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レックバルトの護衛

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 そして3日後。俺はレックバルトの護衛として、指定された場所で馬に乗りながら待つ。しばらくすると俺の元に1人、馬に乗って近づいてきた。
 
「あいつは……」
 
 レックバルト本人だ。帝都が近いとはいえ、1人で来たのか……? レックバルトも俺に気付くと手を振りながら側まで来た。
 
「黒狼会の代表、ヴェルト殿かな?」

「そうです。レックバルト様ですね。この度は護衛に選んでいただき、嬉しく思います」

「ああ。噂の人物を是非この目で見てみたかったんだ。もう少ししたらここを殿下たちを乗せた馬車が通過する。それまで簡単な段取りについて話そうか」
 
 レックバルトもしばらく馬車と一緒に行動していたそうだが、先に俺と合流するために単身馬を走らせてきたらしい。

 万が一にも護衛の兵士やグラスダームと衝突しない様に、気を回したのだろう。レックバルトは俺に今日の段取りを説明し始める。
 
「つまり狩猟場ではレックバルト様のお側にいれば良いと」

「ああ。あくまでヴェルト殿は私の護衛、獲物を追い込む役は我が領軍が行う。……退屈かな?」

「まさか。追い込まれた獣がどう動くかは分かりません。誠心誠意、御身をお守りいたしましょう」

「ふ……。今日だけとはいえ、あのエルヴァール殿の護衛を務めたヴェルト殿を従えられるのだ。俺も嬉しく思う」
 
 なるほど。エルヴァールの護衛をしていた時の事を誰かから聞いたか。あの時は特に黒狼会という事を隠していなかったからな。
 
「この大陸最大規模を誇る大都市ゼルダスタッドにおいて、僅かな期間で無類の暴力組織を立ち上げたその手腕。期待させてもらうよ」

「はは。レックバルト様。黒狼会は真っ当な商会です。いわゆる裏組織とは違いますよ」

「おや、そうかい? まぁ確かに、そんな組織なら帝国政府も表彰を授けたりはしないか」
 
 どうやら黒狼会の事はある程度調べてきているらしい。

 考えてみれば帝国から表彰されたという事は、多くの貴族に認知された様なものだ。他領の貴族としてはどういう組織なのか気になって調べた……といったところだろうか。
 
「しかしよく話を引き受けてくれた。黒狼会は基本的に貴族の依頼を断っているだろう? 実はほとんど諦めていたんだ」

「別に貴族だからと言って断っている訳ではありませんよ。中には黒狼会を自分の私兵として使いたがる方や、献金を求めてくる方がおられますので」

「あぁ、なるほど。俺はヴェルト殿を指名したからね。その線は薄いと判断した訳だ?」
 
 話が早いな。俺は頷きながらそうだと答える。
 
「貴族の間では黒狼会を雇える貴族は、エルヴァール殿だけだという噂も立っているくらいだ。良ければ何故依頼を受けてくれたのか、教えてくれるだろうか」

「そうですね……」
 
 貴族の間ではそんな話になっているのか。護衛料が破格だったのも、その辺りの噂が関係しているのかもしれない。
 
 言い変えれば、俺と話をする時間を作るためにそれだけの大金を払ったとも言える。答えにくい質問だが、何も話さないというのも失礼だな。

 そう思い、俺が口を開きかけた時だった。正面から豪華な馬車と幾人もの兵士たちが近づいてくる。
 
「……どうやら追い付かれた様だ。ヴェルト殿、続きはまた後ほど」

「はい」
 
 レックバルトは兵士たちに俺の紹介をする。そして俺は一行に加わり、狩猟場まで一緒に向かった。
 
 

 
 
