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悪魔の提案
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「私の提案はただ一つ。
美智香さん、あなたが所有する現金資産、佐藤さんの見積りでは五千万は下らないという話ですが…その全てをこちらに譲渡していただく。
ただそれだけです。」
「私が承知したとして、主人が解放されるという保証は?
いつ解放される?」
「勿論、交換条件となりますから、あなたが現金化したものを持ってきていただき、そこでご主人を解放致します。」
「ちょっと待って。」
ここで、智が割り込んできた。
「姉が現金を用意し、あなた達が約束を守って真弥君を解放したとして
そこからはこちらには何も怖いものは無くなる。
すぐに警察に駆け込めば、あなたも達也さんも逮捕されて全てが終わる。
自分達に不利な話を敢えてする根拠は?」
「さすが、トモちゃんだ。
日本で一番の大学を一番で卒業しただけはある。」
「…」
「勿論、お金については役員貸付という正式なやり方でお借りすることになります。ただし、美智香さんを信用しないわけじゃないが、心変わりされたら困るので、先にこちらがお預かりします。
その後にちゃんと手続きさせていただきます。
そして、トモちゃんのおっしゃる通り、美智香さんに警察にかけ込まれては、私も佐藤さんもすぐに逮捕されてジ・エンドです。
だから、それなりの保険はかけたいと思っています。」
「保険?」
「ええ。お二人には少しお時間をいただきたいですね、その保険のために。」
「桐山さん、あなたの考えている事はなんとなくわかるわ。
以前ワタシにしたようなことをまた企んでるんでしょう?」
「トモちゃんは全てお見通しだね。
大体はその通りだよ。」
「そんな話に乗るわけないでしょ!」
「まあ、そうなりますよね。
美智香さんもトモちゃんと同じ考えですか?」
「当たり前よ!」
「いやいや、美智香さん
本当にそれでいいんですか?」
「どういうこと?」
「佐藤さんと私は今日まで行動を共にしてきましたが、根本的に私と佐藤さんとでは、立場が違うんですよ。
私は金のため。
佐藤さんはビジネスと美智香さんへの恨み。
つまり、今、私とお二人との交渉が決裂したら、間違いなく佐藤さんはご主人を殺します。
そして、自らも命を絶つでしょう。」
「そんなバカな」
「いえ、私にはわかります。
温室育ちの男の末路ってやつがね。
美智香さんも夫婦だったんだから、彼のそういう部分がわかるんじゃないですか。
打たれ弱いところがね。」
「…」
「試しにこれから警察に連絡すればいい。
私も共犯として逮捕されるでしょうが、それまでに時間切れとなり、佐藤さんは美智香さんのご主人に手を掛けるでしょうね。
さあ、警察に電話なさって下さい。」
「…」
「いや、そんな事をするより、今から私が佐藤さんに電話しますよ。
交渉が決裂したってね。」
「ちょ、ちょっと待って」
美智香は明らかに動揺した様子で、桐山を制止した。
「お姉ちゃん、コイツのこけ脅しに乗っちゃダメ。
警察に連絡しよ」
智は毅然とした態度で美智香に言ったが…
美智香さん、あなたが所有する現金資産、佐藤さんの見積りでは五千万は下らないという話ですが…その全てをこちらに譲渡していただく。
ただそれだけです。」
「私が承知したとして、主人が解放されるという保証は?
いつ解放される?」
「勿論、交換条件となりますから、あなたが現金化したものを持ってきていただき、そこでご主人を解放致します。」
「ちょっと待って。」
ここで、智が割り込んできた。
「姉が現金を用意し、あなた達が約束を守って真弥君を解放したとして
そこからはこちらには何も怖いものは無くなる。
すぐに警察に駆け込めば、あなたも達也さんも逮捕されて全てが終わる。
自分達に不利な話を敢えてする根拠は?」
「さすが、トモちゃんだ。
日本で一番の大学を一番で卒業しただけはある。」
「…」
「勿論、お金については役員貸付という正式なやり方でお借りすることになります。ただし、美智香さんを信用しないわけじゃないが、心変わりされたら困るので、先にこちらがお預かりします。
その後にちゃんと手続きさせていただきます。
そして、トモちゃんのおっしゃる通り、美智香さんに警察にかけ込まれては、私も佐藤さんもすぐに逮捕されてジ・エンドです。
だから、それなりの保険はかけたいと思っています。」
「保険?」
「ええ。お二人には少しお時間をいただきたいですね、その保険のために。」
「桐山さん、あなたの考えている事はなんとなくわかるわ。
以前ワタシにしたようなことをまた企んでるんでしょう?」
「トモちゃんは全てお見通しだね。
大体はその通りだよ。」
「そんな話に乗るわけないでしょ!」
「まあ、そうなりますよね。
美智香さんもトモちゃんと同じ考えですか?」
「当たり前よ!」
「いやいや、美智香さん
本当にそれでいいんですか?」
「どういうこと?」
「佐藤さんと私は今日まで行動を共にしてきましたが、根本的に私と佐藤さんとでは、立場が違うんですよ。
私は金のため。
佐藤さんはビジネスと美智香さんへの恨み。
つまり、今、私とお二人との交渉が決裂したら、間違いなく佐藤さんはご主人を殺します。
そして、自らも命を絶つでしょう。」
「そんなバカな」
「いえ、私にはわかります。
温室育ちの男の末路ってやつがね。
美智香さんも夫婦だったんだから、彼のそういう部分がわかるんじゃないですか。
打たれ弱いところがね。」
「…」
「試しにこれから警察に連絡すればいい。
私も共犯として逮捕されるでしょうが、それまでに時間切れとなり、佐藤さんは美智香さんのご主人に手を掛けるでしょうね。
さあ、警察に電話なさって下さい。」
「…」
「いや、そんな事をするより、今から私が佐藤さんに電話しますよ。
交渉が決裂したってね。」
「ちょ、ちょっと待って」
美智香は明らかに動揺した様子で、桐山を制止した。
「お姉ちゃん、コイツのこけ脅しに乗っちゃダメ。
警察に連絡しよ」
智は毅然とした態度で美智香に言ったが…
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