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「ワタシ、本当は女性として残りの人生を生きるつもりでした。
でも、もう守るべきものも失うものも何もないって思い、気が楽になった矢先、自分に子供がいることがわかりました。
女性ホルモンの投与を長期間していて、永久不妊になってたし、去勢もして、子ども云々は全く頭になかったんですが、まさかの出来事でした。
妻もワタシがこんな風になったがためというか、早くから本質を見抜いていた為、結局は不幸にしてしまいました。
それでも妻はワタシとやり直すために子供を連れて戻ってきてくれました。」
「‥」
「だから、少なくともこの二人だけは、幸せには出来ないかもしれないけど、ちゃんとしなければならないって、今はそう思ってます。」
「俺はその辺の事はよくわかんないけど、吉岡君を見てて思ったのは、無理してんなあってこと。」
「無理?」
「ああ。
旅行のとき、たまたまあんな感じになっちゃったから言うんじゃないんだけど、あのときの吉岡君が本当の姿だって思った。」
「‥
否定はしません。
妻の事は愛していますが、性嗜好は完全に男性なんです。
ワタシは男性が好きなんです。
課長の事も、そういう目で見るつもりはなかったんですが、異性として見てしまっていました。
だから、酔っていたとはいえ、あんな事しちゃったんだと思います。
気持ち悪い事をして本当に申し訳ございません。」
「いや、あれは俺も同意してした事だから。
で、仕事はどうするつもりなんだ?」
「課長をはじめとして、みんな良い人ばかりですし、仕事内容もようやくわかり始めてきて、楽しいです。
出来れば続けさせていただきたいですが、課長にあんな事したという事実もあり、やっぱりここにいてはダメな事もよくわかっています。」
智は素直に自分の気持ちを吐露した。
「吉岡君、俺は別にあの事を公表するつもりはないよ。
その気があれば、とっくにしてた。
それに、キミはとても優秀な人間で、こんな事で手離したくないからね。」
「ありがとうございます。」
「ここからは、キミの上司ではなく、一個人としての話をするけど、いいかな?」
「はい。」
「俺はキミとあんな事をしてしまったけど、男性に興味があるわけでも、ニューハーフ?ってやつにも全く関心がない。
それは前から今に至るまで。」
「本当に申し訳ございません。」
「いや、その事を責めてるわけじゃない。
ただ、一つ言えることは、俺はあの時、キミを抱いてしまったわけだが、あれからずっと忘れられないんだよ。」
「えっ」
「俺もあれ以来、キミの事を同性としては見ていない。」
「‥」
「ぶっちゃけ言うと、キミの事が好きになった。」
「課長‥」
「ただ、キミがこれからの人生をどう考えて、どう生きようとしてるかもよくわかった。」
「‥」
「でも、これからも俺と会ってほしい。
勿論、キミの家庭を壊すつもりはない。だから、たまにでいいから、こうして会ってくれるだけでいい。
俺、独身で一人暮らしだし、もし良ければ、女性物の服装とかを俺の家に置いといて、会うときだけ変身してくれたらって思う。」
「‥」
貴島の思わぬ告白と、提案であった。
でも、もう守るべきものも失うものも何もないって思い、気が楽になった矢先、自分に子供がいることがわかりました。
女性ホルモンの投与を長期間していて、永久不妊になってたし、去勢もして、子ども云々は全く頭になかったんですが、まさかの出来事でした。
妻もワタシがこんな風になったがためというか、早くから本質を見抜いていた為、結局は不幸にしてしまいました。
それでも妻はワタシとやり直すために子供を連れて戻ってきてくれました。」
「‥」
「だから、少なくともこの二人だけは、幸せには出来ないかもしれないけど、ちゃんとしなければならないって、今はそう思ってます。」
「俺はその辺の事はよくわかんないけど、吉岡君を見てて思ったのは、無理してんなあってこと。」
「無理?」
「ああ。
旅行のとき、たまたまあんな感じになっちゃったから言うんじゃないんだけど、あのときの吉岡君が本当の姿だって思った。」
「‥
否定はしません。
妻の事は愛していますが、性嗜好は完全に男性なんです。
ワタシは男性が好きなんです。
課長の事も、そういう目で見るつもりはなかったんですが、異性として見てしまっていました。
だから、酔っていたとはいえ、あんな事しちゃったんだと思います。
気持ち悪い事をして本当に申し訳ございません。」
「いや、あれは俺も同意してした事だから。
で、仕事はどうするつもりなんだ?」
「課長をはじめとして、みんな良い人ばかりですし、仕事内容もようやくわかり始めてきて、楽しいです。
出来れば続けさせていただきたいですが、課長にあんな事したという事実もあり、やっぱりここにいてはダメな事もよくわかっています。」
智は素直に自分の気持ちを吐露した。
「吉岡君、俺は別にあの事を公表するつもりはないよ。
その気があれば、とっくにしてた。
それに、キミはとても優秀な人間で、こんな事で手離したくないからね。」
「ありがとうございます。」
「ここからは、キミの上司ではなく、一個人としての話をするけど、いいかな?」
「はい。」
「俺はキミとあんな事をしてしまったけど、男性に興味があるわけでも、ニューハーフ?ってやつにも全く関心がない。
それは前から今に至るまで。」
「本当に申し訳ございません。」
「いや、その事を責めてるわけじゃない。
ただ、一つ言えることは、俺はあの時、キミを抱いてしまったわけだが、あれからずっと忘れられないんだよ。」
「えっ」
「俺もあれ以来、キミの事を同性としては見ていない。」
「‥」
「ぶっちゃけ言うと、キミの事が好きになった。」
「課長‥」
「ただ、キミがこれからの人生をどう考えて、どう生きようとしてるかもよくわかった。」
「‥」
「でも、これからも俺と会ってほしい。
勿論、キミの家庭を壊すつもりはない。だから、たまにでいいから、こうして会ってくれるだけでいい。
俺、独身で一人暮らしだし、もし良ければ、女性物の服装とかを俺の家に置いといて、会うときだけ変身してくれたらって思う。」
「‥」
貴島の思わぬ告白と、提案であった。
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