「殿下! そちらに向かいました!」

「おお、よくやった! てりゃああああ!」
 
 狩猟場では兵士たちが上手く獣を追い立て、第二皇子であるグラスダームがはしゃいでいた。俺とレックバルトは馬に乗りながらその光景を見ている。
 
「レックバルト様は参加されないので?」

「殿下のあのはしゃぎ様を見ればね……。見ているだけで十分楽しめるというものさ」

「はぁ……」
 
 良い意味で言ってるんだよ……な? だが確かに、あれは見ているだけで楽しめる。

 グラスダームも心から楽しんでいるのが分かるし、何だかこちらも楽しくなってくるのだ。ああいうのも皇族の資質の1つ……なのだろうか。
 
「今回、ヴィンチェスター・ハイラントとその一派が反乱を起こしたのは知っているな?」

「ええ。帝都に獣を放ち、混乱を生み出していたのもハイラントだったとか」

「そうだ。実は俺は、かねてからハイラント派閥の動きが怪しいと思っていた。特に帝都を出てからの行動は、俺に反乱を企てているという確信を持たせるのに十分だったよ」
 
 そして父である領主の許可も取らず、秘密裏に自分で管理する兵士たちを帝都近辺まで移動させていたらしい。おそらくルングーザ領に密偵を多く放ち、情報を集めていたんだろうな。
 
「皇族のピンチにいち早く駆け付けられるとは。さすがは彼の帝国四公の血筋と言ったところでしょうか」

「我が領は自律自走を旨とし、それぞれに大きく権限が譲渡されているからな。それが結果的に一番に駆け付けられたことになったのは事実だ。そしてグラスダーム殿下はその事を大変高く評価してくれてね」
 
 皇族に対する忠誠を見せただけではなく、実際に帝都を解放し、ルングーザ・テンブルク同盟軍も打ち破ったのだ。

 そして父は王妃の兄にあたる。そりゃ皇族の信頼は城よりも高いだろう。
 
「さてヴェルト殿。つかぬ事を聞くが、ご結婚されているのかな?」

「……? いいえ、独身ですが」

「そうか。では恋愛経験の方はどうだ? それだけの腕だ、大層もてるのではないか?」
 
 なんだ……何の話がしたいんだ? それに恋愛経験はトラウマになっている部分が大きい。俺が戦場に立つきっかけにもなっているしな。
 
「もてるかは分かりませんが。ああいう思いはもうこりごりだと考えております」

「どうやら相当に女を泣かせてきたようだな」
 
 何か勘違いされているな。どちらかと言えば俺が泣いてきたんだが。
 
「実はグラスダーム殿下に今日の話をもらった時にな。ヴィローラ殿下もお連れするとおっしゃったのだ。それもウィックリン陛下の許可も取ってな」

「はぁ……」

「グラスダーム殿下は私を大変高く評価してくれている。そしてヴィローラ殿下と私は歳も近い。つまり……」

「ああ、なるほど。この機会に口説けという事ですね」
 
 少し離れたところでグラスダームの狩りを見守るヴィローラの姿が見える。隣には護衛騎士のジークリットとアリゼルダの姿もあった。
 
 今回の反乱を抑えた褒美……という訳でもないだろうが、2人の相性次第ではヴィローラをレックバルトに嫁がせる事を検討しているのだろう。

 皇族からの無言の圧力に、レックバルトも何かしらの反応を見せなければならない訳だ。
 
「有り体に言えばそうなる。だが実は私は、これまであまり女性と話した事がなくてな……」

「……はい?」

「当然、ヴィローラ殿下と話したことなど一度もない。それに彼女の隣には2人の女性騎士も控えている。ヴェルト殿だから正直に言うが、3人の……それも見目麗しい女性を前にして声をかけるのが気恥しいのだ」

「……はぁ」
 
 なんだそりゃ。つまり単に女性慣れしていないという事か。歳の近い綺麗な女性を前にすると、緊張する質なのだろう。
 
 戦場や会議室ではあれほど勇敢な姿勢を見せていたのに。こんな年相応の一面も持っていたんだな……。
 
「ですがレックバルト様から話しかけねば、そもそもどうしようもないのでは?」

「わ、分かってはいるのだが……」
 
 待っていても向こうから来る訳ではないし、むしろ向こうから来たらレックバルトの恥だ。

 ヴィローラもここに自分が呼ばれた意図は理解しているだろうし、レックバルトが声をかけてくるのを待っているのだとは思うんだが……。
 
 ま、レックバルトには相応の金を貰っているしな。ここは一肌脱いでやるか。
 
「では今から私と参りましょう。実は私は、あちらの3人と面識があるのです」

「なに……本当か!?」

「ええ。私も挨拶をせねばと思っていたのですよ。レックバルト様の護衛である私がどうしてもヴィローラ様方に挨拶をしたがっている。その呈で共に参りましょう。どうです、これならレックバルト様も自然にヴィローラ様とお話しできるのではありませんか?」

「おお……! ヴェルト殿を雇って良かった!」
 
 話しかけるきっかけがないと、なかなか自分からは行けないのだろう。これくらいは協力してやるか。

 俺とレックバルトはゆっくりと馬を3人に向けて進める。ジークリットはこちらに気付き、ヴィローラの肩を叩いた。
 
「まぁ……! ヴェルト様、それにレックバルト様も!」

「お久しぶりです、ヴィローラ殿下。それにジークリット様にアリゼルダ様も」
 
 俺が余所行きの口調で話すので、3人は一瞬表情が固まる。

 だが隣にいるレックバルトは俺が過去から来た元群狼武風だと知らないし、直ぐに事情は察した様子だった。
 
「ヴェルト様がご一緒されているのは気づいていたのですが。挨拶が遅れて申し訳ありません」

「いえ、そこまでお気を使われなくて大丈夫です。今日の私はこちらのレックバルト様の護衛ですから」

「ふふ。レックバルト様、ヴェルト様をお連れいただいてありがとうございます」

「い、いえ……」
 
 レックバルトはヴィローラにほほ笑まれ、緊張した表情を見える。そこはもうひと声、何か言葉が欲しいところだな。
 
「それにしても。ヴェルト様が来ると分かっていたら、アデライアも連れてきたのですが」

「あれ以来お会いしていませんね。元々気軽に会える身分ではないのですが。お元気にされておられますか」

「ええ! 以前よりも皇宮の外へ出る機会も増えましたし、最近では様々な行事にも顔を見せる様になりましたわ! 改めてお礼申し上げます」

「いえ……私は何もしていませんよ」
 
 ヴィローラも意識しての事だろうが、核心に触れる部分は伏せて礼を述べる。
 
 それにしてもアデライアも問題なさそうで良かった。エル=グナーデが無くなった……かは分からないが、レクタリアがいなくなった以上、もう狙われる事もないだろうしな。

 さて、これくらい場を繋げられれば十分だろう。
 
「ヴィローラ様。こうした場で恐縮なのですが、お2人の時間を少しの間いただいてもよろしいでしょうか。実は黒狼会はアリゼルダ様の家であるベルレイト家と取引もありまして。この機会にジークリット様も交えてほんの数分、商売の話をさせて欲しいのです」
 
 少々露骨だが、これくらいの方が分かりやすくていいだろう。ヴィローラも笑顔で頷いた。
 
「ええ、他ならぬあの黒狼会のトップその人がこうして顔を見せているのですもの。彼女たちにとっても貴重な機会でしょう。ジークリット、アリゼルダ」

「はい」

「それでは少し失礼させていただきます」
 
 俺は2人と共にヴィローラから少しだけ距離を取る。耳を澄ませば2人の会話が聞き取れるくらいの距離だ。

 レックバルトは改めてヴィローラに挨拶している様子だった。
 
「ヴェルト殿。本当に久しぶりだ」

「ジークリット様はそうですね。アリゼルダ様は何度か黒狼会の本部にお越しいただいていますが……」

「え、ええ」
 
 アリゼルダは少し顔を赤くする。アリゼルダは現在、ヴィローラと黒狼会の橋渡し的な役割をしつつ、ロイとの関係も進んでいる様だ。
 
「でもまさかヴェルト殿がレックバルト殿に雇われているとは思わなかった」

「たまたま話をいただきましてね。どうやら黒狼会のボスに興味を持ったご様子でして」

「確かに、外から来た貴族からすれば黒狼会は気になるでしょうね……」
 
 いろいろあって有名になったからな。俺は2人から最近の城での出来事を教えてもらった。
 
「今年の建国祭には例年よりも多くの貴族がくる?」

「ええ。ヴィンチェスターの乱もありましたし、その混乱は今も尾を引いているのです。それに空いたポストもまだ埋まり切っていないので、今からでも中央の役職に就けないか考えている貴族が多いのですよ」
 
 前にクインも話していたな。それに最大派閥はミドルテア派になったとはいえ、貴族派閥の整理も進んでいるはずだ。

 そうした動きを鑑みて、例年よりも多くの貴族が帝都を訪れるのだろう。
 
「毎年近隣の領主や、帝国四公の血に連なる者は姿を見せているのですが。四公の1人、テンブルク公がああなりましたので……」

「そういえばテンブルク領はどうなったのです?」

「ガリグレッドの遠縁が代理で統治しています。ですが遠からず一族も責任を追及され、領地のいくらかは没収なり分割され、新たな領主が配される事になるという見方が大勢ですね」
 
