437 / 615
巣立ち
しおりを挟む
駅まで車で送ってもらう事を、智は敦には頼まず、吉川に願い出た。
吉川は二つ返事で了承し、車に智を乗せて駅に向かっていた。
「ごめんね、良ちゃん
昨日最後の別れって言って、ハグしてお別れしたのに、車で送ってもらっちゃって。」
「いや、そんな事は気にせんでええ。
しかし、今日でお別れってなってしまうと、とてつもない寂しさが襲ってくるのう…」
「そうだね。
良ちゃんとの付き合いも、もう八年近くになるもんね」
「しばらく立ち直れんかもしれん」
「もう、大げさなんだから。
会いたくなったら連絡してよ
良ちゃんだったら歓迎するわよ」
「おー、ホントか!」
「うん。
なんだかんだ言って、ワタシらってカラダの相性が異常なくらい良かったからね。」
「うんうん。
トモは最高じゃったよ
こんなええ女をいっぱい抱けて、ワシの晩年が輝かしいものになった。」
「またまた大げさな」
智は噴き出した。
「トモ…
お前が言うてた件、本当にええんか」
「ワタシの離婚原因のこと?
うん、勿論よ
皆んなへの説明をよろしくね」
「何だかなあ…
お前さんを悪者にするのが…」
「大丈夫よ。
もうこの村には戻ってくる事はないし、これからずっと住む由香里さんを守らないと。」
「ああ、そうじゃったな
さあ、着いたぞ」
車が駅に着き、吉川はサイドブレーキを引いて運転席を降り、トランクから智とボストンバッグとキャリーケースを取り出した。
智はそれらを受け取り、吉川に頭を下げた。
「良ちゃん
今まで本当にありがとうございました。
どうか、お体にだけは気をつけて、いつまでも元気でいてね。」
「トモ、こちらこそありがとうな。
お前さんは、俺がこれまで見た中で、一番ええ女じゃった。
東京での活躍を祈ってるぞ」
吉川は最後くらいは紳士的に振る舞う事を考えたのか、右手を差し出し握手しようとした。
しかし、智は握手しようとはせず、代わりに吉川に飛びついてキスをした。
それも激しいディープキスを。
かなり長い時間、唇を合わせ、舌を絡ませていたが、一分ほど経過して、ようやく離れた。
「おいおい、勃っちまったじゃねえか」
「フフッ、勃たせようと思ってやったのよ」
智は悪戯っぽい笑みを浮かべて吉川に言った。
「良ちゃん、
それじゃあ…行くね」
智は手を振って駅舎の中に消えていった。
吉川も智が見えなくなるまで手を振って見送った。
吉川は二つ返事で了承し、車に智を乗せて駅に向かっていた。
「ごめんね、良ちゃん
昨日最後の別れって言って、ハグしてお別れしたのに、車で送ってもらっちゃって。」
「いや、そんな事は気にせんでええ。
しかし、今日でお別れってなってしまうと、とてつもない寂しさが襲ってくるのう…」
「そうだね。
良ちゃんとの付き合いも、もう八年近くになるもんね」
「しばらく立ち直れんかもしれん」
「もう、大げさなんだから。
会いたくなったら連絡してよ
良ちゃんだったら歓迎するわよ」
「おー、ホントか!」
「うん。
なんだかんだ言って、ワタシらってカラダの相性が異常なくらい良かったからね。」
「うんうん。
トモは最高じゃったよ
こんなええ女をいっぱい抱けて、ワシの晩年が輝かしいものになった。」
「またまた大げさな」
智は噴き出した。
「トモ…
お前が言うてた件、本当にええんか」
「ワタシの離婚原因のこと?
うん、勿論よ
皆んなへの説明をよろしくね」
「何だかなあ…
お前さんを悪者にするのが…」
「大丈夫よ。
もうこの村には戻ってくる事はないし、これからずっと住む由香里さんを守らないと。」
「ああ、そうじゃったな
さあ、着いたぞ」
車が駅に着き、吉川はサイドブレーキを引いて運転席を降り、トランクから智とボストンバッグとキャリーケースを取り出した。
智はそれらを受け取り、吉川に頭を下げた。
「良ちゃん
今まで本当にありがとうございました。
どうか、お体にだけは気をつけて、いつまでも元気でいてね。」
「トモ、こちらこそありがとうな。
お前さんは、俺がこれまで見た中で、一番ええ女じゃった。
東京での活躍を祈ってるぞ」
吉川は最後くらいは紳士的に振る舞う事を考えたのか、右手を差し出し握手しようとした。
しかし、智は握手しようとはせず、代わりに吉川に飛びついてキスをした。
それも激しいディープキスを。
かなり長い時間、唇を合わせ、舌を絡ませていたが、一分ほど経過して、ようやく離れた。
「おいおい、勃っちまったじゃねえか」
「フフッ、勃たせようと思ってやったのよ」
智は悪戯っぽい笑みを浮かべて吉川に言った。
「良ちゃん、
それじゃあ…行くね」
智は手を振って駅舎の中に消えていった。
吉川も智が見えなくなるまで手を振って見送った。
1
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる