320 / 615
穴
しおりを挟む
莉愛が高校の寮に帰る日になった。
智は莉愛を軽トラに乗せて、駅に車を走らせた。
「なんかあっという間だったわね。
莉愛が寮に戻っていったら、ここもまた静かになるわね。
寂しいわ。」
「恵太がいるじゃん。由香里ママも。
ママの力で立派な女の子に育ててあげて。」
「由香里さんが公認とはいえ、ニューハーフになるための指導をするなんて、何か気が引けるわ。」
「そうかなあ。
恵太は女になりたいんだし、お母さんもそれを認めてるんだったら、何の障害もないんじゃない?」
「まあ、そうだけど
でも、16歳だよ。まだまだ子供じゃん
ニューハーフって一度やったら後戻りできない事が色々存在するのよ。」
「ふーん、そうなんだ」
「たとえば、女性ホルモン剤の投与とか、ワタシもしてるタマ抜き…去勢手術とか。
一度したら、もう元には戻らないの。
そんな事もあって、弟子入りさせるとか軽率には教えられないよ。」
「でも、恵太は男子としての生活に苦しんでて、その事でいじめられて学校も辞めちゃった。
だから、ママの弟子として暮らす事が恵太にとってどれだけ有意義で、素晴らしい事か
ママしか恵太の事を救ってあげられないんだよ。
その事だけはわかってあげてね。」
「そうだね。
ワタシも女になる事、とりわけ女性ホルモンの注射を初めてする時は皆んなに止められたもんね。
後悔する事になるって。
ワタシの場合、元々性自認は男だったし、自分の心と体の性が一致しないなんて思った事もなかったから。
そういう人間が女性ホルモンなんかに安易に手を出すと絶対後悔するって。
でも、ワタシは聞く耳持たずに女ホルに手を出して、女の肉体を手に入れた。
勿論失ったものは色々あったけど…
全然後悔なんてしなかったし
今も全くしてないよ。
女としての人生は本当に最高なんだもん」
「うん。
ママは最初から女性になりたかったわけじゃなかったんだろうけど、女になるべくしてなったんだと思うよ、きっと。
ママが男だったなんて、今のママ見て、誰も思わないだろうしね。」
「そうね。
ワタシも男だったときの気持ちは全然思い出せないのよ。
あ、でも、ママのことはちゃんと愛してたんだからね」
「わかってるよ。
きっとママも今のママの事、うーん
言い方がややこしいな。
天国の奈々ママも今の智ママの事はきっと応援してると思うよ。」
「もう、莉愛~
運転中なんだから泣かせないでよ」
智は運転しながら涙をポロポロ流した。、
そして…
莉愛は寮に戻り、翌日境親子が入れ替わるようにやってきた。
智の気が休まる日は来ない。
智は莉愛を軽トラに乗せて、駅に車を走らせた。
「なんかあっという間だったわね。
莉愛が寮に戻っていったら、ここもまた静かになるわね。
寂しいわ。」
「恵太がいるじゃん。由香里ママも。
ママの力で立派な女の子に育ててあげて。」
「由香里さんが公認とはいえ、ニューハーフになるための指導をするなんて、何か気が引けるわ。」
「そうかなあ。
恵太は女になりたいんだし、お母さんもそれを認めてるんだったら、何の障害もないんじゃない?」
「まあ、そうだけど
でも、16歳だよ。まだまだ子供じゃん
ニューハーフって一度やったら後戻りできない事が色々存在するのよ。」
「ふーん、そうなんだ」
「たとえば、女性ホルモン剤の投与とか、ワタシもしてるタマ抜き…去勢手術とか。
一度したら、もう元には戻らないの。
そんな事もあって、弟子入りさせるとか軽率には教えられないよ。」
「でも、恵太は男子としての生活に苦しんでて、その事でいじめられて学校も辞めちゃった。
だから、ママの弟子として暮らす事が恵太にとってどれだけ有意義で、素晴らしい事か
ママしか恵太の事を救ってあげられないんだよ。
その事だけはわかってあげてね。」
「そうだね。
ワタシも女になる事、とりわけ女性ホルモンの注射を初めてする時は皆んなに止められたもんね。
後悔する事になるって。
ワタシの場合、元々性自認は男だったし、自分の心と体の性が一致しないなんて思った事もなかったから。
そういう人間が女性ホルモンなんかに安易に手を出すと絶対後悔するって。
でも、ワタシは聞く耳持たずに女ホルに手を出して、女の肉体を手に入れた。
勿論失ったものは色々あったけど…
全然後悔なんてしなかったし
今も全くしてないよ。
女としての人生は本当に最高なんだもん」
「うん。
ママは最初から女性になりたかったわけじゃなかったんだろうけど、女になるべくしてなったんだと思うよ、きっと。
ママが男だったなんて、今のママ見て、誰も思わないだろうしね。」
「そうね。
ワタシも男だったときの気持ちは全然思い出せないのよ。
あ、でも、ママのことはちゃんと愛してたんだからね」
「わかってるよ。
きっとママも今のママの事、うーん
言い方がややこしいな。
天国の奈々ママも今の智ママの事はきっと応援してると思うよ。」
「もう、莉愛~
運転中なんだから泣かせないでよ」
智は運転しながら涙をポロポロ流した。、
そして…
莉愛は寮に戻り、翌日境親子が入れ替わるようにやってきた。
智の気が休まる日は来ない。
1
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる