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王宮の決闘 理玖と皇帝タンデルム

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「へ……陛下……! しかし彼は……!」
「いいではないか。その男は金で雇われたお前の護衛、皇国からのお客人という訳ではあるまい? その力、いかほどのものか俺も興味がある!」

 そう言うと皇帝はガハハと豪快に笑った。突然の乱入に面食らっていたグライアンも、皇帝の論調に便乗する。

「そ、そうです、父上! この者の力が誠であれば、そもそも変な噂など流れなかったのです!」
「うむ。よし、グライアン! お前が相手をしろ!」
「…………へ?」
「お前も貴族院を出た、いっぱしの魔術師だろう! 見た所、その男は本当に魔力を持っておらん。皇国の剣士の実力が知りたいのだろう? お前自ら相手してやるがよい!」

 再びガハハハッと豪快に笑う。ガハハ皇帝の提案に当のグライアンはおろか、周囲の貴族も戸惑っている様子だった。

「し、しかしですね、父上。今は大事な時期です、私の身に怪我の一つでもあれば大変な事になります。いや、もちろん魔術師たる私が、このような平民に後れをとることはございませんが」
「む……そうか。では誰が相応しいか今決めよ。このまま庭先で一勝負といこうではないか」
「い、今ですか!?」
「そうだ。俺も忙しいのだ、早うせい!」
「で……では……。おい、お前ら! こいつの相手をしてやれ!」

 グライアンは一瞬慌てた様子を見せたが、ニヤリと笑うと自分の周囲にいた四人の貴族を指さした。だが突然の指名にも関わらず、貴族達に慌てた様子はない。先ほどの話の流れといい、元からそのつもりで連れてきた四人なのだろう。

「む……さすがに魔術師四人がかりはまずいだろう」

 さすがに一対多数は無茶だと考えた皇帝が意見を述べる。突拍子のない事態が続いているが、これは好機だと俺は考える。このままだとパスカエル探しに時間がかかるのは目に見えている。ヴィオルガは避けたいようだが、ここはあえて目立つ方向で行く。

 それにここで皇帝の感心を引いておくのも悪い手ではないはずだ。帝都に来た初日、ヴィオルガは皇帝が俺に興味を持っていると話していた。この様子を見るに、元々この手の騒ぎが好きなのだろう。

 そして第二王子を推している皇帝は、第一王子を推すパスカエルとは折り合いがついていない。腐っても最高権力者、距離を詰めておいて損はない。ある程度の道筋をつけた俺は、一歩前へと出る。

「俺は四人同時でも構わない。この程度の術士、何人いたところで結果は同じだ」
「ほう……! 良いな、お前。その威勢、嫌いではないぞ!」

 俺がやる気を見せている事にヴィオルガは何か言いたげだったが、諦めたのか軽くため息を吐いた。一方の皇帝はすっかり乗り気だ。

「だがさすがに複数相手ではきつかろう! 一対一を四回というのはどうだ?」
「それだと時間がかかるが、まぁいいさ。好きにやってくれ。どうせ結果は一緒だ。ああ、でも。後になって怪我させられたとか、みっともなく文句言ってくるのは無しだぜ?」
「がははははは! それは本当にみっともないな! 安心せい、お前の力を見たいと申したのは我が息子らよ! 誇り高き帝国の魔術師が、後からその様な事を申すはずがないではないか! なぁ?」

 皇帝はグライアン達に同意を求める。全員、肯定の意味を込めて頷いていた。

「もちろんです、陛下」
「我ら全員、魔術師の位を持つ者です。万が一にも敗北はあり得ませんし、結果に言い訳はいたしませんとも」
「もっともそれは、皇国の剣士殿にも同様の事が言えるかと思いますが」

 つまり俺が負けても言い訳するなよ、という事だ。しかしこの皇帝、思っていたより話しやすそうだな。俺の意図を理解し、貴族に手傷を負わせても罪には問わないと、この勝負にお墨付きを与えた。

