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第二章 NOAH

20 暴走

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(結局、───ろくな情報を得られなかった……)

 ヒューが、「明日が結婚式だ」と言っていたのだ。僕は、自分がミズキさんの結婚式の朝に、何をされたのかを思い出した。それから、よく考えてみたら、その日の朝、エミル様が『卑猥な夢』を見た、といってなかったか?と思い出し、僕はなんとも言えない気持ちになった。
 因果応報とはこのことだ。とにかく、エミル様が、別に病気ではない、ということは、教えてもらったけど、その他、魔法陣のことで聞きたかったことは、結局聞けずに、泉の水はなくなってしまった。

(でも、やっぱりちょっとずるい気がするから…きっと、これでよかったんだ)

 もう一度、ヒューに会いたいと思ったことも確かだったが、ミュエリーが怪しんでいた代物だ。そう何回も夢の中でばかり、ヒューに会っていたら、きっと、夢から目が覚めなくなってしまう。そんな気がした。

(エミル様が、大丈夫だといいんだけど……)

 結局、あの夢から、また一週間ほど経ち、その間も僕は、ただドーナツを食べているか、通信具をいじってるか、するだけだった。アオイくんは、例の、神殿の慰問の旅に行ってしまっていて、まだ帰ってきていないのだ。多分、今日辺り、帰ってくるんじゃないかな、と、思う。もし帰ってきたら、『ミュエリー』攻略のこと、聞いてみたいと思っている。

 僕は、浮かない顔で、魔法研究部の部室へと向かう。
 今日は、夏休みの間、王都に残っている部員たちだけで集まって、日頃の成果を発表する日なのだった。せっかく久しぶりにみんなに会うというのに、こんな顔をしていたら、きっと心配されてしまうな、と思い、気合を入れて、扉を開けた。

 まだ発表を始めるまでには、時間があるのだ。
 王都に残っている人たちは、いつもの人数の半分くらいしかいなかったけど、それでも、みんなと話しているうちに、少し、気が紛れるような気がした。

 ───その時だった。
 少し、遅れてきたティナ先輩が、珍しく、慌てたような様子で、部室に入って来たのだ。いつもお淑やかなティナ先輩は、にこにこと笑顔を絶やさず、意外と毒舌で、取り乱すようなことがあるだなんて、思わなかった。その様子を見て、みんなが驚いたような顔をした。

「大変!なんだかぺシュカ教授の様子がおかしくて!ミュエリー・ぺシュカが、引きずられるみたいに、二階に連れてかれたわ。何だか不穏な雰囲気だったんだけど、大丈夫かしら……」

 ミュエリー、と聞いて、僕はバッと顔をあげた。
『ミュエリー』のストーリーのこと、まだ聞いていないのだ。夏休み中に、何かのイベントがあったのかどうかが、わからない。だが、連れて行かれた場所が、ぺシュカ教授の研究室だというのなら、目と鼻の先だ。様子を見に行こう、と、僕は立ち上がった。
 同じく慌てたミシェル先輩が、ティナ先輩に尋ねる。

「お、おかしいってどういうこと??」
「何だか、本当…どうしたのかしら。ぺシュカ教授、すごく必死で…」
「先輩!とにかく、すぐそこだから、僕、見てきます!」

 僕は、数人の魔法研究部員と一緒に、階段を駆け上がった。
 ミュエリーとぺシュカ教授は、親子なのだ。何か揉め事があったとして、他人が口を挟むことではないかもしれない。でも、あのティナ先輩が、慌てなくてはいけない雰囲気だというのなら。それに、疑いたくはないが、───

(ゲームでは、ぺシュカ教授の投薬によって、ミュエリーの魔力が暴走しちゃうから…!)

 僕たちが二階のぺシュカ教授の部屋の前に辿り着いたとき、中から、ぺシュカ教授の叫び声が聞こえた。

「うわああああああああああああ!!」

 僕たちは顔を見合わせ、「ぺシュカ教授!」と叫びながら、ドンドンと、扉を叩いた。ドアには鍵がかかっているようで、びくともしない。

「なんだ今の声。ぺシュカ教授の───?」
「鍵が開かない!ここの鍵ってどこにあるんだ?」
「今日は管理人室が休みだから、無理だぞ。無理矢理開けるか??」
「ぼ、僕、外の木から、中の様子を見てみます!!」

 みんなが話す中、僕は、急いで階段を駆け下りた。何だか嫌な予感がする。そういえば、どうして、猫ヒューは、二週間も僕に会いに来なかったんだろう。どうして、ミュエリーを見かけなかったんだろう。何だか、良くないことが起きているような気がして、不安になる。
 遅れて、二階へ向かおうとしているミシェル先輩達とすれ違い、鍵がかかっているから、とだけ言って、そのまま走り出す。足を動かしながら、振り返り、大きな声で、一応、自分がこれから何をするかも、伝えておく。

「外の木、登って見ます!」
「え、ええ?!」

 ミシェル先輩の驚いた声が聞こえた。こんなに走るのは、久しぶりかもしれない。
 ちょうど部室の横を通り過ぎたとき、なんとなく、部室に置いてあったバックパックを急いで掴むと、そのまま、外へと飛び出した。バックパックの中には、ヒューの異空間収納袋が入っているのだ。もしも、何か不測の事態が起きた時に、その中に入っている魔道具が役に立つ可能性があった。
 開けっ放しになっている扉から、魔法研究棟の外に出る。
 ミシェル先輩達と、いつも花火の実験をしていた芝生を通り抜け、ちょうどぺシュカ教授の研究室の前に立っている、大きな樫の木に足をかけた。ゴツゴツとした表面は、足をかけやすいから、難なく登ることができた。
 そもそも、ぺシュカ教授の研究室は、その大きな樫の木の目の前にあって、二階という高さにありながらも、外からじゃ、何をしているのかよく見えないのだ。
 太い枝の上に立ち、目を凝らす。

「え」

 研究室の広さは、教室の半分くらいの大きさだと思う。
 机と本棚が設置されていて、それは、僕たちが使っている魔法研究室のそれと同じように見えた。だけど、その空間の中で、一つだけ、異常なものがあった。

(何………あの、大きな球……)

 丸い水槽のようにも見える。その中に、青白い光の奔流が渦巻いていた。球の中で、荒れ狂う光。
 よくは分からない。よくは分からないが、何かが爆発する前に、高濃度のエネルギーが溜まりこんでしまっているかのようだった。
 その光の球の下には、レトロフューチャリスティックな機械が設置されており、そして、その前に、ぺシュカ教授が倒れていた。僕は、ハッと息を飲んだ。
 倒れ込んだぺシュカ教授の少し後ろに、あの手首の鎖で、その光球に繋がれているミュエリーを見つけたからだ。いや、繋がれているというよりは、ミュエリーの鎖の先に、あの光の球があるように見えた。
 ミュエリーは何かに耐えるように、顔を顰めているが、その場から動いたりする様子はない。
 僕は叫んだ。

「ミュエリー!!」

 その僕の声に、ミュエリーがバッとこちらを振り返った。
 その目が驚愕に見開かれる。そして、あの冷静なミュエリーが到底出すとは思えないような大声で、必死な形相で、僕に叫んだ。

「来るな!!頼む。来ないでくれ!」

 僕は、グッと唇を噛んだ。
 これは、もしかして、ゲームで見た魔力の暴走と同じことが起きているのだろうか。ゲームでは、僕はミュエリーのルートは攻略していないのだ。必死で神官ルートの状況を思い出す。

(あれは、そうだ…ミュエリーの鎖は、この世界では禁じられている闇魔法なんだ…)

 そして、神官の聖魔法と、神子の祈りで、その暴走が止まる。ゲームではどうやっていただろうか、と、考える。僕は聖魔法は使えない。
 アオイくんは、いない。しかも、アオイくんの祈りとか、正直ちょっとよく分からない。何が、何ができるだろうか、と考えていたら、ミュエリーが再び叫んだ。

「ノア!よく聞け。俺は、例え死ぬことになったとしても、!気にしないでくれ。お前が、お前に何かがあったら、俺はもう生きていけない!頼む。何もしないで逃げてくれ!」

 僕は、緊急事態だというのに、ぽかんと口を開いた。
 よく理解できずに、その言葉をただ、頭の中で反芻する。

(死ぬことになっても…………?)

 こんな状況で、こんな、誰が見たって絶体絶命のまずい状況で、僕に叫ぶことは、その言葉なのか、という疑問が、自分の中で渦巻いた。そして、その言葉が、ミュエリーの言葉が、じわじわと、僕の心に広がって、そして、ようやく、ようやくその意味を理解した僕の口から、怒りとなって爆発した。

「ふ、ふざけんなよ!!!!!どういうことだよ!!!」

 死んでもいい。またどうせ、。そういうことなんだろうか。どういう経緯で、どういう理由で、どうやって、今ここに、ミュエリーとして、存在しているのかは、分からない。転生なのかってことも、よくわからない。
 でも、僕には確信があった。
 今までのように、エミル様の時のように、ユノさんの時のように、フィリの時のように、そんなこと思いもよらなかった時とは違う。邪神は言ったのだ。この世界にも、ヒューの魂を持った人間が、いるって。ヒューの魂が、もしも、僕が想像したように、本当に、記憶を持って、そこに存在するんだとすれば、僕が、僕が、───ヒューのことを間違えるはずなんてない!話してみて、気がつかないわけなんてないんだ。話すときの癖だって、食べるときの癖だって、怒ったときの癖だって、笑うときの癖だって、なんだって、僕は、わかってしまう。気がつくに、決まってる。


 だって、だって、───大好きな、人だから。


 僕は、力の限り、叫んだ。


!!!」


 ミュエリーの赤い瞳が、溢れそうなほど大きく見開かれた。
 だけど、僕は、なんでそんな驚いた顔をしてるんだと思った。気がつかれてないとでも、思っていたのだろうか。僕の心の中は、信じれらないほどの怒りでいっぱいだった。今まで生きてきて、他人に、こんなに憤りを感じたのは、初めてかもしれない。
 大好きな人が、自分はと、僕に言ったのだ。

