上 下
104 / 666

perfect game

しおりを挟む
最大112キロあった智の体重は、血の出るような努力の末、一年二ヶ月でベスト体重である50キロ台前半に到達した。

「トモちゃん、カンペキですよ。
これで、いよいよビフォーアフターの後半の撮影に入れます。」

「すいません、新井さん。二ヶ月余計にかかっちゃって。」

「いやいや、ホントに奇跡ですよ、これは。

トモちゃんの第一シーズンのあの美しさがまた戻ってきたんですから。
昨年撮影しておいた、100キロオーバーのトモちゃんとのギャップが凄すぎて、ファンもきっと大喜びしますって。」

「ファンなんて残ってますかねえ」  

「いっぱいいますよ。デブ専シリーズも予想外のスマッシュヒットしたんですから。

さあ、撮影に入りましょう。」

智は頷き、着ていたバスローブを脱いだ。

一糸纏わぬ姿となった智の体は、あの時のように腰がくびれ、お腹にもお尻にも無駄な贅肉のない、すっきりとしたものに変貌しており、自慢の美乳も、あの時のままであった。


男優と激しいキスをして体を絡め合う智は、デブ専シリーズではほとんど決まった体位でしかファックシーンを撮れなかったのが嘘のように、次々と男優と体を入れ替えながらの、アクロバティックな撮影を行った。


この作品は、新井の予想通り、ニューハーフ物では記録的な大ヒットとなり、アダルト業界だけではなく、一般のネットニュースにも取り上げられ、智の元には、取材も多数舞い込んだ。

それでも、所詮はニッチな世界の中での話で、食堂の同僚達にバレる事はなく、日常が変わる事はなかった。

勿論、竹井だけはその正体を知っているので、智の出演作が出る度に購入し、夜な夜な見ては悶々とすごす日々を送っていた。

竹井と智の関係は、竹井の内気な性格から、なかなか発展せず、月に一回程度のデートをするに留まっていた。
まだ、手すら握ったこともない。

夜10時から朝の5時まで、週5で勤務するという、智の食堂での勤務形態も変わらず、毎日、規則正しい生活を送りながら、もう一度女磨きに力を入れることに注力した。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指すい桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...