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黒狼会のボスと王女

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「失礼します」

 案内役が扉を開き、俺に中へ入る様にと促す。俺は静かに部屋に足を踏み入れた。

「へぇ。……あなたが?」

 部屋の中に居たのは、2人の女性に1人の男だった。

 パッと見で分かる。3人ともそれなりの使い手だな。おそらく真ん中の女性が俺に用がある貴族。他の2人は護衛兼従者と言ったところか。

「黒狼会のボス、ヴェルトです。……失礼ですがどちら様で?」

「想像していたよりもむさくるしい感じではないわね。それに若いわ。……と失礼。どうぞ、座って。自己紹介の前に、料理を運ばせましょう」

 進められるまま向かいの椅子に座る。すぐに料理が運ばれ、机の上には多くの皿がのった。

「……では改めて。ヴェルト、こうして会えて光栄に思うわ。私の名はフランメリア。フォルトガラム聖武国の王女と言えば分かるかしら?」

「…………へ」

 ……冗談、ではないな。まさか本当に本物……!? 

 これは驚いた。てっきり帝国四公をはじめとする、帝都に来ている領地持ち貴族の誰かだと思っていただのだが。

(……なるほど、だからここまで慎重だったのか。おそらくフランメリア自身、この店に来るまでいろいろ根回しをしたはず)