「死んで…死んでいいわけ、ないだろ……」

 僕は俯きながら、そう呟いた。パサリと、僕の長い前髪が、顔を覆った。
 そして、怒りのまま、もう一度、大きな声で、叫んだ。

「死んでいいわけないだろ!!!」

 どんな人生を送ってきたのかは知らない。どうして、ヒューが、エミル様で、ユノさんで、フィリで、ミュエリーなのかなんてことは、もっともっと知らない。僕は、ヒューのことを好きだった、その記憶すらも失って、何も知らずに、彼らに出会ったのだから。
 もしかしたら、また、次の世界で、違う人間として、出会うことになるのかもしれない。
 それが全て、僕のためかもしれないことも知ってる。
 それでも、───

「死んでいいわけ、ないだろーーー!!バカ!!!」

 こんな状況になっても、僕を頼ってくれないことに、虚しさが募る。このまま行けば、どうにかなってしまうことは明らかなのに。僕は続けた。

「ぺシュカ教授のことだって、いいわけ!!?このままじゃ、ミュエリーだってぺシュカ教授だって、巻き込まれる!!自分が犠牲になればいい?ふざけんな!!誰かが犠牲になった幸せってなんだよ!!!」
「………」

 ミュエリーの、その、理解できないと言った表情に、合理的じゃないとか、考えていそうだな、と思って、さらに腹が立つ。人の死が、危険が、合理的かどうかの判断で、見捨てられてたまるか、と内心思う。しかも、その本人が、自分の生を見捨てようとしてるのだ。
 とにかく、あの球体をどうにかするべきだ。神官も、あの球体に向かってまず、聖魔法をかけていたような気がする。でもどうだろう。おそらく闇魔法で構築されているであろう、ミュエリーの鎖が怪しい気もする。
 木の下に、集まってきたらしい、ミシェル先輩たちが、下から僕に声をかけた。

「ノア、なんか見える?!」
「な、なんか青いエネルギーの集合体みたいな球が光ってて、ぺシュカ教授が倒れてます!」
「ミュエリーは?」
「なんか、その球に鎖で繋がってるんです!!!」
「ハアア??!何なのその状況」

 僕に怒られて、びっくりしたまま固まっているミュエリーの下に、黒い魔法陣のようなものがあることに気がついた。ぺシュカ教授は、ミュエリーの膨大な魔力を使って、死者の蘇生をしようとしているんだ。ゲームのタイムラインとはかなり違う。だから、あの魔法陣が、死者蘇生のものなのかは定かではなかった。
 だけど、───

(闇魔法なことは確かだ!)

 あんな、人体に鎖をぶっさすみたいな魔法が、普通の属性魔法であるはずなんてない、と、僕は思った。それに、今こうして、その上でミュエリーが苦しんでいるのだ。
 この世界での聖魔法は、闇魔法と対極の位置にあるとされているが、属性には、数えられていない。祈りの延長のようなものなのだ。
 だが、その聖なる祈りと、神子の祈りで、暴走が止まったというのなら、もしかしたら、僕の『解呪ディスペル』が使えるかもしれない、と思った。
 とにかく、───あの球を、と、思ったとき、後ろから木を登ってきたミシェル先輩が、言った。「え!伯爵令嬢なのに?!」という疑問は、状況を見たミシェル先輩が叫んだことで、僕の喉に飲みこまれていった。

「うっわ、まずい。思ったより、まずそう。とにかく、あの球を壊した方がいいかもしれない!」
「で、でもそうしたら、魔力が放出してしまいませんか?」
「だとしても!このままじゃ、その装置に、ミュエリーが干からびるまで、魔力を奪われてしまうわ」

 やっぱりあの球は、ミュエリーから魔力を吸い取っているのか、と思った。干からびてしまうと聞いて、僕は覚悟を決めた。
 念の為、と背負ってきていたバックパックの中、ヒューの異空間収納袋から、あるものを取り出した。

 もしかしたら、異世界なら使うこともあるかもしれないと思って、持ってきていたものだった。
 まさか、本当に使うことになるとは思わなかった。こんな足場の悪いところで、踏ん張ることすらできずに、本当に、うまくいくのだろうか、と不安になる。
 だが、この距離からでは、魔法だと、確実にミュエリーを巻き込んでしまう。とにかく、窓ガラスさえ割ることができたら、中に踏みことができる、と思った。僕は頭の上にある太い枝に捕まりながら、できる限り、足を踏んばる。
 僕はぐっと唇を噛みしめた。

「え、───何それ。なんかの飛び道具なの??」

 そう、不思議そうな顔で、ミシェル先輩が僕に尋ねた。
 この世界に、が存在しているのかどうかは分からない。ミシェル先輩の反応を見る限りは、そんなに有名な武器ではなさそうだな、と思う。僕はぐうっと体を捻らせ、窓ガラスに狙いを定めた。
 そして、───

 僕は勢いよく、をぶん投げた。

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