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第二章 NOAH

36 ヒュー・レファイエットの記憶 10

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 ───勇者召喚の数日前のことだった。


「ヒュー。あなた、勇者召喚の儀式の大役に任命されたんでしょう?」

 久しぶりに、その声を聞いたと思って、ふと、顔を上げた。
 レファイエット侯爵家の邸宅。玄関ホールからまっすぐに伸びた、青い絨毯の階段の上に、もう何年も見ていなかった姉の姿があった。にこにこと、俺に笑いかける姉の姿に、驚き、俺は動きを止めた。
 俺とは違う、銀色のウェーブがかった髪は、母親譲りで、幼い頃は、いつも、女神様のようだ、と、思っていた。俺と同じような猫目であるせいか、少し、冷ややかな容貌ではあるが、美しいと評判の姉は、家族の前では優しげに笑っていたことを、思い出した。

(それも、遠い昔の話だけど、───)


 レファイエット家は、代々、数多くの魔術師を輩出する名門の家柄だった。生まれた時から、それこそ、話す、立つ、などの成長と同じように、英才教育とばかりに、魔術を叩き込まれて、育った。
 父も、母も、とても厳しく、姉も、兄も、そして俺も、幼い頃から少し、行き過ぎだな、というほどの魔術教育を受けてきていた。十歳上の姉、それから、五歳上の兄。二人が、両親の望むレベルの魔術に失敗した時などは、泣きながら折檻されたり、地下室に閉じ込められたりしているのを、俺は、まだ記憶もおぼつかないうちから、よく、見ていた。
 そして、その度に、思ったものだった。

(魔術ができないと、姉様、兄様のように怖い目に遭うのか…)

 そして、ついに自分が魔術のレベルを試される段階になり、その様子を見た家族は、手を叩いて喜んだ。すごい、まだこんなに小さいのに、と、家族に褒められ、俺は、つい、調子に乗ってしまった。


 それが、全ての過ちの、はじまりだった。


 まずはじめは、兄だった。兄が失敗する度に、母は俺を引き合いに出して、比べることで、兄のプライドを傷つけていった。物静かで、だけど優しかったはずの兄は、当然のように、俺とは遊ばなくなって行った。
 その次は、姉だった。もう魔術の英才教育を受けてきた姉は、まさか十歳も離れている弟に、魔術の技術で劣ることがあるなど、夢にも思わなかったのだ。父は、姉の前で、俺の技術のことを誇らしげに話し、俺に向けられる彼女の視線は、次第に、憎悪に染まっていった。

 何かがおかしいと思いながらも、父と母に煽てられ、俺はついに、王宮に勤める魔術師たちに紹介されることとなった。まだ、五歳くらいの時だったと思う。
 だが、はじめは誇らしげに、俺のことを話してまわっていた父や母が、魔術師たちの中で、メキメキと頭角を表していく俺を、次第に、化け物でも見るような目で見るようになるのも、すぐだった。

 そして、俺の家族は、完全に崩壊した。多分、───俺のせいで。

 俺が、褒められたことが嬉しくて、つい調子に乗って、一生懸命やってしまったのが、おそらく、いけなかったのだ。何事も節度を持って臨まなければ、行き過ぎた能力は、畏怖の対象でしかないと言うことを知った。
 だけど、もう、魔術師たちの中で噂になってしまい、周囲が俺を放ってはおかないレベルまで来てしまっていた。神童と呼ばれ、幼い頃から、随分とちやほやされていた自覚はある。
 それでも、家に帰れば、迎えてくれる人もなく、食事も寝る時も、一人女中がついているだけで、会話一つなかった。

 ユクレシアでは、今尚、偉業と讃えられている、水の循環システムや、魔王から人々を守るために考案した簡易障壁は、流石に俺も、少し誇らしいと思っていたのだ。人々の暮らしが助かり、感謝され、自分が認められたような気になった。
 たくさん頑張ったのだから、もしかしたら、家族も認めてくれるかもしれないと、そう、思った。

 でも、その構想が実現し、陛下に勲章をいただいた日の夜、父は、毒を飲み、この世を去った。
 自分に自信など、持てるはずもなかった。自分は、全ての悪いことの、元凶でしかないと、そう、思った。

 そうして十数年が経ち、勇者召喚の儀式と、勇者と共に戦いに赴く人員の公布があった。そして、その数ヶ月後。勇者召喚の儀式の数日前───

「姉上、お久しぶりです」

 壇上から、俺のことを見下ろす姉は、相変わらず美しく、二十七歳で独身であったが、やっぱり女神のようだな、と、俺は思った。ドッドッとすごい勢いで脈打っている心臓の音を感じながら、きっと、罵倒されるのだと思い、ぎゅっと身構えた。

「おめでとう。ヒュー。絶対にあなたが選ばれると、思っていたわ。ささやかだけど、私からのお祝いにお菓子を用意したの。一緒に食べましょう」
「───…あっ、ありがとうございます。し、しかし、姉上は、俺のことは……」
「ヒュー。もういいのよ。家族だって言うのに、意地を張って認めてあげられなかった私たちがいけなかったわ。ごめんなさい。仲直り、したいの」