 何せ異国の地でこうしてお忍びしているのだから。

 しかし帝国とはなにかと因縁のあるフォルトガラム聖武国。帝都で商売しながら、そこの王女と個人的な伝手を持っているレイグ……か。

 今回の面談をセッティングしたのもレイグだし、あの男は高確率でフォルトガラム聖武国の関係者だろう。

「……失礼しました。まさかうわさになっている国賓の貴族様が、こうして私などに会いたがるとは思っておりませんでしたから……」

「さすがのヴェルトといえど、驚いてくれたようね。それでこそ、こうしてわざわざ出向いた甲斐があるというもの。こっちは従者のエルナーデとアーノック」

 フランメリアに紹介され、2人は軽く会釈をする。

 アーノックは身体の鍛え方からして、正統派の騎士といったところか。年齢は俺より少し上。

 エルナーデは……どこかフィンと似た気配を感じるな。おそらくは間者としての訓練を受けているのだろう。

「さぁまずは冷めないうちに料理を楽しみましょう。帝国民が口にしているという料理、私も気になっているのよ」

「さすがにこの様な豪華な料理、誰もが食べているわけではありませんが……」

 だが冷えた料理を食すのは、せっかく作ってくれた料理人に申し訳ないというもの。俺たちは簡単な雑談を交えながら、雰囲気良く食事を進めた。

 アーノックは最初こそ静かだったが、今は機嫌良く明るい表情を見せている。

「いや、こっちの料理もなかなかうまいですな! 姫さまも食べられましたか?」

「アーノック、騒がしいわよ。まったく……。でも帝国料理は、どこに行っても肉食が基本なのね」

「フォルトガラム聖武国では違うのですか?」

「もちろん肉も食べるわ。でも魚や山菜、果実なんかも豊富なのよ」

「なるほど……」

 なにかの本で読んだな。フォルトガラム聖武国は海と山、両方の資源が豊富なのだとか。そのため魚料理もかなり好まれているらしい。

 こっちで魚と言えば、臭みのある川魚が多い。それに焼いて塩を振る程度の食べ方が主だ。聖武国ではまた違う食べ方があるのだろう。

「さてヴェルト。まずはあなたの意見を聞きたいのだけど」

「伺いましょう」

「アーノックはあなたから見てどう映るかしら? 彼は私が抱える騎士団の中でも1、2を争う実力者なのだけれど……」

 姫さまが直接抱える騎士団……? 意味は分からなかったが、国によって制度が違うのだろうと理解しておく。

 俺は言われて改めてアーノックを観察した。彼も得意気に胸を張っている。

「……そうですね。聖武国で上位に立たれる実力者というのも、納得ができるかと」

「そう。では皇族の剣、アルフォース家の剣士と比べてどうかしら?」

 なにか探りにきているな。それがなんなのかまでは分からないが。

 それにしてもこの姫さま。俺がアルフォース家と繋がりがあるということを前提に話を進めているな。まぁ変に取り繕っても意味がないので、ここも一端捨て置く。

「……失礼ながら、アルフォース家に軍配が上がるかと」

「へぇ……。それはあなたが帝国人だからかしら?」

 帝国人……か。確かに外から見たら、俺たちは立派な帝国人だろうな。そう呼ばれるのに違和感はあるが、悪い気はしない。

「そうですね。そういう面もあると思います」

「あら。随分と生意気な答えじゃない」

 なんだそりゃ。ここで俺が認めるとは思っていなかったのだろうか。

 正直、帝国人だからというひいき目で答えたわけではない。純粋にその実力が高いのは、ディアノーラを含むアルフォース家の方だと判断したまでだ。

 ディアノーラは俺たちと共にあの日、レクタリア一派と戦った。常人の域を僅かに踏み超えた実力だったのは間違いない。それにそのことについて、本人から種明かしもしてもらったのだ。

 ただの騎士ではアルフォース家の剣士に敵わない。これは予想ではなく確信だ。

 だがそれをここで説明する理由はないので、フランメリアの意見にのっかっておく。

「……いいわ。アルフォース家と言えば、帝国では有名な武門の棟梁だし。それに私を前にして物怖じせずに答えるその度胸。ますます気に入ったわ」

 たしかに。フランメリアに遠慮して、アーノックを持ち上げるという選択肢もあったか。今さらだしこれは仕方ないな。

「私があなたに会ってみたいと思ったのはね。黒狼会があまりに異様な経歴を持っていたからよ」

「異様……でございますか」

「だってそうでしょう? 帝都に来て1年経つわけだけれど。その間で黒狼会がしたことと言えば、多くの暴力組織を取り組み、冥狼を追い出した上に高位貴族たちとも関係を持った。皇族とも縁があり、さらに結社の閃罰者や変異獣とも正面から相手取れる武力。正直、一組織が持つには過ぎた力だわ」

 ……どうやら少し舐めていたらしい。フランメリアは今日に備え、かなり黒狼会のことを調べあげてきている。

 結社のことは帝国の諜報機関も掴んでいたし、フランメリアが知っていてもおかしくはない。しかし黒狼会と直接やり合ったことまで把握しているとは。

 レイグがいるんだ、おそらく連日帝都で獣相手に戦っていたことも承知の上だろう。下手な誤魔化しは通じそうにないな。

「まさかボスがここまで若い男だとは思わなかったけど。でもそれほどの力を持っていながら、今も黒狼会が帝都で自由に暮らせている事実。秘密裏にウィックリン皇帝となにか交わした密約でもあるのかしら?」

「はは、なにをおっしゃいます。皇帝陛下が私たち如きにそこまで気を使われるなんてことはありませんよ」

 そうか……。冷静に考えてみれば、黒狼会は俺たちだからこそ放置されているのだ。古のゼルダンシア王族と関わりのある群狼武風だからこそ……。

 群狼武風というだけで、ウィックリンやアデライアたちは半ば無条件に俺たちを信用している。もちろん、実際にアデライアを助けたという事実があってのことだとは思うが。

 そして今も黒狼会は、帝都の発展や治安の維持に寄与している。

 そんな俺たちだからこそ、たとえ魔法の力を持っていると分かっていても……いや。分かった上で、自由にさせているのだ。これは互いの信頼関係の上に成り立っているのだろう。

 しかし他者から見れば、その在り方が異様に映るのも理解できる。

 これだけの力を民間団体が保有しているのだ。まともな為政者であれば、どうにか体制側に組み込んで自分たちの管理下に置こうとするだろう。

 フランメリアはさすがに俺たちが魔法の力を持っているとは思っていないだろうが、それでも放置するには問題があると判断している。

「さて。私があなたとこうして会う時間を作った理由。もう分かったかしら?」

「……おおよそは」

「そう。なら率直に言うわよ。ヴェルト、私に仕えなさい。望むのであれば、相応の地位と収入を用意しましょう。あなたにはそれだけの価値がある」

 やっぱりそういう話か。だが俺が皇帝とずぶずぶの仲であったり、あるいは黒狼会が実は帝国の秘密機関、その窓口組織だという可能性も想像がつくはず。

 だというのに、こうしていきなり核心に迫った交渉をしてきたということは。

(黒狼会が完全にフリーの組織だと確信している……? それとも、それだけ話を早くまとめたいのか……?)

