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連盟判断
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女子硬式野球の連盟で会長をしている坂本は今、まさに難しい判断をしようとしていた。
「男性として生まれた選手が女子競技・種目に出るには、性別変更を宣言して4年間変更せず、血中の男性ホルモン(テストステロン)の値が12カ月間一定レベルを下回っていることを証明する必要がある
と、あります。
当然水谷さんはまだ17歳で、四年間云々というのには当てはまりません。
しかし、そのテストロン値?でしたか、それについては医療機関発行の証明書が添付されています。」
堀田が説明を終えると、坂本は苦しそうに呟いた。
「国際的な要件は満たしていないが、年齢を考慮しなければならない…か
難しいな。」
「先日も申し上げましたが、世の中の流れは、容認から締め出しに傾きつつあります。
最初はそれらの人達に同情する派が優勢だったのですが、競技に参加して圧倒的な成績を残すようになると、元々いた選手達などから不満が出て、排除する流れになってきたようです。」
「たしかに、水谷さんも、以前のような豪速球は投げられないけれども、常時140キロ台の球を投げます。
このスピードは女子の世界記録を軽く超えています。」
「会長、これ以上回答を先延ばしには出来ません。
どうされますか?」
「認めても認めなくても、我々への批判は免れないということか…
男子に比べ、その人気と競技人口に差がある女子野球にとって、水谷さんの存在は一筋の光明だったんだがね…」
坂本は机に肘をつき、指二本で顳顬を押さえながら、続けて言った。
「よろしい。みんなの意見も出尽くしたようなので、決議に入りましょう。」
出席者全員が頷き、ここに優里の処遇が決定したのである。
「男性として生まれた選手が女子競技・種目に出るには、性別変更を宣言して4年間変更せず、血中の男性ホルモン(テストステロン)の値が12カ月間一定レベルを下回っていることを証明する必要がある
と、あります。
当然水谷さんはまだ17歳で、四年間云々というのには当てはまりません。
しかし、そのテストロン値?でしたか、それについては医療機関発行の証明書が添付されています。」
堀田が説明を終えると、坂本は苦しそうに呟いた。
「国際的な要件は満たしていないが、年齢を考慮しなければならない…か
難しいな。」
「先日も申し上げましたが、世の中の流れは、容認から締め出しに傾きつつあります。
最初はそれらの人達に同情する派が優勢だったのですが、競技に参加して圧倒的な成績を残すようになると、元々いた選手達などから不満が出て、排除する流れになってきたようです。」
「たしかに、水谷さんも、以前のような豪速球は投げられないけれども、常時140キロ台の球を投げます。
このスピードは女子の世界記録を軽く超えています。」
「会長、これ以上回答を先延ばしには出来ません。
どうされますか?」
「認めても認めなくても、我々への批判は免れないということか…
男子に比べ、その人気と競技人口に差がある女子野球にとって、水谷さんの存在は一筋の光明だったんだがね…」
坂本は机に肘をつき、指二本で顳顬を押さえながら、続けて言った。
「よろしい。みんなの意見も出尽くしたようなので、決議に入りましょう。」
出席者全員が頷き、ここに優里の処遇が決定したのである。
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