347 / 592
杞憂
しおりを挟む
萩原翔と佐々木真弥は大学時代の友人であったが、偶然にも女性の趣味が似通っていた。
年増女が好きで、たまたま今までそういう女と付き合った事がなかったので、本人達には自覚がなかったが、美智香、美沙というどストライクゾーンの女と出逢ったがために、一気にその性癖が発現してしまったのである。
そして、この二人の特徴として、とにかくあまりにも性急に物事を進める傾向があった為、真弥は出会ってわずか一ヶ月で結婚の約束をし、翔もまた、同じようなスピードで美沙の心を掌握してしまっていた。
美智香と美沙は、二人共しっかりしていて男に左右されるような性格ではなかったが、夫しか男を知らなかったという経験の乏しさが影響し、若者の性欲とテクニックに抗う術を持っていなかったのだ。
強烈なセックスでの快感は、二人の冷静な思考力を鈍らせ、この若者達に夢中になってしまった。
美智香は毎日のように美沙から連絡があり、美智香自身は直接関係はなかったが、翔が夫の友人という事もあり、責任を感じていた。
達也と直接対決する事を決めた美智香は、以前のように怯える事もなく、少し気持ちがラクになっていた。
そうなると、気掛かりなのは親友の美沙の恋愛事情のようで…
「真弥君、ちょっと話してもいい?」
その日の夜、美智香は食事中の真弥に話しかけた。
「どうしたの?みっちゃん」
「あの、萩原君の事なんだけど」
「翔?
アイツがどうかした?」
「美沙と付き合ってるって話はしたと思うけど」
「うん。」
「美沙が完全に本気になってて。
実際のところ、萩原君はどう思ってるのかなって」
「どう思う?」
「ほら、美沙は私のときとはちがって既婚者じゃない?
このまま彼を信じて突き進んでいったとして、果たしてどうなるのかなって。
萩原君も美沙と同じ思いでいてくれたらいいんだけど。
そうでないとしたら…
私は友達として、ちゃんと言ってあげたいから。」
「みっちゃん
萩原は真面目なやつで、テキトー気持ちで美沙さんに接するって事はないと思うよ。
そういう面があるから、親友って呼べる存在であって。」
「だよね…
ごめんね、私、考えすぎかもしれないね。」
「いや、みっちゃんも友達としてその辺の事は心配だと思う。
僕の方から今度会って聞いてみるよ。」
「ありがとう。真弥君
今度、美沙も呼んで四人で話そうよ。」
美智香は笑顔を見せたが、不安げに言った。
年増女が好きで、たまたま今までそういう女と付き合った事がなかったので、本人達には自覚がなかったが、美智香、美沙というどストライクゾーンの女と出逢ったがために、一気にその性癖が発現してしまったのである。
そして、この二人の特徴として、とにかくあまりにも性急に物事を進める傾向があった為、真弥は出会ってわずか一ヶ月で結婚の約束をし、翔もまた、同じようなスピードで美沙の心を掌握してしまっていた。
美智香と美沙は、二人共しっかりしていて男に左右されるような性格ではなかったが、夫しか男を知らなかったという経験の乏しさが影響し、若者の性欲とテクニックに抗う術を持っていなかったのだ。
強烈なセックスでの快感は、二人の冷静な思考力を鈍らせ、この若者達に夢中になってしまった。
美智香は毎日のように美沙から連絡があり、美智香自身は直接関係はなかったが、翔が夫の友人という事もあり、責任を感じていた。
達也と直接対決する事を決めた美智香は、以前のように怯える事もなく、少し気持ちがラクになっていた。
そうなると、気掛かりなのは親友の美沙の恋愛事情のようで…
「真弥君、ちょっと話してもいい?」
その日の夜、美智香は食事中の真弥に話しかけた。
「どうしたの?みっちゃん」
「あの、萩原君の事なんだけど」
「翔?
アイツがどうかした?」
「美沙と付き合ってるって話はしたと思うけど」
「うん。」
「美沙が完全に本気になってて。
実際のところ、萩原君はどう思ってるのかなって」
「どう思う?」
「ほら、美沙は私のときとはちがって既婚者じゃない?
このまま彼を信じて突き進んでいったとして、果たしてどうなるのかなって。
萩原君も美沙と同じ思いでいてくれたらいいんだけど。
そうでないとしたら…
私は友達として、ちゃんと言ってあげたいから。」
「みっちゃん
萩原は真面目なやつで、テキトー気持ちで美沙さんに接するって事はないと思うよ。
そういう面があるから、親友って呼べる存在であって。」
「だよね…
ごめんね、私、考えすぎかもしれないね。」
「いや、みっちゃんも友達としてその辺の事は心配だと思う。
僕の方から今度会って聞いてみるよ。」
「ありがとう。真弥君
今度、美沙も呼んで四人で話そうよ。」
美智香は笑顔を見せたが、不安げに言った。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
異世界転生したら女に生まれ変わってて王太子に激愛されてる件
高見桂羅
恋愛
番外編を75話と76話の間に移動致しました。
話の時間軸は74話の後ですが、内容的な問題でソコに致しました。
学校帰りに建設中のビルから鉄骨が降ってきて死んでしまった少年が異世界、しかも女の子に転生してしまう。
さらに王太子の婚約者までいて…
困惑しながらも王太子に激愛される話です。
主人公は女ですが、転生前は男なので苦手な方はお気をつけください。
初投稿ですので至らないところもあるかと思いますがよろしくお願い致します
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
俺の婚約者は侯爵令嬢であって悪役令嬢じゃない!~お前等いい加減にしろよ!
ユウ
恋愛
伯爵家の長男エリオルは幼い頃から不遇な扱いを受けて来た。
政略結婚で結ばれた両親の間に愛はなく、愛人が正妻の扱いを受け歯がゆい思いをしながらも母の為に耐え忍んでいた。
卒業したら伯爵家を出て母と二人きりで生きて行こうと思っていたのだが…
「君を我が侯爵家の養子に迎えたい」
ある日突然、侯爵家に婿養子として入って欲しいと言われるのだった。
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!
灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」
そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。
リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。
だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く、が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。
みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。
追いかけてくるまで説明ハイリマァス
※完結致しました!お読みいただきありがとうございました!
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる