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歳並み
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「あら、見慣れない顔を連れてると思ったら、トモちゃんじゃないの!」
「ママ、ご無沙汰しています。」
ケイコと知り合った時から、ずっと常連客として通い、ニューハーフのいろはをここで学んだと言っても過言ではない…
智は変わらぬ店構えとママの姿を見て感慨深いものがあった。
「へえ、あのアイドルトモちゃんも、四十かあ
ここに初めて来たときは、スーツ姿の可愛い男の子だったのに、どうしてこんなに変わっちゃったんだろうね」
ママはウイスキーの水割りを二人に出しながら、笑って言った。
「あの時は会社勤めのフツーのサラリーマンでしたからね。」
「ワタシがこの世界にトモちゃんを誘ってしまったのがいけなかったんだよね。
今も反省してるのよ」
ケイコは水割りを口にしながら、智に視線を向けた。
「いえ、ケイコさんと知り合わなかったら、今もサラリーマンで普通のおじさんになってたかもしれませんけど、この世界の事をおしえてもらって、また自分自身がニューハーフとして生きるようになれた事を、すごく感謝してるんです。
男の時の人生の何倍も幸せを感じてます。」
智の言葉にママは笑った。
「なんてポジティブオカマな発言なんでしょう。」
「うん。ポジティブオカマには違いないわ。
ちんちん大好きなね」
智が言うと、二人は笑った。
「それはワタシらも同じよ
みんなちんちん大好き」
「でも、久しぶりにママにお会いできてホントに良かった。
お元気にされてて何よりです。」
「いや、それがそうでもないのよ。
色々大変な時期もあったでしょ、営業自粛期間とか
それと、ワタシ自身も体壊しちゃったりしてね…
ホント言うと、お店をどうしようか悩んでるのよ。」
「えーっ、お店閉めちゃうの?」
「きつい糖尿病を患いながらこの仕事するのも辛くてね。」
「まあ、体が資本だから、そういう理由なら仕方ないけど。」
「あ、そうだ。
ケイコちゃん、この店引き継いでみない?」
「えっ?」
「このお店の土地はちゃんとワタシのもので、どこかに借りてるってわけじゃないのよ。
お店の備品もそのまま譲るし、すぐに始められるわよ。」
「ワタシが、お店を…
いや、ムリだよ
接客業なんてした事ないし…」
「出来る出来る。
ケイコちゃんキレイだし、男の娘とか雇ってカウンターに入れときゃそれなりに客が付くはずよ。」
「でも、そんなお金持ってないし…」
「権利を買ってくれって言ってんじゃなくて、お店を引き継いで欲しいってことだけ。
毎月決められたお金を入れてくれたらそれでいいし、そんなに法外な価格を提示するつもりもないわ。」
ママの提示額は驚くほど安いものだった。
ケイコはよく考えてみると返事して、その話は一応終わった。
「ママ、ご無沙汰しています。」
ケイコと知り合った時から、ずっと常連客として通い、ニューハーフのいろはをここで学んだと言っても過言ではない…
智は変わらぬ店構えとママの姿を見て感慨深いものがあった。
「へえ、あのアイドルトモちゃんも、四十かあ
ここに初めて来たときは、スーツ姿の可愛い男の子だったのに、どうしてこんなに変わっちゃったんだろうね」
ママはウイスキーの水割りを二人に出しながら、笑って言った。
「あの時は会社勤めのフツーのサラリーマンでしたからね。」
「ワタシがこの世界にトモちゃんを誘ってしまったのがいけなかったんだよね。
今も反省してるのよ」
ケイコは水割りを口にしながら、智に視線を向けた。
「いえ、ケイコさんと知り合わなかったら、今もサラリーマンで普通のおじさんになってたかもしれませんけど、この世界の事をおしえてもらって、また自分自身がニューハーフとして生きるようになれた事を、すごく感謝してるんです。
男の時の人生の何倍も幸せを感じてます。」
智の言葉にママは笑った。
「なんてポジティブオカマな発言なんでしょう。」
「うん。ポジティブオカマには違いないわ。
ちんちん大好きなね」
智が言うと、二人は笑った。
「それはワタシらも同じよ
みんなちんちん大好き」
「でも、久しぶりにママにお会いできてホントに良かった。
お元気にされてて何よりです。」
「いや、それがそうでもないのよ。
色々大変な時期もあったでしょ、営業自粛期間とか
それと、ワタシ自身も体壊しちゃったりしてね…
ホント言うと、お店をどうしようか悩んでるのよ。」
「えーっ、お店閉めちゃうの?」
「きつい糖尿病を患いながらこの仕事するのも辛くてね。」
「まあ、体が資本だから、そういう理由なら仕方ないけど。」
「あ、そうだ。
ケイコちゃん、この店引き継いでみない?」
「えっ?」
「このお店の土地はちゃんとワタシのもので、どこかに借りてるってわけじゃないのよ。
お店の備品もそのまま譲るし、すぐに始められるわよ。」
「ワタシが、お店を…
いや、ムリだよ
接客業なんてした事ないし…」
「出来る出来る。
ケイコちゃんキレイだし、男の娘とか雇ってカウンターに入れときゃそれなりに客が付くはずよ。」
「でも、そんなお金持ってないし…」
「権利を買ってくれって言ってんじゃなくて、お店を引き継いで欲しいってことだけ。
毎月決められたお金を入れてくれたらそれでいいし、そんなに法外な価格を提示するつもりもないわ。」
ママの提示額は驚くほど安いものだった。
ケイコはよく考えてみると返事して、その話は一応終わった。
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