 領地を持たない貴族や、三男坊なんかはうまくおこぼれが欲しいところだろうな。聞けばルングーザ領とローブレイト領も似た様な事になる見通しだとの事だった。
 
「しかしローブレイト領の一部……ルングーザ王国時代にディグマイヤー領だった領地は、皇族の預かりになるみたいです」

「……そうなのですか?」

「ええ。まだどうするかは決まっていないでしょうが……」
 
 おそらくジークリットとアリゼルダは俺がクインの兄……ディグマイヤー家の長男である事は知らないはず。あくまでこの時代生まれの群狼武風だという認識だろう。

 俺は意識して静かな口調で答えた。
 
「今回の乱を抑えた功労者の1人、クインシュバイン様に気を使われたのでしょうか?」

「そうかもしれませんね。とはいえ、ローブレイト領は帝都からかなり離れておりますし。流石に領地を授ける……というのも難しいでしょうが」
 
 帝都では騎士で立場のある身だからな。
 
「それと。今年の建国祭にはフォルトガラム聖武国から国賓を招いているのです」

「……ほぅ。それは興味深い話ですね」
 
 歴史上唯一アルグローガの侵略軍を撃破し、一度も外敵による上陸を許した事のない国だ。海軍の規模も練度も世界最強と言っていいだろう。そしてゼルダンシア帝国とは長年対立関係にある。
 
 以前劇場でエルヴァールと話した時、最近は陸軍の規模も拡大しているという事だったが。まさかウィックリンが国賓として招待しているとは思いもしなかった。
 
「どなたがお見えになられるのです?」

「第一王女フランメリア様と、いくらかの兵士が帯同しているみたいです」

「フォルトガラムから王族が来るのも驚きですが、それ以前に国賓招待に応じるのが意外でしたね」
 
 おそらくフォルトガラムの王族が帝都ゼルダスタッドに来るのは、歴史上初めての事だろう。

 ヴィンチェスターの政変は知っているだろうし、帝国が今どれほど混乱しているのか。あるいは混乱から立ち直っているのかを視察する目的がありそうだな。
 
 結果的に二大派閥の離反を招いたのだし、ウィックリンが恐れるに足りない皇帝だと判断すれば、何か動きを見せるかもしれないな。
 
「それに長年対立している国の中心地まで来るとは。どうやら第一王女も相当気が強そうだ」

「私も軽く調べただけなのですが。どうやらフォルトガラム聖武国では、武官としての地位も持っている様です」

「……武官? 王女が?」

「はい。実際相当な剣腕の持ち主で、軍事改革にも積極的なのだとか。近年の陸軍部隊の拡充もフランメリア王女の指示らしです」
 
 それはますますもって気が強そうな印象を持ってしまうな。

 基本的に軍はどこの国にも絶対必要なものだが、その規模を拡大するには多くの要因が絡んでくる。無計画に大きくするとそれを維持できなくなるし、無理して維持しようとすればどこかでそのしわ寄せがくる。

 時にそれは増税という形になり、民の消費が落ち込み、経済が後退することもある。
 
 だがフォルトガラム聖武国は軍拡する余裕があり、計画を立てた上で実行するという行動力がその王女にはあったのだろう。まぁ国が違うし、軍の運用形態が帝国とは全然違う可能性もあるのだが。
 
「こちらも対応を誤れば戦争になる可能性もあります。例年と比べると、今年の建国祭は緊張感がありますね」
 
 なるほどね。こりゃ建国祭の招待は辞退した方がよさそうだな。自分から面倒に首を突っ込まなくてもいいだろう。
 
「おや……。グラスダーム殿下が向かってきますね。どうやら獲物を上手く狩れた様です」

「なら我らも戻りますか」
 
 こうして俺たちはまたレックバルトとヴィローラの元へと戻る。

 その後はグラスダームも交えてレックバルト、ヴィローラの3人でいろいろ会話を楽しんでいたが、俺はそれをレックバルトの隣で黙って聞いていた。
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