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対面
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引越し当日
美智香は自宅近くでレンタカーを借り、自ら運転して、真弥の家までやってきた。
引っ越しの手伝いで来ているため、服装もラフにするより他になかった。
家の前に車を停めて降りると、真弥が家から飛び出してきた。
「みっちゃん、ごめんね!
こんな事させちゃって。」
「ううん。それは気にしないで。
私が好きでやってるんだから…」
と、言ったが、既に心ここに在らずで、彼女の視線は真弥の背後に釘付けになっていた。
家からもう一人、女性が出てきたからだ。
「あ、出てきた。
みっちゃん、紹介するよ。
ウチの母です。」
真弥は隣に来た女性をそう紹介した。
美智香は23の若者と付き合うだけあって、実年齢よりもかなり若く見えたが、真弥の母も想像していた以上に若く見えた。
真弥から45歳と聞いていたが、彼女もまた美智香が想像していたよりも若く見えた。
美智香は、頭を深々と下げて
「吉岡美智香と申します」
と、挨拶をした。
一呼吸おいて
「真弥の母、佐々木真奈美です。」
母の真奈美も、優しげな笑みを浮かべて軽く頭を下げた。
そして
「綺麗ですね。
真弥が好きになるのも無理もないわ」
と、言って笑った。
「母さん、みっちゃんに引越しの手伝いしてもらってんだから邪魔しないでよ」
真弥は少し、真奈美の事を邪険にした。
「何言ってるのよ。
私はアンタの母親よ。アンタがちゃんとお嫁さんを紹介してくんなきゃダメじゃない。」
美智香は、真奈美が自分の事をお嫁さんと言ってくれた事に感動し、思わず泣きそうになった。
挨拶を済ませ、第一関門を突破した美智香は、真弥に案内されて二階の部屋に入った。
「真弥君、お母様
すごく美人じゃない」
「そんな事ないよ」
「私と三つしか歳変わんなかったよね?
なんか自分がすごく恥ずかしいって思ったわ」
「なんで?
みっちゃんとはレベルが違うよ」
「ごめん、こんな事言うつもりじゃなかったんだけど、お母様があまりにも素敵な方だったから」
美智香は感情的になった事を真弥に詫び、そして、本来のここに来た目的、荷造りなどを手伝う事にした。
真弥は恐縮しながら、美智香に段取りを説明し、美智香も手際よく荷造りをしていった。
「あっ」
「どうしたの?」
「ガムテが無くなっちゃった」
真弥は使い切り、芯だけになった輪っかを持ち、頭を抱えた。
「ちょっと買ってくるわ」
真弥はそう言うと、部屋に美智香を残し、出て行ってしまった。
美智香は仕方なく、荷造りの続きをした。
初めて訪れた真弥の部屋
二十代前半の男子の部屋らしく、殺風景な感はあったが、きちんと整頓されており、何よりも真弥の匂いがした。
いつもくっついて寝てる時、この真弥の香りが美智香を安心させてくれる。
真弥の下着をバッグに詰めながら、美智香の胸はキュンとした。
しかし、そんな淡い気持ちはすぐに吹き飛んでしまった。
部屋に母の真奈美が入ってきたからだ。
美智香は自宅近くでレンタカーを借り、自ら運転して、真弥の家までやってきた。
引っ越しの手伝いで来ているため、服装もラフにするより他になかった。
家の前に車を停めて降りると、真弥が家から飛び出してきた。
「みっちゃん、ごめんね!
こんな事させちゃって。」
「ううん。それは気にしないで。
私が好きでやってるんだから…」
と、言ったが、既に心ここに在らずで、彼女の視線は真弥の背後に釘付けになっていた。
家からもう一人、女性が出てきたからだ。
「あ、出てきた。
みっちゃん、紹介するよ。
ウチの母です。」
真弥は隣に来た女性をそう紹介した。
美智香は23の若者と付き合うだけあって、実年齢よりもかなり若く見えたが、真弥の母も想像していた以上に若く見えた。
真弥から45歳と聞いていたが、彼女もまた美智香が想像していたよりも若く見えた。
美智香は、頭を深々と下げて
「吉岡美智香と申します」
と、挨拶をした。
一呼吸おいて
「真弥の母、佐々木真奈美です。」
母の真奈美も、優しげな笑みを浮かべて軽く頭を下げた。
そして
「綺麗ですね。
真弥が好きになるのも無理もないわ」
と、言って笑った。
「母さん、みっちゃんに引越しの手伝いしてもらってんだから邪魔しないでよ」
真弥は少し、真奈美の事を邪険にした。
「何言ってるのよ。
私はアンタの母親よ。アンタがちゃんとお嫁さんを紹介してくんなきゃダメじゃない。」
美智香は、真奈美が自分の事をお嫁さんと言ってくれた事に感動し、思わず泣きそうになった。
挨拶を済ませ、第一関門を突破した美智香は、真弥に案内されて二階の部屋に入った。
「真弥君、お母様
すごく美人じゃない」
「そんな事ないよ」
「私と三つしか歳変わんなかったよね?
なんか自分がすごく恥ずかしいって思ったわ」
「なんで?
みっちゃんとはレベルが違うよ」
「ごめん、こんな事言うつもりじゃなかったんだけど、お母様があまりにも素敵な方だったから」
美智香は感情的になった事を真弥に詫び、そして、本来のここに来た目的、荷造りなどを手伝う事にした。
真弥は恐縮しながら、美智香に段取りを説明し、美智香も手際よく荷造りをしていった。
「あっ」
「どうしたの?」
「ガムテが無くなっちゃった」
真弥は使い切り、芯だけになった輪っかを持ち、頭を抱えた。
「ちょっと買ってくるわ」
真弥はそう言うと、部屋に美智香を残し、出て行ってしまった。
美智香は仕方なく、荷造りの続きをした。
初めて訪れた真弥の部屋
二十代前半の男子の部屋らしく、殺風景な感はあったが、きちんと整頓されており、何よりも真弥の匂いがした。
いつもくっついて寝てる時、この真弥の香りが美智香を安心させてくれる。
真弥の下着をバッグに詰めながら、美智香の胸はキュンとした。
しかし、そんな淡い気持ちはすぐに吹き飛んでしまった。
部屋に母の真奈美が入ってきたからだ。
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