 その可能性もあるな。帝都の滞在期間も決まっているだろうし、フランメリアからすれば自分が直接交渉できる機会は限られている。なんにせよ俺の答えは決まっているのだが。

「申し訳ございませんが……」

「ええ、分かっているわ」

 俺がどう答えるのか分かっていたのか、フランメリアは即座に口を挟んできた。

「あなたも今日会ったばかりの私に仕える理由がないし、目先の報酬だけで動く男にも思えなかったもの。むしろこの程度で動くなら、安心して手元に置くこともできないわ」

「はぁ……」

 断られるのは予想通り……むしろ断らなかったら逆に怪しまれていたか。

 やっぱりこの姫さまには、あれこれ考えるより真っすぐ向き合った方がやりやすそうだな。

「そこで。ビジネスの話から始めましょう」

「ビジネス……でございますか」

「ええ。まずは互いに信頼関係を築いていかないとね? ……エルナーデ」

「はい」

 エルナーデは俺に一枚の紙片を渡す。

「……これは?」

「ガラム島の特産品、その一部よ。フォルトガラム聖武国とゼルダンシア帝国は決して仲が良いという訳ではないけれど。カルガーム領とは交易があるのはご存じかしら?」

「多少は……」

 大領地にもなれば、帝国の中にある独立国のような立場だからな。実際に税を含めた制度も帝都とは異なる。

 そうした経緯もありカルガーム領はカルガーム領で、独自に聖武国と取引をしているのだろう。

「現在はカルガーム領にしか卸していないし、カルガーム領から帝都までは距離もあるため、帝都まで運ぼうにもどうしてもコストがかかる」

「そうですね」

「実際、カルガーム領の商人にとっては良い稼ぎになっているはずよ。安値で仕入れた物が、帝都に持っていけば何倍もの値段になるのだもの。さて、私からの提案なんだけれど。もしガラム島の港街に黒狼会の窓口組織を作るのなら。特別にこれらの特産品を卸してあげるわ」

 ……なるほど。確かにビジネスの話だ。仮にカルガーム領側に黒狼会の窓口を作ろうと思えば、領主の許可が必要になってくる。

 しかしガラム島側に窓口を作り、そのままカルガーム領を経由して帝都までの輸送経路を作れば。黒狼会は安価で他国の特産品を仕入れることができる。

(しかも黒狼会は自前で輸送経路を作ることもできるし、そうなると輸入品を専門に扱う別部署を作って……という話になってくるだろう。これは黒狼会にさらなる雇用と利益を生むし、なにより他国との販路ができるのは商会としても箔が付く)

 しかも王女様直々に許可をいただけるのだ。これだけでも相当な価値がある。

(もしこの先、帝国と聖武国の間で通商条約が結ばれたら。そしてその時、既に黒狼会が聖武国との間で販路を築いていれば。……場合によっては億単位の金が動く)

 この提案は黒狼会にとって、大きな利益を生む可能性がある。だが一方で懸念点も出てくる。

 ここまでしてくれるのだ、当然なにかしらの見返りは求めてくるだろう。たとえば先ほどのような、俺が個人的にフランメリアに仕えるといった話だ。

「……大変ありがたい話ではございますが。私ではその恩にお応えできるものが用意できそうにありません」

「あら……見た目と違って、随分と慎重なのね?」

「ですが今日会ったばかりの私にここまでお気遣いいただけたこと、決して忘れません」

 俺とてこの話を蹴るのは惜しい。だが相手は大国の王族。ここで下手に繋がりを作り、しがらみが増えるのも避けたい。どっちが良いのかは結論の出ない話だろう。

「……いいわ。私もいきなり話が進むとも思っていないし。今日はこうして顔見知りになれたことを成果としましょう」

 フランメリアに対する印象は最初から最後まで変わることがなかった。要するに、油断できない貴族ということだ。

 フランメリアは俺と会うまでに相当量の情報を集めていたはずだ。そして実際にこうした席を設ける実行力まである。そこまでして平民に過ぎない俺に会おうとした背景を考えてみる。

(単純に実力者が欲しいのか。なんのため……? いや、考えても仕方ないか。話し方も平民に対するものではなかったし、もしかしたらある程度能力を認めた者には、身分など二の次という感性を持っているのかね)

