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strange parent and child

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念願の莉愛との親子での生活を手に入れた智は、これまでに果たせなかった親としての役目…とりわけ母親としての役割を熱心にこなす毎日を送っていた。

共同生活が始まって既に1週間が経過し、最初は無口だった莉愛も、徐々に会話するようになり、言葉の端々から遠慮が消えた。

そして、今日、初めて智のことを「ママ」と呼んだ。

智はその言葉を軽く流したが、後で一人で嬉し涙を流したのだった。

今はちょうど夏休みの期間で、まだ小学校に通っていないが、来週には莉愛と一緒に学校に行き、挨拶と手続きをしなければならない。

その事を考えると、憂鬱にならざるを得ない。

自分の素性を学校側に明かさなければならないし、それが原因で娘が変な目で見られることになったら…

智は夕食の後片付けを終え、テレビを見る娘の後ろ姿を眺めながらため息をついた。

莉愛はそんな智の心情を知ってか知らずか、徐にテレビの電源を切ると、振り返り努めて明るい表情を作り

「ママ、お風呂に入ろ」

と、言った。

智はハッとして顔を上げ、少しの間を置いて、笑顔で頷いた。


莉愛がここに来てから、一緒にお風呂には入っていたが、後ろめたさがあり、股間を娘の目に触れないように隠していた。
だが、もうそんな事をしても仕方がないと思ったのと、莉愛にママと呼んでもらった嬉しさと安堵感から
莉愛の眼前に股間、タマのない小ぶりなペニスを晒したのだった。

莉愛もその上半身とは明らかにアンバランスな智の股間に目をやったが、何も言う事はなかった。

一緒にお風呂に浸かりながら、莉愛は智と奈々の馴れ初めを聞いたり、自分が小さい時の話を聞いてきた。

智は莉愛の頭を撫で、優しげな笑みを浮かべたが、ふと、或る思いが頭に浮かぶと、その笑顔に翳りが見えた。

芸能生活を休止…というよりも、ほぼ引退状態にしたのは、莉愛が学校に通い始めたとき、自分の顔を指されたりすることが怖くて、もうできないと思った。

他の仕事をすると言っても、今は莉愛のそばで成長を見守ってやりたい。
とはいえ、ずっと無職で生活出来るほどの蓄えもない。

ちゃんと働くにしても、ベビーシッターを雇わなければフルタイムでは無理である。
勿論、大した給料を貰う事は出来ないだろう。

考えれば考えるほど憂鬱になったが、莉愛と一緒に暮らせる喜びからすれば、ほんの小さな事である。

智は自分にそう言い聞かせ、決意を新たにした。
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