山田は真弥に向けてグラスを掲げた。
「ありがとうございます。」
「お祝いに一杯奢らせて
何飲む?」
「すいません
じゃあ、ハイボールお願いします。」
「ユウちゃん、山崎でハイボール作ってあげて」
「はーい、かしこまりましたー」
ユウは満面の笑みを浮かべて返事した。
ユウが真弥にハイボールを差し出すと、ケイコは
「それじゃあ、真弥クンと美智香さんと、生まれてくる赤ちゃんに
乾杯!」
と、真弥を祝福した。
その後は智、ユウ、真弥、ケイコ、山田という顔見知りだけの内輪話が盛り上がりを見せた。
しかし、ふとした瞬間に、智は言葉が出なくなり、戸惑いの表情を見せた。
何故なら、真弥の顔を見ていると、あのことを思い出してしまうからだった。
そう
あの事とは、智と真弥がクスリのせいとはいえ、激しいセックスを長時間行ってしまった…あの出来事の事だった。
真弥もまた、胸が大きく開いたセクシーなドレス姿の智を見て欲情していた。
真弥自身、美智香への想いは揺るぎないものであり、浮気なんて考えた事もない。
しかし、期せずして、智とセックスをしてしまった…
その時の情景がフラッシュバックとして
真弥の脳裏に度々蘇ってきていた。
勿論、美智香の前でそんな事は言えなかったが、真弥は人知れず悩んでいたのだった。
姉弟だけあって、智はやはり美智香によく似ている。
最愛の女性似た人と脳天を突き抜けるような快楽を伴うセックスをしてしまったのだ。
意識するなという方が無理な話だ。
美智香のいないこの空間は、二人をさらに意識させてしまった。
勿論、智も真弥も何をするでもなかったが、密かに互いを想い合ったのである。
そんな二人の心情とは裏腹に、酒の入ったケイコ、山田、ユウは話が弾み、大きな笑い声が店内に響き渡った。
その賑やかさに引きつけられるように、次々と客が入り、気がつけばカウンター席は満員となっていた。
「どうも…」
「あら、真弥クン」
仕事帰りに立ち寄った真弥だった。
「来てくれたんだあ」
智は感激の面持ちで真弥を出迎えた。
「今日オープンて聞いたので、仕事終わってソッコー駆けつけました。」
「ありがとう」
「真弥クン、美智香さんは?」
隣に座るケイコが声をかけると
「ホントはオープンのときは絶対行きたいって言ってたんですけど、つわりが酷くて…」
「えっ…つわり?
美智香さん、妊娠したの?」
事情を知らないケイコは驚いた様子で飲みかけていた水割りを置き直した。
「はい。
おかげさまで、赤ちゃんがお腹の中に…ハイ」
「えーっ、知らなかったあ
おめでとう、真弥クン!」
ケイコと山田は真弥に向けてグラスを掲げた。
「ありがとうございます。」
「お祝いに一杯奢らせて
何飲む?」
「すいません
じゃあ、ハイボールお願いします。」
「ユウちゃん、山崎でハイボール作ってあげて」
「はーい、かしこまりましたー」
ユウは満面の笑みを浮かべて返事した。
ユウが真弥にハイボールを差し出すと、ケイコは
「それじゃあ、真弥クンと美智香さんと、生まれてくる赤ちゃんに
乾杯!」
と、真弥を祝福した。
その後は智、ユウ、真弥、ケイコ、山田という顔見知りだけの内輪話が盛り上がりを見せた。
しかし、ふとした瞬間に、智は言葉が出なくなり、戸惑いの表情を見せた。
何故なら、真弥の顔を見ていると、あのことを思い出してしまうからだった。
そう
あの事とは、智と真弥がクスリのせいとはいえ、激しいセックスを長時間行ってしまった…あの出来事の事だった。
真弥もまた、胸が大きく開いたセクシーなドレス姿の智を見て欲情していた。
真弥自身、美智香への想いは揺るぎないものであり、浮気なんて考えた事もない。
しかし、期せずして、智とセックスをしてしまった…
その時の情景がフラッシュバックとして
真弥の脳裏に度々蘇ってきていた。
勿論、美智香の前でそんな事は言えなかったが、真弥は人知れず悩んでいたのだった。
姉弟だけあって、智はやはり美智香によく似ている。
最愛の女性似た人と脳天を突き抜けるような快楽を伴うセックスをしてしまったのだ。
意識するなという方が無理な話だ。
美智香のいないこの空間は、二人をさらに意識させてしまった。
勿論、智も真弥も何をするでもなかったが、密かに互いを想い合ったのである。
そんな二人の心情とは裏腹に、酒の入ったケイコ、山田、ユウは話が弾み、大きな笑い声が店内に響き渡った。
その賑やかさに引きつけられるように、次々と客が入り、気がつけばカウンター席は満員となっていた。
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