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第ニ章 運命との戦い
第三十二話 新たな主人公、誕生
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~アミアン北西部にて~
「うおおおお!!」
「グギャア!?」
ラジ率いるアミアン連合軍は、黒き獣たちによる猛攻を受けながらも耐え切ることができていた。
「しつこいわね~ もう嫌になっちゃうわ」
ソニアはニコニコ顔で魔獣たちと戦っている。
「ボアァァ!」
そこに、クマの形をした魔獣が襲ってきた。
「グ・・・ ギ・・・」
「ふふふ~ 悪い子ねえ?」
ソニアは難なく攻撃を止め、熊型の魔獣の首を鷲掴みした。
「グ・・・ ガァ・・・」
熊型の魔獣は呼吸することができず、事切れてしまった。
「あれが、バイセン家の実力・・・!」
周りの戦士たちも、ラジやソニアが戦う姿を見て勇気を出す。
依然として全体の士気も高いままだった。
それを良く思わない男がいる。
「・・・なかなかしぶといですねえ。ダリラは・・・ なんだ、死んでしまったのですか」
男は一人ぶつぶつと呟いている。
「正直あんな奴はどうでもいいのですが・・・ この戦いは我々の負けのようです。ククク・・・ 久々に面白いのが見れました」
そう言って男は闇の中へ消えていく。
「いずれまた会いましょう。エレーヌ」
戦士たちは皆こう言う。突然、黒き魔獣は動かなくなったと・・・
アミアンでの戦争は、ラジたちの勝利として終わりを迎えたのだった。
~後日、バイセン家にて~
「それでは、皆さん! 乾杯!」
「「「乾杯!」」」
バイセン家では、戦勝を祝うパーティが開かれていた。
「でな、俺がちょうどのタイミングであの黒い龍を倒したんだ!」
「それは何度も聞いたわ~」
「ああ! 可愛いエレーヌ! 長袖のドレスも似合っているぞ~」
「あまりジロジロ見ないで下さい!」
「レイド君、よくやった。屋敷は一部壊れてしまったが・・・ 全員が生きていたんだ。トドメを刺したのは君のおかげだ」
「いえ、ラジさん。私がダリラを倒せたのは、皆さんの助けがあってこそなので」
「ははは! 君は随分と謙虚じゃないか」
あたりは明るい雰囲気に包まれていた。
「レイド、ちょっといいですか?」
エレーヌが話しかけてきた。
「ちょっとここじゃ何なので、あちらの方で話をしましょう」
エレーヌはバルコニーの方に指を差した。
「ああ、分かった」
そう言ってレイドは、エレーヌについて行ったのだった。
レイドとエレーヌはバルコニーで二人きりになる。
エレーヌは黒い長袖のドレスを身に着けている。おそらく、あの痕を目立たせないためだろう。
「・・・」
二人に静寂が訪れた。少し経ったのち、エレーヌが口を開ける。
「レイド、この度はバイセン家の危機を救ってくれてありがとうございました」
そう言って、彼女は頭を下げた。
「そんな大したことはしていない。足を引っ張っていたくらいだ」
「また謙遜を・・・ で、それで・・・ その・・・」
エレーヌはもじもじし始めた。
「それで? なんだ?」
「えーっと、私はもう少ししたら王立学園に入学する予定なんですが・・・」
「へえ、すごいじゃないか」
(そうか・・・ エレーヌと離れ離れになってしまうのか・・・)
内心ショックを受けているレイドであった。
「そ、そこには、魔法だけでは無く剣術も学べるんですよ!」
エレーヌは大袈裟に言う。
「すごい学校じゃないか! 頑張ってこいよ」
「・・・」
エレーヌは何か不服そうな顔をしている。なんでだ? 怒らせるようなことはしていないはずだが。
「・・・それで、私一人では心細いな~ と・・・」
「確かにそうだね」
「・・・」
(おいおいなんでそんな怒っているんだよ!)
エレーヌはさらに不服そうな顔をする。
「ああもう! じれったい! だから、レイドも一緒に来てくれませんか!」
エレーヌは顔を真っ赤にしながら言った。
「で、でも・・・ 入学試験に受かるかどうか分からないじゃないか」
「そこらへんは私が教えます!」
「・・・」
再び、静寂が訪れた。
レイドも段々と恥ずかしくなってきた。
「お、おう・・・ よろしく頼む・・・」
「は、はぃ・・・」
そうして二人は逃げるように戻るのだった・・・
レイドは運命を変え、本来の歴史を大きく変えてしまった。
滅んでいたはずのリヨンやアミアンは残っており、レイドもエレーヌも死んでいない。
すでに前置きから崩壊した状態で、ゲーム本編の学園編がスタートすることになる・・・
しかし、レイドは知る由も無かった・・・
第二章 運命との戦い 完
~あとがき~
第二章が完結いたしました! ここまで書けたことに、私は驚きを隠せません。
ついに学園編の開始です! レイドとエレーヌの更なる活躍にご期待ください!
