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日常
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智が薬物事件で取調べを受け、そして不起訴となり、家に戻ってきてから二か月が過ぎた。
仕事にも復帰し、家庭生活も桐山という恐怖の源が取り除かれた為、ようやく平穏な日々が訪れた。
智は軽率だった自分の行動を奈々に詫び、奈々は奈々で自分のせいでこのような事態になった事を気にしていて、互いに申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、奈々の方から、もうその話はしないでとおこうと提案があり、智も了解した。
そして、二人は一度目の結婚記念日である10月19日に、再び入籍届を提出したのだった。
その日の夜は、ささやかながらご馳走を二人で作り、莉愛と三人でお祝いし、新たな門出の一歩とした。
その夜は、久しぶりに奈々が智に求めてきて、智も応じた。
あの事件からしていなかったので、最初のキスから激しく、二人は舌を絡め合って、唾液が絡み合う音が部屋に響き渡った。
もう、奈々は下をぐちょぐちょに濡らし
智も気持ちが高揚していた。
智は、奈々を四つん這いにさせ、バックから激しく突き上げ、あっという間にイカせた。
智もそれからすぐに絶頂を迎えたが、いつものごとく透明の液体が少し出るだけで、大して気持ち良くもない。
その後、奈々が智のおっぱいを揉んだり、舌で転がしたりしたが、そっちの方がよっぽど感じて、喘ぎ声も出た。
そして、ふとした瞬間に思い出すのは桐山とのセックスの事だった。
僅か数回であったが、薬物を体内に入れてのセックスは、智の体と脳に強烈な印象を残していた。
全身が性器になったようになり、感覚が研ぎ澄まされ、どこを触られても感じるあのときの言葉では表せない凄まじい快感が忘れられない。
勿論、もう二度とあんな思いをしたくないので、愚かな行為に自ら手を染めるような事はしないが、それでも、強烈な記憶が消える事はなかった。
それと、やはり、自分は男性とのセックスがたまらなく好きだという事があらためてわかった。
女性ホルモンの投与を始めてから、性の嗜好やその他些細な事まで、全てが変わってしまった。
タマも無いし、もう元の人生を歩む事は出来ない。
奈々や莉愛がいなければ、これからも迷わず女性として生きるだろう。
だが、今は守らなければいけないものがここにある。
家族というかけがえのない、幼少の頃から自分が求めていた大切なものが。
智は釈放されてから、その事をずっと考えるようになっていた。
今、それを奈々に伝えるときだ。
智は、裸で自分に寄り添って甘える奈々の方を見て、語りかけた。
「奈々」
「ん?
どうしたの、智」
「こんなワタシとまたやり直す事を決めてくれて、籍まで入れてくれて本当にありがとう。」
「やめてよ、智。
それは私のセリフだよ。こんなワガママな女と一緒にいてくれて感謝しかないよ。
愛してるわ」
「ワタシさあ、ずっと考えてた事があって、
言っていいかな?」
「うん」
「やっぱり莉愛の事を考えたら、このままじゃ良くないって思ってて
もう手遅れかもしれないけど、もう一度、男性として生きてみようって。」
「ちょっと待って!
私は今の智が大好きなのよ。そう、以前の智よりずっとね。
莉愛だって、大きくなったとき、ちゃんと説明したら、きっとわかってくれるよ。
私達の子供なんだもん。」
「ワタシ、ずっとこんな家族に憧れてたんだ。
可愛い奥さんがいて、可愛い子供がいて、笑いの絶えない家庭がね。
それを手に入れられたのに、何を勝手な事してるんだって、そう考えるようになったのよ。」
「智‥」
智の決意は固く、奈々はそれ以上何も言わなかった。
仕事にも復帰し、家庭生活も桐山という恐怖の源が取り除かれた為、ようやく平穏な日々が訪れた。
智は軽率だった自分の行動を奈々に詫び、奈々は奈々で自分のせいでこのような事態になった事を気にしていて、互いに申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、奈々の方から、もうその話はしないでとおこうと提案があり、智も了解した。
そして、二人は一度目の結婚記念日である10月19日に、再び入籍届を提出したのだった。
その日の夜は、ささやかながらご馳走を二人で作り、莉愛と三人でお祝いし、新たな門出の一歩とした。
その夜は、久しぶりに奈々が智に求めてきて、智も応じた。
あの事件からしていなかったので、最初のキスから激しく、二人は舌を絡め合って、唾液が絡み合う音が部屋に響き渡った。
もう、奈々は下をぐちょぐちょに濡らし
智も気持ちが高揚していた。
智は、奈々を四つん這いにさせ、バックから激しく突き上げ、あっという間にイカせた。
智もそれからすぐに絶頂を迎えたが、いつものごとく透明の液体が少し出るだけで、大して気持ち良くもない。
その後、奈々が智のおっぱいを揉んだり、舌で転がしたりしたが、そっちの方がよっぽど感じて、喘ぎ声も出た。
そして、ふとした瞬間に思い出すのは桐山とのセックスの事だった。
僅か数回であったが、薬物を体内に入れてのセックスは、智の体と脳に強烈な印象を残していた。
全身が性器になったようになり、感覚が研ぎ澄まされ、どこを触られても感じるあのときの言葉では表せない凄まじい快感が忘れられない。
勿論、もう二度とあんな思いをしたくないので、愚かな行為に自ら手を染めるような事はしないが、それでも、強烈な記憶が消える事はなかった。
それと、やはり、自分は男性とのセックスがたまらなく好きだという事があらためてわかった。
女性ホルモンの投与を始めてから、性の嗜好やその他些細な事まで、全てが変わってしまった。
タマも無いし、もう元の人生を歩む事は出来ない。
奈々や莉愛がいなければ、これからも迷わず女性として生きるだろう。
だが、今は守らなければいけないものがここにある。
家族というかけがえのない、幼少の頃から自分が求めていた大切なものが。
智は釈放されてから、その事をずっと考えるようになっていた。
今、それを奈々に伝えるときだ。
智は、裸で自分に寄り添って甘える奈々の方を見て、語りかけた。
「奈々」
「ん?
どうしたの、智」
「こんなワタシとまたやり直す事を決めてくれて、籍まで入れてくれて本当にありがとう。」
「やめてよ、智。
それは私のセリフだよ。こんなワガママな女と一緒にいてくれて感謝しかないよ。
愛してるわ」
「ワタシさあ、ずっと考えてた事があって、
言っていいかな?」
「うん」
「やっぱり莉愛の事を考えたら、このままじゃ良くないって思ってて
もう手遅れかもしれないけど、もう一度、男性として生きてみようって。」
「ちょっと待って!
私は今の智が大好きなのよ。そう、以前の智よりずっとね。
莉愛だって、大きくなったとき、ちゃんと説明したら、きっとわかってくれるよ。
私達の子供なんだもん。」
「ワタシ、ずっとこんな家族に憧れてたんだ。
可愛い奥さんがいて、可愛い子供がいて、笑いの絶えない家庭がね。
それを手に入れられたのに、何を勝手な事してるんだって、そう考えるようになったのよ。」
「智‥」
智の決意は固く、奈々はそれ以上何も言わなかった。
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