「リク……! お願いだから……!」
「ああ、分かっている。ちゃんと手加減するとも。殺しはしないから安心しろよ」

 俺の物言いに、グライアン達は嘲笑していた。




 
 庭先というからどんなものかと思えば、綺麗に整地された広い空間だった。なるほど、ここであれば魔術の影響も王宮に及びづらいだろう。

「思う存分やるが良い! なに、多少建物を壊したところで修繕費を払えなど、ケチな事は言わん! 安心しろ!」

 俺の正面には一人の男が立った。どうやら一対一の勝負形式にしたらしい。男はセプターを身構えている。

「ルールは先に降参を認めた方の負け。もしくは相手に戦意無しと私が判断するか、気絶などで戦えなくなっても負けよ」
「うっかり殺してしまったらどうするんですか?」

 魔術師は心底俺をバカにした様な笑いを浮かべながら、ヴィオルガに質問をする。しかしヴィオルガはこの質問を無視して俺に話しかけた。

「リク。お願いだから、くれぐれもうっかり殺してしまわない様に気をつけてよ?」
「大丈夫だ。手加減できるくらいの手合いだしな」

 ヴィオルガのあからさまな態度に、グライアンや魔術師は目を細める。一方、皇帝だけは相変わらず楽しそうに笑っていた。

 俺は神徹刀を腰に挿したまま指定位置につく。その様子を見て魔術師は笑いながら話しかけて来た。

「おいおい。剣くらい、構えたらどうだ?」
「構えが必要ならそうするさ」
「……はっ! どこまでも生意気な奴だ」

 相手までの距離は、およそ五馬身といったところか。これなら、まぁ。一息だな。

「双方位置についたようね。……では陛下。合図を」
「うむ……。………………始め!」

 皇帝の合図と同時に、俺は周囲に土埃と突風を巻き起こしながら真っすぐに駆けだす。一歩目に蹴った土は、爆発したかの様に抉れていた。

 瞬き一回にも満たない時間で魔術師に距離を詰めると、その胴体に掌底を叩き込む。加速の勢いと相まって、魔術師は身体をくの字に曲げて真っすぐに吹き飛んでいく。

 その身体が地につくと、今度は地面をゴロゴロと転がったが、やがて建物の壁に当たると止まった。

「え……」
「…………は」

 決着は皇帝の合図と同時についた。周囲は気づいたら魔術師が吹き飛んでいた様に映っただろう。俺は掌底を叩き込んだままでいた姿勢をゆっくりと戻す。

「ヴィオルガ。多分あいつは気絶している。俺の勝ちでいいだろ?」
「……ええ」

 ヴィオルガは「初めから理玖のこの実力を知った上で雇った」という呈を取り繕うと、俺の勝利を宣言する。

「勝者はリクよ。念のため聞くけれど。ただ殴っただけなのよね?」
「ああ。多少、吹き飛びやすい様にはしたが」
「多少……ね」

 しばらく俺とヴィオルガ以外の音が無かったが、皇帝が興奮した様な声をあげる。

「おお……おお! なんだ今のは!?」
「ふ……不正だ! 何か術を使ったな!? 父上、この者は……」
「バカ者!」
「ひっ!」

 俺の不正を訴えるグライアンを、皇帝は正面から否定する。

「この者はただ駆け出し、相手を殴っただけだ! そんな事も見えていなかったのか! 第一、魔力など微塵も感じぬであろうが!」

 というか皇帝。今の俺の走り込み、見えていたのか。元々動体視力が良いのか、魔力で強化していたのか。

 だが俺が何の術も使っていないのは本当だ。それでも絶影の様な動きが可能なのも理由がある。

 大精霊との契約は、人の身では耐えられない程の負担がかかる。そのため契約を結ぶ時に、大精霊自身の手によって身体を作り替えられるのだ。そしてこの時に、契約や力を血に刻まれた。

 ましてや俺は、複数の大精霊と契約を結んでいる。肉体の強度でいえば、かつての六王を上回るだろう。

「いや驚いたぞ! リクといったな! 術士に勝る無双の剣士、噂は本当の様だ! 今のは皇国の武人が使う、絶影というものではないか?」
「絶影は霊力を使う移動術だ。さっきのは少し力を込めた、ただの踏み込み。さすがに絶影ほどの速さはない」
「なんと……! いや、しかし。剣すら抜く必要がないとは……! これでは確かに、初めから四人まとめて相手しても勝負は決まっておったかもしれん。お主に勝つには集団としての力より、オルガの様な個としての突き抜けた力の方が向いていよう」

