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離婚
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美沙の夫、公彦は日曜日よ昼下がり、ボケーっとテレビを見ていた。
そこに美沙が入ってきて横に座った。
「ちょっといい?」
美沙がそう言っても公彦はテレビに視線を向けたまま、何の反応もしなかった。
「あのさあ、離婚したいんだけど」
美沙は単刀直入に切り出した。
ここでようやく公彦が横に座る美沙に目をやった。
「えっ、今何て言った?」
「だから、離婚してって言ったんだけど。」
「何で今?」
「大地も大学生になったし、今って思っただけよ」
「いきなり何だよ、そんな事言われたって」
「いきなりじゃない。
忘れた?十年前の事を」
「いや、だからそれは、俺が悪かったって」
「私は一日だって忘れた事ないわ」
「…」
「慰謝料も要らない
この家の権利も要らない
私が出ていくから
条件はただ一つ、大地の学費の面倒だけは見て。」
「お前、最近家に帰ってこない日があるって思ってたが…
男でもできたのか?」
「ただ離婚したくなっただけよ」
「ちょっと待てって
ここ出てどうするつもりなんだ?
俺だって十年前の事は悪いと思ってるさ。
だから、それ以降は真面目に働いて、きっちり給料だって入れてるだろ?
何が不満なんだ?」
「それって当たり前じゃない。
もし、当たり前じゃないとしたら、私のしてきた事も当たり前じゃないよね?
毎日ご飯作って、掃除して洗濯して、家の事は全部私がやってききた。
これって当たり前の事?
あなにとっては当たり前だろうね
専業主婦なんて生ぬるくて、遊んでるようにしか見えないよね?」
「だから、ちょっと待てよ。
俺はそんな事一言も言ってないだろ?」
「あなたの態度でわかるよ。
でも、今さらもういいのよ、そんな話は。
私の気持ちは変わんないから。」
美沙はそう言い放つと、立ち上がって部屋から出ていった。
茫然とする公彦…
翔と出会ってから、異常とも言えるスピードで離婚話まで持ち込んだ美沙だったが、ここからあまりに重い話し合いの場がもたれ、二人共相当に神経をすり減らした。
離婚は結婚の何倍もしんどいとよく言われるが、美沙も身をもって感じたのだった。
そこに美沙が入ってきて横に座った。
「ちょっといい?」
美沙がそう言っても公彦はテレビに視線を向けたまま、何の反応もしなかった。
「あのさあ、離婚したいんだけど」
美沙は単刀直入に切り出した。
ここでようやく公彦が横に座る美沙に目をやった。
「えっ、今何て言った?」
「だから、離婚してって言ったんだけど。」
「何で今?」
「大地も大学生になったし、今って思っただけよ」
「いきなり何だよ、そんな事言われたって」
「いきなりじゃない。
忘れた?十年前の事を」
「いや、だからそれは、俺が悪かったって」
「私は一日だって忘れた事ないわ」
「…」
「慰謝料も要らない
この家の権利も要らない
私が出ていくから
条件はただ一つ、大地の学費の面倒だけは見て。」
「お前、最近家に帰ってこない日があるって思ってたが…
男でもできたのか?」
「ただ離婚したくなっただけよ」
「ちょっと待てって
ここ出てどうするつもりなんだ?
俺だって十年前の事は悪いと思ってるさ。
だから、それ以降は真面目に働いて、きっちり給料だって入れてるだろ?
何が不満なんだ?」
「それって当たり前じゃない。
もし、当たり前じゃないとしたら、私のしてきた事も当たり前じゃないよね?
毎日ご飯作って、掃除して洗濯して、家の事は全部私がやってききた。
これって当たり前の事?
あなにとっては当たり前だろうね
専業主婦なんて生ぬるくて、遊んでるようにしか見えないよね?」
「だから、ちょっと待てよ。
俺はそんな事一言も言ってないだろ?」
「あなたの態度でわかるよ。
でも、今さらもういいのよ、そんな話は。
私の気持ちは変わんないから。」
美沙はそう言い放つと、立ち上がって部屋から出ていった。
茫然とする公彦…
翔と出会ってから、異常とも言えるスピードで離婚話まで持ち込んだ美沙だったが、ここからあまりに重い話し合いの場がもたれ、二人共相当に神経をすり減らした。
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