「うおおおお!!」
「グギャア!?」
ラジ率いるアミアン連合軍は、黒き獣たちによる猛攻を受けながらも耐え切ることができていた。
「しつこいわね~ もう嫌になっちゃうわ」
ソニアはニコニコ顔で魔獣たちと戦っている。
「ボアァァ!」
そこに、クマの形をした魔獣が襲ってきた。
「グ・・・ ギ・・・」
「ふふふ~ 悪い子ねえ?」
ソニアは難なく攻撃を止め、熊型の魔獣の首を鷲掴みした。
「グ・・・ ガァ・・・」
熊型の魔獣は呼吸することができず、事切れてしまった。
「あれが、バイセン家の実力・・・!」
周りの戦士たちも、ラジやソニアが戦う姿を見て勇気を出す。
依然として全体の士気も高いままだった。
それを良く思わない男がいる。
「・・・なかなかしぶといですねえ。ダリラは・・・ なんだ、死んでしまったのですか」
男は一人ぶつぶつと呟いている。
「正直あんな奴はどうでもいいのですが・・・ この戦いは我々の負けのようです。ククク・・・ 久々に面白いのが見れました」
そう言って男は闇の中へ消えていく。
「いずれまた会いましょう。エレーヌ」
戦士たちは皆こう言う。突然、黒き魔獣は動かなくなったと・・・
アミアンでの戦争は、ラジたちの勝利として終わりを迎えたのだった。
~後日、バイセン家にて~
「それでは、皆さん! 乾杯!」
「「「乾杯!」」」
バイセン家では、戦勝を祝うパーティが開かれていた。
「でな、俺がちょうどのタイミングであの黒い龍を倒したんだ!」
「それは何度も聞いたわ~」
「ああ! 可愛いエレーヌ! 長袖のドレスも似合っているぞ~」
「あまりジロジロ見ないで下さい!」
「レイド君、よくやった。屋敷は一部壊れてしまったが・・・ 全員が生きていたんだ。トドメを刺したのは君のおかげだ」
「いえ、ラジさん。私がダリラを倒せたのは、皆さんの助けがあってこそなので」
「ははは! 君は随分と謙虚じゃないか」
あたりは明るい雰囲気に包まれていた。
「レイド、ちょっといいですか?」
エレーヌが話しかけてきた。
「ちょっとここじゃ何なので、あちらの方で話をしましょう」
エレーヌはバルコニーの方に指を差した。
「ああ、分かった」
そう言ってレイドは、エレーヌについて行ったのだった。
レイドとエレーヌはバルコニーで二人きりになる。
エレーヌは黒い長袖のドレスを身に着けている。おそらく、あの痕を目立たせないためだろう。
「・・・」
二人に静寂が訪れた。少し経ったのち、エレーヌが口を開ける。
「レイド、この度はバイセン家の危機を救ってくれてありがとうございました」
そう言って、彼女は頭を下げた。
「そんな大したことはしていない。足を引っ張っていたくらいだ」
「また謙遜を・・・ で、それで・・・ その・・・」
エレーヌはもじもじし始めた。
「それで? なんだ?」
「えーっと、私はもう少ししたら王立学園に入学する予定なんですが・・・」
「へえ、すごいじゃないか」
(そうか・・・ エレーヌと離れ離れになってしまうのか・・・)
内心ショックを受けているレイドであった。
「そ、そこには、魔法だけでは無く剣術も学べるんですよ!」
エレーヌは大袈裟に言う。
「すごい学校じゃないか! 頑張ってこいよ」
「・・・」
エレーヌは何か不服そうな顔をしている。なんでだ? 怒らせるようなことはしていないはずだが。
「・・・それで、私一人では心細いな~ と・・・」
「確かにそうだね」
「・・・」
(おいおいなんでそんな怒っているんだよ!)
エレーヌはさらに不服そうな顔をする。
「ああもう! じれったい! だから、レイドも一緒に来てくれませんか!」
エレーヌは顔を真っ赤にしながら言った。
「で、でも・・・ 入学試験に受かるかどうか分からないじゃないか」
「そこらへんは私が教えます!」
「・・・」
再び、静寂が訪れた。
レイドも段々と恥ずかしくなってきた。
「お、おう・・・ よろしく頼む・・・」
「は、はぃ・・・」
そうして二人は逃げるように戻るのだった・・・
レイドは運命を変え、本来の歴史を大きく変えてしまった。
滅んでいたはずのリヨンやアミアンは残っており、レイドもエレーヌも死んでいない。
すでに前置きから崩壊した状態で、ゲーム本編の学園編がスタートすることになる・・・
しかし、レイドは知る由も無かった・・・
第二章 運命との戦い 完
~あとがき~
第二章が完結いたしました! ここまで書けたことに、私は驚きを隠せません。
ついに学園編の開始です! レイドとエレーヌの更なる活躍にご期待ください!
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