甘い寄り道

アリエッティ

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天国への扉。

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 事務の奥の受付室、これからの契約や話し合いをする簡素な部屋。壁を一枚隔て一度に二名まで受付を行う事が出来る。勿論、受付以外も...

「あんっ、あんっ!」

「ふんっ、ふんっ!」
壁を一枚隔て別々に響く声。お互いに声は聴こえておらず、聴こえているのはお互いに相手をしているパートナーだけ。

「ひっさしぶり..最近休みなくってさぁ、こういう事出来なかったんだよねぇ。」

「あ..あぁ~...!」

「ふふ、気持ちい?」
馬乗での一方的な奉仕、タクジは悲鳴にも似た快楽の吐息を上げていた。

(なんだコレェ..エミちゃんのアソコが締まったり緩んだり...イキそうになると緩んで....最高過ぎる..!)

「スッゲェ..」

「知ってる?
穴の中も筋肉だからね、鍛えると自分で調節できるんだぁ。簡単にはイカせないからね」

「はぁ..」
悶絶の極み、筋肉美にモノが弄ばれ悦びの悲鳴を上げている。極楽は独り占め、と思いきや壁の向こうではまた別の世界が広がっていた。

「ふっふっふっふっ..あぁ!」

「はぁはぁはぁはぁ..」
後ろからモノを挿れられ、欲望のままに快楽を貪られる淫らな熟女は抵抗する心とは裏腹に屈強な硬い物を受け入れてしまっていた。

「最高っスよ、この柔らかさ..!
鍛えるなんて勿体ないっス、こんな魅力的なのに!」

「嫌っ..やめて...あんっ!」

「素直になって下さいよ、ホントは挿れられて嬉しいんでしょ? 悦んでんでしょ?」

「そんな事..ああんっ!」
根本までしっかりと貫かれ、カラダを密着させながら胸を掴み腰を振る。

「俺、スッゲェ溜まってんだよね。
..一滴残らず搾り取って貰うから、恵子さん。」

「あ..あぁ...!」
カラダは正直だ、しっかりと快楽を噛み締めている。


「可愛い~!」
腰にまたがり、穴を塞いだまま大きな胸を押し当てながらキスをしてタクジの頭を撫でる。

「あっ..」

「幸せそうだね、痛くない?
私カラダ大きいから抱きついたら硬くて嫌かもしれないけど..こめんね、我慢が出来ないの。」
口を穴を感情を
総ての隙間を満遍なく埋め快楽を与える奉仕の姿勢、強さはそのまま優しさに。今まで幾つもの天国を見たがタクジはまだ、本当の天国を知らなかったようだ。

「楽しいね、お客さん?」

「..もう、我慢できない..!」「え?」
尻を掴み力強く下から突き上げた。

「あっ..ダメだよ!
そんな事しちゃ...ダメ....イっちゃう..!」
何度も何度も、暴発する欲望を打ちつけた。ほとばしる快楽、頭は既に真っ白に理性は無い。

「あっあっあっあっ..!」
表の世界。

「あっは...三発目、まだ行くよ?」

「来て、もっと頂戴...!」
壁の向こうの世界。

「エミちゃん、エミちゃん!」

「もぅ、ダメだよぉ..もっと楽しも?
..スッゴく気持ちいいけどね...。」

「あ..ダメ...もうイク....」



「あ、恵子さん..またイクわ」


「いいよ、一緒にイこ?」

「来て..全部私に出して...!!」
表と裏が交差する
物事の始まりは、終わるときも同じだ。

「あっ..!」「うっ..!」

『「ああぁんっ....!!」』
壁が壊れる程の叫び声、しかしお互いに届かない。

「...も~、頑張り過ぎだよ?」

「すみません..。」

「恵子さん、どうする?」

「...そんな事、決まってます。」

「エミさん..」「ん?」

「岡藤さん..」「はい?」
両者迷いなく言葉は同じ。

『「これからも宜しくお願いします!!」』
深々と頭を下げて部屋を出た。

「あ。」「あら。」
鉢合わせた二人の顔は、酷く赤らみ疲れ切っていた。

「..なんか、疲れましたね。」

「そうね..。」

「帰りましょうか」

「..ええ。」
私服に着替え、ジムを出た。
夕焼けの道を二人静かに歩きながら、頭の中では先程までの情事を思い出していた。

「……」

「......」

『「あ、あの..!」』
言葉が重なる。恵子は退がり遠慮したが、タクジは確実に同じ事をおもっていると確信していた。

「あの、恵子さん..。」

「何? 
..タクジ君。」

「今から..ホテル、行きませんか?」

「...行ってくれるの?」

「……はい。」
やはり、そうだった。お互いに求め合いたいのだ
〝自分たちのパートナー〟を。

「そう...なら、行きましょ。」
そこにはもういない、天国への入り口を...。


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