 そう。フランメリアは王女でありながら、俺に対してどこかリスペクトしているような態度が見られた。

 極端に能力主義なところがあるのかもしれない。そんな人物にここまで買ってもらえていたことを素直に喜ぶべきか。

 以降は簡単な話を交え、茶を飲んだところで俺は部屋を出た。
 



 
「姫さま~。よかったのです? 素直に帰して」

「言ったでしょう。今日会ったばかりで上手くいくとは考えていなかったわ」

 ヴェルトが去った部屋ではフランメリアたちが意見を交わしていた。アーノックは茶をすすってから口を開く。

「しかし姫さまのことだから、強引にでも言うことを聞かせるのではないかと思っておりましたぞ!」

「あなた、私をなんだと思っているのかしら……? 相応の人物には相応の礼を尽くす。それだけの話よ。……で、実際どうだったの?」

 フランメリアの問いかけにエルナーデは小さく頷く。

「相当な修羅場を渡ってきているのは間違いないですねぇ。隙らしい隙がまったくありませんでした」

「私もその実力は確かだと思ったけど……そんなに?」

「はいです。多分3人がかりでも返り討ちでしたよ」

 さらっと述べられたエルナーデの意見に、アーノックは両目を見開いた。

「まじで……?」

「まじです。アーノックなら3秒持たないです」

「いや、そりゃ言い過ぎだろ……」

 エルナーデも並以上の訓練を受け、多くの仕事をこなしてきた身だ。その鍛えられた嗅覚は、ヴェルトの異質さを捉えていた。

「どっちにしろ閃罰者とやり合えるのは間違いないですからねぇ。とにかく戦いにならなくて良かったですよ」

「なるわけないでしょ。そういう可能性が僅かでもある人物であれば、まずこうした席を設けていないもの」

 ヴェルトの評判を分析したところ、誰かれ構わず喧嘩を吹っ掛ける相手ではないということは分かっていた。

 黒狼会は売られた喧嘩はすべて全力で買いにいくが、自分から売りに行くことはそうないのだ。

 これはフランメリアの「実力者には相応の礼を尽くす」という態度と、奇妙な一致を果たしていた。

「ヴェルトの人となりを確認できたのは大きかったわ。あれは貴族位を得て立身出世を夢見たり、商人として世界一になる……とか、そういう類の野望を持つ男ではないわね」

「はいです。あくまでこの帝都に収まる範囲内での活動に終始しているような……そんな印象でした。実際に帝都の外には、そこまで手広く商売の足を延ばしていないみたいですし」

「でも貴族との繋がりはあるし、やろうと思えばできるはずなのよね。実は帝都出身で、なにか思い入れがあるとか……?」

「なるほど! その可能性もありますな!」

 ヴェルトたちの情報は集めていたものの、その出自に関してはまったく洗うことができなかった。

 これだけの能力を有しているのだ、フランメリアも当初は簡単にその来歴を調べられると思っていた。だが調べても調べても、なにも出てこなかったのだ。

「あれほどの才覚を持つ男が、この歳までまったくの無名だったというのが気になるところだけれど……」

「帝国は広く、人口も桁が違いますからねぇ。無名の庶民という可能性は無くはないですが……」

 いずれにせよヴェルトと直接顔合わせはできたし、自分たちは高くその能力を買っているのだという姿勢も見せることができた。当初の目的は果たせたと言えるだろう。

(それに。ヴェルトはまだ若い。この先も帝国貴族との関係によっては、帝都で商売することが難しくなる可能性もある。貴族と付き合うというのは、そういうしがらみを受け入れるということでもあるもの)

 だからこそ自分との付き合いも慎重だったのだろう。フランメリアはそう考えていた。

(なにかあった時に、ガラム島に……私を頼ってきやすい環境を整えておく。あとは機会があれば、向こうから転がりこんでくる可能性も十分あるわ)

 フランメリアの考えは決して間違いではない。並の者相手であれば、問題なく通じる論理だっただろう。

 だがヴェルトたちは元群狼武風であり、そもそもゼルダンシア帝国と繋がりが深い。そして肉親もいるし、皇帝もかつて国のために戦った群狼武風だということを理解している。

 現状、ヴェルトの方から他国に転がり込む理由はゼロであった。
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