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匂い
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和俊の実家に戻ってきた二人は、居間にいる両親に帰宅した事を伝えた。
「お帰り。
お腹は空いてない?」
律子が立ち上がって聞くと
「中学のときの同級生と駅前の居酒屋で飲んできたし、大丈夫だよ。」
和俊は冷蔵庫からミネラルウォーターを出しながら答えた。
「あんたじゃないわよ。
トモちゃんに言ってるの。」
「私も大丈夫です。ありがとうございます。」
「悪いけどお父さんと私、先にお風呂入らせてもらったからね。
あなた達も入っちゃって。」
律子がそう言うと、和俊は頷いて、智と共に二階の自分の部屋に上がっていった。
「ふう、じゃあ風呂入ろっか。」
「うん。カズが先に入ってよ。
ワタシ、メイク落としたり、時間がかかるから。」
「えーっ!一緒に入んないの?」
「入るわけないでしょ!
アンタの実家だよ、ここ。」
「大丈夫、ウチの風呂、広めに作ってあるから、二人でも余裕だよ。」
「バカ。そういう問題じゃないの。」
「仕方ないな。じゃあ先に入ってくるわ。
でも、明日は一緒に入ろう。ね?」
「もう‥
わかったわよ、早く入ってきなさい。」
智があしらう様に言うと、和俊はガッツポーズで部屋を出た。
智は、何気ないそれらのやり取りをする自分が、とても幸せに感じ、柔らかな笑みを浮かべて和俊の背中を見つめていた。
三十年の人生で‥特にこの七年間はまさに激動の人生といっても過言ではなかったし、楽しい事以上に辛い事が沢山あった。
それでも、こうして最愛の男性と夫婦生活を送る事となり、また一から頑張って幸せを掴み取ろう。
和俊を支え、和俊の両親を大切にしようと、心に誓った。
「お帰り。
お腹は空いてない?」
律子が立ち上がって聞くと
「中学のときの同級生と駅前の居酒屋で飲んできたし、大丈夫だよ。」
和俊は冷蔵庫からミネラルウォーターを出しながら答えた。
「あんたじゃないわよ。
トモちゃんに言ってるの。」
「私も大丈夫です。ありがとうございます。」
「悪いけどお父さんと私、先にお風呂入らせてもらったからね。
あなた達も入っちゃって。」
律子がそう言うと、和俊は頷いて、智と共に二階の自分の部屋に上がっていった。
「ふう、じゃあ風呂入ろっか。」
「うん。カズが先に入ってよ。
ワタシ、メイク落としたり、時間がかかるから。」
「えーっ!一緒に入んないの?」
「入るわけないでしょ!
アンタの実家だよ、ここ。」
「大丈夫、ウチの風呂、広めに作ってあるから、二人でも余裕だよ。」
「バカ。そういう問題じゃないの。」
「仕方ないな。じゃあ先に入ってくるわ。
でも、明日は一緒に入ろう。ね?」
「もう‥
わかったわよ、早く入ってきなさい。」
智があしらう様に言うと、和俊はガッツポーズで部屋を出た。
智は、何気ないそれらのやり取りをする自分が、とても幸せに感じ、柔らかな笑みを浮かべて和俊の背中を見つめていた。
三十年の人生で‥特にこの七年間はまさに激動の人生といっても過言ではなかったし、楽しい事以上に辛い事が沢山あった。
それでも、こうして最愛の男性と夫婦生活を送る事となり、また一から頑張って幸せを掴み取ろう。
和俊を支え、和俊の両親を大切にしようと、心に誓った。
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