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シン・恋
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ベンチが空いておらず、二人は夜の公園を並んで歩きながら、会話の続きをした。
「夜の公園て、雰囲気があって良いと思いません?」
「そうね。」
真弥の質問に美智香は短く答えたが、それを最後に真弥は黙り込んでしまった。
「…」
当然美智香も黙ってしまい、気まずい空気が二人の間を流れていった。
だが、しばらく歩くと、真弥は立ち止まってしまった。
そして、美智香の前に立つと、ポツリと言った。
「美智香さん、年齢差があるからダメだって言われましたけど、これってお互いが納得し合ってたら何も問題ないんじゃないですか。」
真弥はまっすぐな瞳で美智香を見つめた。
「ダメに決まってるよ。
私と真弥くんて、年齢が親子ほど離れてるのよ。
そんなのあり得ないわ。」
また先程の話に戻された美智香は、通り一辺倒なセリフを吐いて、その場を乗り切ろうとした。
「さっきは待つって言いましたけど、もし、年齢差だけが問題なら、やっぱり諦める事が出来ません。
でも、もし、それ以外の事が原因で無理だと思われているのなら、きっぱり諦めます。」
「そ、そんなの…」
真弥の言葉に美智香の心が揺れた。
自分も真弥に強い好意を寄せていることを、もうこの時点でははっきりと自覚していた美智香だったか、このままだと、抗う事が出来なくなるという予感がして、何も言葉が出てこなくなったのだった。
「美智香さん、怖いですか?」
「えっ…何が?」
「僕と恋愛するのが…です」
「…そりゃ、怖いわ。
こんなオバサンでもね、傷つく時は傷つくの…
だから…」
そう言った瞬間、真弥の手が伸び
美智香を抱きしめた…
「ちょ、ちょっと真弥くん!」
美智香が少し声を荒げて言うと
真弥はその口を塞ぐかのように美智香の唇に自分の唇を合わせた。
美智香は驚き、そして、目を見開いた。
だが、目を瞑り真っ直ぐな気持ちで自分に向かってきている真弥の姿を見て、抵抗するのをやめ、自らも目を閉じたのだった。
硬直していた顔の筋肉も和らぎ、唇が少し開くと、真弥の舌が美智香の口の中に飛び込んできた。
もう、美智香は真弥に身を任せ、その心地よい空間の中に飛び込んでいった。
舌を絡め合いながら、極度の緊張と高揚感が、交互に美智香を襲ってきた。
元夫以外と恋愛をしてこなかった美智香にとって、真弥のアプローチ、キスの仕方、そのどれもが新鮮で、腰が砕けそうになった。
長いキスを終えても、真弥は美智香を抱きしめ続け、耳元で言った。
「美智香さん、僕はあなたを傷つけたりしません。
ただ、あなたの事が純粋に好きなだけです。」
「…」
美智香は何も答えなかったが、真弥の自分への想いと、その実直さは嘘ではないという事がよくわかった。
だが…
「真弥君、人が見てるわ…」
「すいません」
真弥は慌てて、美智香から手を離した。
「真弥君、今日はもう遅いから帰ろう」
美智香は顔を赤らめ、そして俯いた。
「夜の公園て、雰囲気があって良いと思いません?」
「そうね。」
真弥の質問に美智香は短く答えたが、それを最後に真弥は黙り込んでしまった。
「…」
当然美智香も黙ってしまい、気まずい空気が二人の間を流れていった。
だが、しばらく歩くと、真弥は立ち止まってしまった。
そして、美智香の前に立つと、ポツリと言った。
「美智香さん、年齢差があるからダメだって言われましたけど、これってお互いが納得し合ってたら何も問題ないんじゃないですか。」
真弥はまっすぐな瞳で美智香を見つめた。
「ダメに決まってるよ。
私と真弥くんて、年齢が親子ほど離れてるのよ。
そんなのあり得ないわ。」
また先程の話に戻された美智香は、通り一辺倒なセリフを吐いて、その場を乗り切ろうとした。
「さっきは待つって言いましたけど、もし、年齢差だけが問題なら、やっぱり諦める事が出来ません。
でも、もし、それ以外の事が原因で無理だと思われているのなら、きっぱり諦めます。」
「そ、そんなの…」
真弥の言葉に美智香の心が揺れた。
自分も真弥に強い好意を寄せていることを、もうこの時点でははっきりと自覚していた美智香だったか、このままだと、抗う事が出来なくなるという予感がして、何も言葉が出てこなくなったのだった。
「美智香さん、怖いですか?」
「えっ…何が?」
「僕と恋愛するのが…です」
「…そりゃ、怖いわ。
こんなオバサンでもね、傷つく時は傷つくの…
だから…」
そう言った瞬間、真弥の手が伸び
美智香を抱きしめた…
「ちょ、ちょっと真弥くん!」
美智香が少し声を荒げて言うと
真弥はその口を塞ぐかのように美智香の唇に自分の唇を合わせた。
美智香は驚き、そして、目を見開いた。
だが、目を瞑り真っ直ぐな気持ちで自分に向かってきている真弥の姿を見て、抵抗するのをやめ、自らも目を閉じたのだった。
硬直していた顔の筋肉も和らぎ、唇が少し開くと、真弥の舌が美智香の口の中に飛び込んできた。
もう、美智香は真弥に身を任せ、その心地よい空間の中に飛び込んでいった。
舌を絡め合いながら、極度の緊張と高揚感が、交互に美智香を襲ってきた。
元夫以外と恋愛をしてこなかった美智香にとって、真弥のアプローチ、キスの仕方、そのどれもが新鮮で、腰が砕けそうになった。
長いキスを終えても、真弥は美智香を抱きしめ続け、耳元で言った。
「美智香さん、僕はあなたを傷つけたりしません。
ただ、あなたの事が純粋に好きなだけです。」
「…」
美智香は何も答えなかったが、真弥の自分への想いと、その実直さは嘘ではないという事がよくわかった。
だが…
「真弥君、人が見てるわ…」
「すいません」
真弥は慌てて、美智香から手を離した。
「真弥君、今日はもう遅いから帰ろう」
美智香は顔を赤らめ、そして俯いた。
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