 本当だろうか、と、少しだけ疑う気持ちがあった。
 それでも、物心ついてから、はじめて家族が、俺のことを認めてくれた瞬間だった。俺は、どきどきと少しうれしそうに音を立てる心臓を感じながら、誘われるがままに姉の部屋に行き、
 そして、───
 姉が魔王に唆されて、俺を殺そうと画策していたことを知った。

 茶菓子が置かれたテーブルの下、自分の足元で赤黒く光出した魔法陣に、俺は、首を傾げた。体は、ピクリとも動かなかった。だが、───

(なんだこの魔法陣。めちゃくちゃだ……でも、これは、明らかに闇の力で、できてる…しかもなんだ、この膨大な量の闇の力は……まさか)

 そうこうしてる間に、魔法陣からふわりと浮上した、赤黒い鎖に、立ったままその場で床に縫い付けられた。そ身動きが取れなくなってしまった俺が、ハッと顔をあげれば、ついさっきまで女神のようだと思っていた姉の顔が、悪魔のように歪んでいるのが目に映った。

「あ、姉上!まさか、魔王に唆されて……?な、何をお考えなんですか!世界が、世界の人々の命が、かかっているんですよ!!」

 俺の必死に訴えだった。だけど、姉は、まるで小鳥の囀りでも聞いているかのように、つまらなそうに俺の方を向くと、言った。

「だって、───ずるいじゃないの。私が本当は、勇者様と一緒に旅をしたかったのに。それで、世界を救う英雄になるはずだったのに」

 それを聞いて、俺は身を固くした。そして思い出した。幼い頃、父に怒られた姉が「いつか勇者様と一緒に、世界を救いたいの」と、目を輝かせて、俺に教えてくれたことを。
 そして、ようやく気がついた。もしかしたら、家族に認めてもらえるかもしれない、などと思いながら、帰宅した自分の愚かさに。

(ああ、───俺は、姉上の、夢までも、奪って……)

 一体自分は、なんのためにこの世界に生まれてきたんだろう、と思った。
 もう、ここで死ぬというのなら、もう、それでいいのかもしれない。姉がそれで、満足すると言うのなら、もう、俺は、それで、いいかもしれない。そう、思った。
 死んでしまった父のことを思い出した。塞ぎ込んでしまった母も。幼い頃から今日まで、姿を見ることもなかった姉兄のことも。
 教育は厳しかったかもしれない。それでも、俺が生まれなければ、俺がいなければ、みんなは、それなりに、幸せな家族であったのかもしれないと、そう、思い、目を閉じようとした。
 だが、───

(え?…いや、でもこの魔法陣じゃ、俺の命はまだ尽きない。それよりも、姉上の命が、奪われてしまう。いや…これじゃあ、姉上の命どころか、魂が…)

 姉の部屋には、今や赤黒い禍々しい風が吹いていた。
 その風の向こう側で、美しく気高い姉上は、心底嬉しそうな微笑みを浮かべて、悠々と、俺が苦しんでいる様子を見ていた。意気消沈して、消えてしまいそうだった、死ぬ直前の父とは違う。その様子は、自らの命を捨ててまで、俺を殺したいと思っている人の、それではないような気がしたのだ。

「姉上!この魔法陣では、姉上の命が奪われてしまいます!!」
「な、何よ!そんなわけないでしょ!私が何ヶ月も、練りに練った魔法陣なのよ!あなたが死ねば、私にその大役が回ってくるに決まっているわ。ああ、あなたもしかして、私を騙して、生き残ろうとしてるのね?命乞いしようとしたって無駄よ」
「姉上。よく見てください。発動条件に、ヒュー・レファイエットと血を分けた者の魂、そう、書いてあります!これは術者の指定じゃないんですよ!これでは、対価の指定になってしまいます!このままじゃ、魂が、未来永劫、囚われてしまう!」
「知ってるわよ。ふふ。ヒュー。よくお聞きなさい。あなたは、この世界での生を終えるだけだと思っているかもしれない。これは、未来永劫、あなたがその歳で死ぬことを、意味しているのよ。何回死んで、何回生まれても、あなたはその歳で死ぬ。永遠に続く呪いなの」

 姉上の返答を聞き、全然伝わっていない、と、俺は焦った。
 この魔法陣は完全に間違っていた。ここで奪われるのは、俺のではなく、姉の魂だ。そして、俺は、その姉の魂を対価に、胸に呪いの楔を打ちつけられ、未来永劫、術者の年齢までしか生きられない事になる。そういう呪いの内容だった。
 姉は完全に、発動条件と術者の限定を間違えていた。確かに、対象と、血を分けた人間の楔は強力になる。術者の限定のところにそれを書けば、この魔法陣は強固な物になっただろう。

 だが、このままでは、姉の命が潰えてしまう。

 これはおそらく、魔王が遠隔で魔力を注いでいるのだ。魔王も、こんなにも魔法陣が間違っているとは思っていないだろう。おそらく、俺が死に、姉も対価として死ぬと、そう、思って、こんなにも膨大な魔力を注いでいるはずだった。狙いはいい。勇者が現れる前に、周囲の人員を始末しようとするのは、道理だと思った。

(でも、これでは、俺ではなくて、姉上が…!)

