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巡恋
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「和俊、お前の気持ちはよくわかった。
私が君達の結婚に反対する理由は、もう何もないよ。
なあ、母さん」
博史は、律子に向かって言った。
「はい。
智さん、我儘で甘ったれな息子ですが、どうかよろしくお願いします。」
思わぬ展開に、智は暫く言葉を失っていたが、慌てて
「色々申し訳ありません。どうか宜しくお願いします。」
と、恐縮気味に深々と頭を下げた。
「ありがとう」
和俊も、理解ある親に感謝の意を述べ、シリアスな話し合いはここで終了した。
博史も律子も、智をリラックスさせようと色んな話をして場を和ませた。
「ところで、和俊
こんな可愛い人とどこで知り合ったの?」
律子が聞くと、和俊は智の方を見てニヤッと笑って
「知り合ったというか、中学の時の同級生だから、トモは。」
と、言うと、律子はハッとしたような表情になった。
「えっ、吉岡さんて、学年一番だった、あの吉岡君!?」
「そうだよ。よく覚えてるね」
「そりゃ覚えてるわよ。
アンタが毎日悔しい悔しいって言って、落ち込んでたんだから。
あのときの吉岡君なの?」
「はい。恐れ入ります‥」
智は顔を真っ赤にして、小さな声で答えた。
側で聞いていた博史も、話に加わり
「智さん、耳の痛い話をしましたが、許してやって下さい。
倅は昔から勉強は出来たが、ちょっと甘ったれたところと、プライドが高すぎるきらいがありまして。
引きこもりになったのも、自分で自分が許せなかったんでしょう。
ですが、どれだけ努力しても歯が立たなかったあなたに救われたと申しております。
私も妻も微力ながら、あなた達夫婦を出来る限り応援していくつもりです。
和俊をどうか、よろしくお願いします。」
と、言って頭を下げた。
智も
「こんなワタシに優しい言葉をかけて下さり、本当にありがとうございます。
全てにおいて至らないワタシですが、何卒宜しくお願い致します。」
と、より一層深く頭を下げて言った。
和俊も、この物分かりの良い両親に感謝し、同じように頭を下げた。
「固い話は、この辺にして、お昼ご飯にしましょう。
お腹すいたでしょ?」
律子は、笑って言うと、食事の用意の為に立ち上がり、部屋から出て行った。
私が君達の結婚に反対する理由は、もう何もないよ。
なあ、母さん」
博史は、律子に向かって言った。
「はい。
智さん、我儘で甘ったれな息子ですが、どうかよろしくお願いします。」
思わぬ展開に、智は暫く言葉を失っていたが、慌てて
「色々申し訳ありません。どうか宜しくお願いします。」
と、恐縮気味に深々と頭を下げた。
「ありがとう」
和俊も、理解ある親に感謝の意を述べ、シリアスな話し合いはここで終了した。
博史も律子も、智をリラックスさせようと色んな話をして場を和ませた。
「ところで、和俊
こんな可愛い人とどこで知り合ったの?」
律子が聞くと、和俊は智の方を見てニヤッと笑って
「知り合ったというか、中学の時の同級生だから、トモは。」
と、言うと、律子はハッとしたような表情になった。
「えっ、吉岡さんて、学年一番だった、あの吉岡君!?」
「そうだよ。よく覚えてるね」
「そりゃ覚えてるわよ。
アンタが毎日悔しい悔しいって言って、落ち込んでたんだから。
あのときの吉岡君なの?」
「はい。恐れ入ります‥」
智は顔を真っ赤にして、小さな声で答えた。
側で聞いていた博史も、話に加わり
「智さん、耳の痛い話をしましたが、許してやって下さい。
倅は昔から勉強は出来たが、ちょっと甘ったれたところと、プライドが高すぎるきらいがありまして。
引きこもりになったのも、自分で自分が許せなかったんでしょう。
ですが、どれだけ努力しても歯が立たなかったあなたに救われたと申しております。
私も妻も微力ながら、あなた達夫婦を出来る限り応援していくつもりです。
和俊をどうか、よろしくお願いします。」
と、言って頭を下げた。
智も
「こんなワタシに優しい言葉をかけて下さり、本当にありがとうございます。
全てにおいて至らないワタシですが、何卒宜しくお願い致します。」
と、より一層深く頭を下げて言った。
和俊も、この物分かりの良い両親に感謝し、同じように頭を下げた。
「固い話は、この辺にして、お昼ご飯にしましょう。
お腹すいたでしょ?」
律子は、笑って言うと、食事の用意の為に立ち上がり、部屋から出て行った。
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