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退廃
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智は巨漢を揺らして、しんどそうに立ち上がり、キッチンでコーヒーを入れて、ケイコに差し出した。
「ありがとう‥
トモちゃん、この一年、ずっと心配してたんだよ。全然連絡来れないんだから。」
「ごめんなさい。
なんか、知ってる人には会いたくなくて‥」
「一年間誰とも会わなかったの?」
「そうですね、最近までは誰とも‥
でも、ここのところ、無性に寂しくなって、マッチングアプリで、男の人と会ったりはしてました。」
「あ、そうなんだ。」
「こんな体になればなるほど、性欲は増しちゃって‥
マニアっていうか、太ったニューハーフが好きっていうニッチな人も結構いて、三段腹でも喜んでくれるんです。」
「へえ‥」
「こんなデブなワタシに、顔に乗って欲しいとか」
智は太り過ぎて、少しこもり気味になった声で言った。
「でも、トモちゃん、このままの生活は続けられるわけないんだし、そろそろ前向きに生きていかないとね。」
「そうですよね‥
一年前から、明日はちゃんとしよう、いや、明後日からは絶対‥って思いながら、ズルズル来ちゃって‥
気力がついて来ないんです‥」
「うん、わかるよ。
いきなりはムリだと思うし、徐々に頑張ろうよ。
例えば、一日一回は外に出る、とか
ワタシと飲みに行くのもアリなんじゃない?
喜んで付き合うわよ。」
「ありがとうございます。
ワタシって弱いですよね。自分だけが不幸になったみたいに勝手に思い込んじゃって、毎日泣いてすごしたかと思えば、堕落した生活で自分を堕とし込めるのが、せめてもの気休めになるんじゃないかって‥」
「色々あったからね、ワタシがその立場だとしても、どうなってるかわからないよ。
でもね、ワタシら親友じゃない?そうでしょ?
もっと頼って欲しいし、甘えて欲しいのよ。
トモちゃん!」
ケイコが少し涙声で言うと、つられるように智も泣き出した。
それも子供のように声を上げて。
ケイコは丸々太った智の体を抱きしめ、背中を摩りながら優しい口調で言った。
「大丈夫だよ、ワタシが付いてる。
それに、こんなに太ってんのに、アンタやっぱり美人だわ」
智は一段と大きな声で泣き出した。
「ありがとう‥
トモちゃん、この一年、ずっと心配してたんだよ。全然連絡来れないんだから。」
「ごめんなさい。
なんか、知ってる人には会いたくなくて‥」
「一年間誰とも会わなかったの?」
「そうですね、最近までは誰とも‥
でも、ここのところ、無性に寂しくなって、マッチングアプリで、男の人と会ったりはしてました。」
「あ、そうなんだ。」
「こんな体になればなるほど、性欲は増しちゃって‥
マニアっていうか、太ったニューハーフが好きっていうニッチな人も結構いて、三段腹でも喜んでくれるんです。」
「へえ‥」
「こんなデブなワタシに、顔に乗って欲しいとか」
智は太り過ぎて、少しこもり気味になった声で言った。
「でも、トモちゃん、このままの生活は続けられるわけないんだし、そろそろ前向きに生きていかないとね。」
「そうですよね‥
一年前から、明日はちゃんとしよう、いや、明後日からは絶対‥って思いながら、ズルズル来ちゃって‥
気力がついて来ないんです‥」
「うん、わかるよ。
いきなりはムリだと思うし、徐々に頑張ろうよ。
例えば、一日一回は外に出る、とか
ワタシと飲みに行くのもアリなんじゃない?
喜んで付き合うわよ。」
「ありがとうございます。
ワタシって弱いですよね。自分だけが不幸になったみたいに勝手に思い込んじゃって、毎日泣いてすごしたかと思えば、堕落した生活で自分を堕とし込めるのが、せめてもの気休めになるんじゃないかって‥」
「色々あったからね、ワタシがその立場だとしても、どうなってるかわからないよ。
でもね、ワタシら親友じゃない?そうでしょ?
もっと頼って欲しいし、甘えて欲しいのよ。
トモちゃん!」
ケイコが少し涙声で言うと、つられるように智も泣き出した。
それも子供のように声を上げて。
ケイコは丸々太った智の体を抱きしめ、背中を摩りながら優しい口調で言った。
「大丈夫だよ、ワタシが付いてる。
それに、こんなに太ってんのに、アンタやっぱり美人だわ」
智は一段と大きな声で泣き出した。
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