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worthiness

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「美智香さん、昼ごはんは僕に出させて下さい。」

ご飯を食べようと、地下を歩く二人だったが、店選びの前に真弥が先手を打った。

「あんな高いスーツ買ったんだし、私が出すわよ。

男の人の服選びって案外楽しかったしね。」


「でも、ここは僕に…
お願いします。」


真弥の強い決意に抗えず、美智香はその言葉に甘える事にした。


「あの、ここでもいいですか?」

真弥は予めシュミレーション&リサーチしていたパスタ屋を指差して言った。

「うん。」

美智香も嫌がる素振りを見せずに頷いてくれたのでホッとした様子だった。

経験の乏しい真弥は、女=パスタという謎の式を導き出し、前日夜からそこに決めていたのだ。


店に入ってからも、真弥は美智香を退屈させまいと、色んな話をして、その場を盛り上げようと頑張った。

その努力する姿がわかりやすくて、またまた美智香の胸を疼かせた。


美智香も真弥もお互いの事をもっと知りたくなり、色々な質問をしたのだが、真弥はともかく、美智香も無意識のうちに、真弥の情報を欲していた。


それから、店を移し、カフェでコーヒーを飲みながら、四時になるまで時間を潰した。


誠実で自分への愛情表現を惜しまない真弥を前に、美智香は、ついつい身の上話までしてしまっていた。



「えーっ、そんな酷い話あるんですか。」


「その辺の事はねえ…

男の人はやっぱり若い女性が好きなのよ。」


「僕はそんな事ありませんよ。」


「真弥君も、もっと歳を取ればそうなっていくよ。
今は自分自身が若いからそう自覚出来ないだけで。」


「いや、それについては断固否定します。」


「真弥君だって、その大学の時の彼女とはなんで別れたの?」

「僕ですか…

相手には失礼な話なんですけど、付き合って欲しいって言われて付き合ったものの、僕自身が彼女の事を心から好きになれなかったのかなあって。」

「へえ、そうなんだ。」


「本気で好きだって思ったのは、美智香さんが初めてなんです。
これは偽りのない気持ちです。」

真弥はさらりと告白した。

美智香の事が好きだと…


「真弥君、オバサンの事をあんまり揶揄わないでね。」


「僕は本気です。
言わないと後悔するので、まだ早いとか遅いとか関係なしに言います。

僕は美智香さんのことが好きです。
僕と交際してくれませんか」


「ちょ、ちょっと待って」

美智香は動揺して、コーヒーを持つ手が震え、それが真弥に悟られないように、カップを下に置いた。
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