 なかなか面白い事を言うな。確かに取るに足らん複数の術士より、ヴィオルガやローゼリーアの様な相手の方が、対策を求められる。

「グライアンよ。この者の実力、俺はもう十分かと思うが。しかしお前たちも魔術師としての矜持もあろう! どうだ、三人まとめてリクに勝負を挑んでみるというのは!」

 きっとグライアンは今、心底自分が相手をしなくて良かったと思っているだろう。残った魔術師たちも皇帝の提案をどう躱そうか、目を逸らし続けていた。

「そういえば、お前。さっき面白い事を言っていたな。術で勝てぬ皇族が、苦し紛れに嘘を吐いて用意したのだとか。山で見かければうっかり魔術を放ってしまうかもしれん山猿だとか。お前らも一緒になって笑っていたよなぁ……? 俺は良いんだぜ、複数でかかってこられても。もしかしたら毛程の手傷は負わせられるかもしれん。皇帝もこう言っているんだ、もう一戦やろうぜ?」

 俺自身、このまま勝負を続けても構わないという姿勢を見せる。これで逃げ出したら恥をかくのは相手側だし、向かって来たら遠慮なく倒す。どちらにしても俺には都合が良い。だがここで口を出してきたのはヴィオルガだった。

「もう十分でしょう。父上も、兄上も。リクが私の護衛を務めるに足る実力者だという事は、よく理解できたと思います」
「く……!」
「うむ! まったく、面白い奴を見つけてきたものだ! 構わぬ、リク! このまま王宮の客間を使うが良い! オルガの事も頼むぞ!」

 そう言うと皇帝は、いいものが見れたとガハハと笑いながら去っていった。その後を複数人の文官が追いかける。忙しいというのは本当なのだろう。

 俺に吹き飛ばされた魔術師も置いて、グライアン達もその場を後にする。残ったのは俺とヴィオルガだけだった。

「なんだ、結局残った三人はやらないんだな」
「なんだ、じゃないわよ……。こっちの苦労も知らないで……」

 ヴィオルガは疲れたという事を隠さずに話す。

「皇国の剣士が魔術師に勝ったのよ? それも陛下の目の前で。この事はあっという間に帝国貴族の間に広がるわ。ふっかけてきたのが兄上達だという話も。さっきの兄上はね。あなたの挑発に乗って戦い、負ける恥と。乗らずに逃げる恥。どっちがよりマシか考えていたのよ」
「そこでお前が、落としどころと言わんばかりに口を挟んだのか」
「そうよ。残った三人の魔術師に恩を売った形でもあるわね」
「そういう恩を感じる手合いか……?」

 それに去って行ったのはグライアンの意思だ。当の三人はまだ俺に勝てる気でいたかもしれない。

 ……いや、それなら皇帝に言われた時に名乗り出ているか。もしかしたら負けるかも、というリスクを取ることはできなかったのだろう。

 俺の掌底で遠くに吹き飛ばされた魔術師が、どこかに運ばれていくのが見える。戦いを見ていた誰かが、人を呼んだのだろうか。

「しかし意外だな。お前も徹底的に潰す事を望んでいるかと思ったんだが」
「感情としてはそうよ。でもさっきの魔術師たちも有力貴族である事には違いないもの。明日にでも、騒いだお詫びという名目で会いに行くわ」

 そうしてこちらの陣営に取り込む事ができるか、探りを入れるといったところか。ヴィオルガとしても、今は一人でも多くの味方が欲しいのだろう。

 それも日和見の貴族ではなく、グライアン陣営から引き抜ければより効果が大きい。いろいろ考えているな。

「まだあなたの実力は大っぴらにはしたくなかったのだけれど。結果としては、陛下の御前でその実力を証明できたことになるわ。こうなったらこの路線でやるしかない……!」
「なにをだ……」

 頼むから、せめて俺がパスカエルを殺すまでは面倒ごとに巻き込まないでくれよ……。
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