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Part time love

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「今日から皆さんと一緒に働いてもらう事になった佐々木さんです。

では、一言、ご挨拶を」


「皆さんおはようございます。

佐々木美智香と申します。
スーパーで働かせていただくのは初めての事で、何かとご迷惑をおかけする事もあると思いますが、早く業務を覚えて参りますので、よろしくお願いします。」


「はい。それじゃあ、佐々木さんは金井さんに付いてもらって、レジに入って下さい。
金井さん、よろしく」


「はい」

金井は美智香よりかなり年上の女性で、化粧っ気もなく髪も変なパーマを掛けていた。
少し無愛想な感じで、美智香は少し緊張した。

しかし、後に話をするようになると、同い年という事がわかり、意気投合していくのだが、それはまだ先のことである。

金井は無愛想ではあったが、的確に表現ど仕事内容を美智香に伝え、美智香も地頭の良さもあって、短時間で仕事を覚えた。


そして、あっという間に午前の業務を終え、昼食となった。

「食べるのはこの部屋を使って下さい。

もし、店の物を購入する場合は、必ず休憩中のバッヂを胸に付けて下さい。
文句言ってくるお客様もいるのでね。」

「はい。わかりました。
お弁当を持ってきているので、こちらで食べさせていただきます。」

「あ、そう。
私も弁当持ちよ。
息子の弁当作るついでにね。」

ようやく打ち解けた感もあり、金井と美智香は少しずつ話をするようになっていった。


「佐々木さん」


「はい。
なんでしょうか」


「私も新人パートの教育係に任命されて、何人も見てきたけどさあ
あなたは他の人とちょっと違うね」


「えっ、どういう事でしょうか」


「多分、あなたは元々どこか大きな会社で働いてたんじゃない?」


「えっ」


「なんかねえ、立ち居振る舞いというか、見た目もそうだけど、フツーの主婦のパートに比べてシャープなんだよね。」


「シャープ、ですか?」


「うん。なんかボーッとしたところがないのよ。
最初の日なんて、何やっていいかわかんないからボケーっと突っ立てる人がほとんどなのにね。
あなたは、そういう時間を作るのをすごく嫌がってるように見えるの。
多分、前はあなたが指導する立場にいたんだろうなってね。」


「そんな事はないですけど」

美智香は照れくさそうにして俯いた。


「でも、せっかくこうやって仕事を覚えてもらっても、来月からはレギンドーに吸収されて、ここもリニューアルする予定だから、また一から覚えなきゃならないけど。」


「やっぱりそうなんですね

頑張って覚えなきゃ」

美智香は少し不安そうに言った。
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