Two seam

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メンテナンス

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練習後、大輔はまっすぐ帰宅せずに、いつものように優里の家に足を運んでいた。


「水谷、お母さんは?」


一向に飲み物が出てこない事を不思議に思った大輔は、ついつい聞いてしまった。



「あ、お婆ちゃんが怪我したって連絡入ってさ、さっき出て行ったわ。
大した事ないみたいだけど、ご飯とか出来ないから作りに行ったんだと思う。」


「そうか。」


「大輔も疲れてるんだから、真っ直ぐ家に帰って少しでも体休めた方がいいよ。」


「いや、俺はタフだし大丈夫だよ。」


「でも、来てくれて嬉しい。」


「えっ?」


「一人でいたら…不安じゃん

その不安を打ち消すために練習するんだよ。
でも、監督は練習しちゃダメって言うし…」


「しゃあないよ。

水谷は女の子なんだから、俺たちと同じ練習メニューこなしてたらきっとパンクするって。」


「それはそうなんだけど…

やっぱ不安で」


「気持ちはわかるよ。

でもなあ、俺にはその不安をどうもしてやれねえしなあ。」


「大輔の顔見れるだけでも安心する」

優里は少し照れたような表情で大輔に言った。


「…」

妙な間ができた…


優里の表情があまりにも眩しく美しかったからだ。





自然のままに体が動き…

大輔は優里の唇に吸い寄せられるように顔を近づけ、自らの唇をそっと合わせた。


一瞬、ビクっとした優里だったが、すぐに大輔の唇を受け入れた。

そして、どちらともなく唇の力を緩め、お互いの舌が絡みやすいようにした。

舌を吸い合うような激しいキスをする二人


気持ちが盛り上がり長い時間お互いを求め合うようなキスをしていたが、流石に長いと感じたのか、大輔の方からソッと唇を外した。


優里は頬を紅潮させ、濡れた瞳で大輔を見つめた。

その視線を受け、大輔もまた顔を赤くして、ボソっと言った。



「俺、お前のことが好きだ…


水谷…いや、優里のことが…」



優里も、大輔の今の行動に伴う言質が取れ、ホッとしたような表情で言った。



「ワタシも。

大輔のことが好き…

大好き」


と。


「ずっと伝えたかったんだけど、言えなかった…」



「ありがとう、大輔…」



「優里、俺と付き合ってほしい」


「うん」



「大輔ともっと愛し合いたいけど、今はやめとく

ワタシ、わかるんだ…

そういう気持ちになっちゃうと、体つきがかわってしまうの」


「ホントか?」


「うん。

だから、地区大会で優勝してから…デートしてくれる?


いいかな?」


「もちろんだ。

俺はお前に気持ちを伝えられただけでもかなりラクになったし…

優里とのデートをモチベにして頑張れそうだ。」

大輔は顔を真っ赤にしてそう言うと、ぎこちなく笑った。
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