 このままでは、対価となる姉の命は、その魂は、一体どこに飛ばされてしまうのか、想像もつかない。一つわかっているのは、魂はこの呪いの対価として、囚われてしまうと言うことだけだ。
 力を振り絞り、どうにか、魔法陣の発動を止めようと、魔力をこめた、その時、───
 姉は、まるで地を這う虫けらでも見るかのように俺を見て、吐き捨てた。

「私たち家族の、───恨みを知りなさい」

 その瞬間、俺は、動きを止めてしまった。
 どうしてだろう。俺が、悪かったことはわかるのに、それでも、どこかで、きっと、いつかと、───…そう、思ってしまっていたことに気がついた。
 俺の手から、スッと力が抜けた。
 次の瞬間、一本の赤黒い鎖が、俺の目の前に浮かび上がり、そして、ドッと胸に、楔が突き刺さったのがわかった。呪いの楔が、俺の心臓を抉り取るまでの、カウントダウンを始めたかのように、カチコチと、時計のような音が、聞こえたような気がした。

「きゃあああああ」

 少し離れた場所で見ていた姉に、その赤黒い鎖が巻き付くのはすぐだった。抵抗する姉を、ずるずると、信じられない力で、引っ張り、そして、この魔法陣の中に沈めようとしているんだと思った。
 この魔法陣の中に、沈んでしまえば、おそらく姉の魂は、それこそ未来永劫、囚われてしまうだろう。
 俺の心臓に、もう呪いは成った。
 対価として、姉の魂は取られてしまう。だけど、───

 ──「ヒュー。いつか一緒に、魔術で世界を守りましょうね!」──

 幼い頃、笑いかけてくれた姉の笑顔が、脳裏に過った。
 俺は、力を振り絞り、右手首を回して、小さな魔法陣を宙に生成した。そして、せめて、姉の魂が完全に囚われないようにするために、その魔術を展開した。

(姉の魂の囚われる場所を、魔法陣の中ではなく、俺の呪いの中にすることができれば…あるいは…)

 魔法陣の中にありながら、他の魔法陣を発動させたのは、はじめてだった。上手くいくかなんて、知る由もなかった。それでも、できることはやらなくては、と思って、必死だった。
 自ら発動させた呪いの中に、閉じ込められることになってしまう姉の魂を、少し、不憫に思った。それでも、闇の中を未来永劫彷徨うよりは、まだ、助かる可能性があると、そう思った。

(もしも、───もしもいつか、俺の呪いが解かれる日があれば、その時に、姉の魂も救うことができるかもしれない)

 姉の命を刈り取り、そして、その魂を、腹の中に収めようとしている魔法陣に、横から、自分の魔法をぶつける。得意な空間魔法と、この世界で唯一俺ができる時間魔法。それで、姉の魂の時間を止め、自分の呪いの内側に、組み込んだ。
 姉の亡骸は、ズッズッと音を立て、そのまま、魔法陣の中に、吸収されて行った。
 赤黒く光っていた部屋は、いつもの明るさとなり、何事もなかったかのように、静寂が支配した。だけど、───その部屋に、もう、姉の姿はなかった。

 喪失感のようなものは、正直、なかった。
 自分の心の扉が、閉ざされていくのを、感じただけだった。

 レファイエット家の人間が、魔王に唆されたという事実は、当たり前だが、報告せざるを得なかった。シルヴァンや、オーランド、それに、これから召喚する勇者にも、どこに危険が潜んでいるか分からないと言うことを、伝えなければならなかったからだ。
 さらに、この呪いは、魔王の力で成った呪いだった。通常のまじないのようなものら、聖魔法でどうにかなっただろう。だが、現状、魔王の力に対応できるのは、光属性の魔法だけなのだ。
 そして、光属性の魔法の使い手は、この世界には、一人も存在しない。
 俺の話を聞き、呪いの内容を知った人たちは、陛下も含め、みんな、痛ましい顔をして、言葉も出ない様子だった。

(俺も、正直、───言葉が出ないよ)

 そう、思った。だけど予定通り、勇者召喚の日はやってきた。
 勇者召喚陣を発動した時、勇者と思わしき、赤いペンダントをつけた学生のような男と一緒に、もう一人、人間が召喚されてしまい、俺は内心、すごく焦っていた。
 なんで、どうして、と、目を瞬かせていたが、話してみれば、勇者と友達らしいその学生の男も、一緒に魔王を倒しに行くと言われて、頭に血が上った。
 姉が人生をかけて望んでいた役だった。なんの力もなさそうな男が、しかも『魔術師』として、一緒に同行するなんて、許せるわけがない、と、正直思った。

 その男が、───ノアが、俺を人間だと知るのは、大分後のことになった。

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