457 / 666
貴賤
しおりを挟む
美智香の家にユウが到着した。
「ごめんなさい、ユウさん
こんな事に巻き込んでしまって。」
「いえ、ワタシは全然…
それで美智香さん、この後どうされるんですか」
「ええ。五千万を佐藤の口座に振替をしなければなりませんが、今はそんな大金を簡単に動かせないので、明日銀行が開いたら書類を書きに行きます。
とりあえず、個人での限度額1000万を振替ますが、その他の分は手続き後になります。」
「と、いうことはすぐに全額というわけではないのですね」
「ええ。明日朝に出来ることはそこまでです。
その後、桐山に連絡する事になっています。」
「わかりました。
もうそれほど時間はありませんが、最善の道を模索しましょう。」
ユウは美智香の手を握り、頷きながら言った。
その頃、智は桐山によってと或るビルの一室に身柄を拘束されていた。
そして、そこには達也も真弥もいた。
ただ、真弥は意識が無いようで、先ほど写真で見せられた通り、ソファに寝かされている状態だった。
「真弥クン…
アンタ達、真弥クンに一体何をしたの!」
「何もしてないですよ。
ただ、大の男に暴れられたら我々としてもどうにもならないので、少しだけ寝てもらってます」
「達也さん、あなた…
こんな事して、もう破滅しか待っていないわよ。」
智は、側に立っていた達也に怒りの視線を向けた。
「そんな事はわかってる!
わかっているさ。
もう、詰んでる事くらい…」
一気に老け込んだ様子の達也は、智と目を合わさないまま、吐き捨てるように言った。
「だったら考え直すのよ。
今ならまだ遅くないわ。ここから真弥クンを解放するなら警察にいったりしないわ。」
「いや、この男を解放しても俺の会社が持ち直す事もない。
だったら、せめて美智香にも俺と同じくらいの地獄を味合わせてやりたい。」
「逆恨み以外の何物でもないじゃない。」
「話が盛り上がってるところ済まないが、佐藤さん
トモちゃんを押さえつけといてくれないかな」
桐山は二人の会話に入ると、達也に視線を送りながら言った。
達也は頷き、智を羽交締めにした。
「ちょ、ちょっと、何するのよ!」
智は振り解こうとしたが、非力なニューハーフでは体の自由を取り戻す事は出来なかった。
桐山は智の手首を持ち、予め準備しておいた注射器を取り出し、一切の迷いもなく、智の腕に注射針を刺した。
「ごめんなさい、ユウさん
こんな事に巻き込んでしまって。」
「いえ、ワタシは全然…
それで美智香さん、この後どうされるんですか」
「ええ。五千万を佐藤の口座に振替をしなければなりませんが、今はそんな大金を簡単に動かせないので、明日銀行が開いたら書類を書きに行きます。
とりあえず、個人での限度額1000万を振替ますが、その他の分は手続き後になります。」
「と、いうことはすぐに全額というわけではないのですね」
「ええ。明日朝に出来ることはそこまでです。
その後、桐山に連絡する事になっています。」
「わかりました。
もうそれほど時間はありませんが、最善の道を模索しましょう。」
ユウは美智香の手を握り、頷きながら言った。
その頃、智は桐山によってと或るビルの一室に身柄を拘束されていた。
そして、そこには達也も真弥もいた。
ただ、真弥は意識が無いようで、先ほど写真で見せられた通り、ソファに寝かされている状態だった。
「真弥クン…
アンタ達、真弥クンに一体何をしたの!」
「何もしてないですよ。
ただ、大の男に暴れられたら我々としてもどうにもならないので、少しだけ寝てもらってます」
「達也さん、あなた…
こんな事して、もう破滅しか待っていないわよ。」
智は、側に立っていた達也に怒りの視線を向けた。
「そんな事はわかってる!
わかっているさ。
もう、詰んでる事くらい…」
一気に老け込んだ様子の達也は、智と目を合わさないまま、吐き捨てるように言った。
「だったら考え直すのよ。
今ならまだ遅くないわ。ここから真弥クンを解放するなら警察にいったりしないわ。」
「いや、この男を解放しても俺の会社が持ち直す事もない。
だったら、せめて美智香にも俺と同じくらいの地獄を味合わせてやりたい。」
「逆恨み以外の何物でもないじゃない。」
「話が盛り上がってるところ済まないが、佐藤さん
トモちゃんを押さえつけといてくれないかな」
桐山は二人の会話に入ると、達也に視線を送りながら言った。
達也は頷き、智を羽交締めにした。
「ちょ、ちょっと、何するのよ!」
智は振り解こうとしたが、非力なニューハーフでは体の自由を取り戻す事は出来なかった。
桐山は智の手首を持ち、予め準備しておいた注射器を取り出し、一切の迷いもなく、智の腕に注射針を刺した。
1
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる