4 / 70
第1部 貴族学園編
4 タンポポは踏まれて強くなる?
しおりを挟む
国王夫妻の真実の愛の物語は有名だ。
政略結婚の悪女と別れて、かしこく心優しい男爵令嬢と結ばれる。国王が積極的に広めた演劇は、二人の結婚式のシーンで花びらが舞い散り、ハッピーエンドで終わるんだけど、現実にはその続きがある。
なんで先王が、仲の悪い公爵令嬢と無理やり結婚させたのかっていうと、魔力の問題なんだよね。貴族って魔力主義なところがあるんだけれど、上級貴族は魔力が高くて、下級貴族は低い。魔力は遺伝するから、先の国王は男爵令嬢との結婚には反対していた。
そしたら、案の定。
真実の愛で生まれた国王夫妻の子供、王太子ビクトルと一つ年下の王女マリアンヌ。二人とも、王族の特徴の紫の瞳を持たなかった。王太子は薄い水色、王女はピンク色の瞳で生まれた。当然、魔力も低い。
ここ、タンポポ組の教室に集まった園児たちは下級貴族なので、みんな淡い色の瞳をしている。ここでは濃い紫色の瞳の私とリョウ君はとても目立っていた。
父親に似て、キラキラした金髪だし。
貴族は金髪が多い。まあ、色合いは家系によって変わるけど、魔力が多い人は、光輝く髪色をしている。例外は黒髪だけど、このクラスにはいない。薔薇組の侯爵令嬢と辺境伯爵令息の黒髪は遠くからも目立っていた。
「ねえ、レティシアちゃんは、どうして王族じゃないのに紫眼なの?」
隣の席になった子爵令嬢のルビアナちゃんが、ずばりと聞いて来た。その隣の席の男爵令嬢のアニータちゃんも、身を乗り出して聞き耳を立てている。
「えーと、ね。うちの父はね、冒険者になる前はゴールドウィン公爵の子供だったんだよ」
これで通じるかな?
「父のね、父親、おじいさまがね、先王様の弟で、王族だったんだけど、公爵家に婿入りしてるの」
つまりは、うちの父様は今の王様の従弟にあたる。祖父が王族で紫眼だったから、魔力の高い父様も紫眼で、その子供のリョウ君も紫眼。私の実母は父様の妹なんだけど、やっぱり紫眼だった。実の父親である今の国王も紫眼なんだけどね。ゴールドウィン公爵家って王族と政略結婚を繰り返しているから、ほぼ王族と同等の血筋になってる。魔力も多い。
「公爵の子供だったのに、男爵になっちゃったんですの?」
よく分からないって顔をして、ルビアナちゃんが首を傾げた。
「うん、だって、跡継ぎ以外は公爵になれないでしょ。うちの父は次男だったから」
「あっ、そうですわね」
両手をぱんと合わせて、ルビアナちゃんが大きくうなずいた。その隣のアニータちゃんも納得したって顔をした。
「長男じゃないと後を継げないですもんね。うちもお父様が子爵になった時に、伯父さんが平民になったのですわ。私も、貴族と結婚しないと平民になっちゃうんですの」
「そうだよね。私も、がんばって貴族と結婚しなきゃ。ママがね、いい結婚相手を見つけてきなさいだって」
恐るべし、貴族。5歳から婚活が始まってる。
その後、担任の先生が来て、自己紹介が始まった。タンポポ組でトップは子爵令嬢のルビアナちゃんだった。サザストン子爵家の経営する商会は、帝国との独占貿易で大儲けしているからね。そうやって、みんなが順番に自己紹介していく。
「ぼくは、リョウ・ゴールドウィンです。勇者リョウ様とおんなじ名前を父様がつけてくれました。好きなものは、勇者様の魔道具です。将来は、父様みたいに冒険者になって、勇者様の遺産を見つけたいです」
リョウ君がビシッと起立して自己紹介をした。男の子ってこれぐらいの年齢の時は、みんな勇者にあこがれるんだよね。リョウ君以外にも勇者について言及した自己紹介があったよ。まあ、大人になっても、勇者を引きずってるうちの父様みたいな人も、たまにいるけど。
「私は、リョウの双子の姉のレティシアです。将来は母のような魔道具職人になりたいです」
前世、14歳だからね、私もしっかりと自己紹介したよ。でも、ここの5歳児って本当にレベル高すぎ。さすがは貴族の子女だなぁ。
全員の自己紹介が終わると、豪華なドレスにエプロンをつけた女性が前に出て来た。
「はい、じゃあ、最後は先生ね。私は子爵夫人のマーガレットです。タンポポ組の担任です。では、一番大切なことを教えますね。王太后様もおっしゃってましたけど、学園では身分は関係なく、みんな平等です。だから、私のことは子爵夫人ではなく、『先生』と呼んでくださいね。お友達には『様』をつけずに、『ちゃん』とか『君』をつけて呼びましょう」
マーガレット先生が難しいことを言ってくる。
だからって、王太子を、『ビクトル君』なんて呼べないよね。建前は平等でも、あのわがまま王子相手にそんな呼び方できる人はいないって。まあ、タンポポ組だと、部屋が遠いから話をすることもないだろうけど。
平等教育よりも、身分差をしっかり言い聞かせて、上級貴族を怒らせるなって教えた方が将来のためになるんじゃない?
別室で保護者会をしている母様のことが心配になってきた。だいじょうぶかな? 失言して上級貴族を怒らせていなければいいけど。
「じゃあ、次は学園の紹介をしますね。ここには、私のような貴族の先生と平民の召使い先生がいます。何か欲しい物がある時は召使い先生に言いなさいね。お茶とお菓子はいつでも用意させることができるわよ。それから、向こうの校舎は薔薇組専用なので、たんぽぽ組さんは立ち入り禁止です。運動場や中庭は共用なので、わきまえた行動をしましょうね。あと、園庭の遊具もね。さあ、今からみんなで見に行きましょう」
先生が笑顔で言ってること、どこが平等? めちゃくちゃ身分差あるよ。召使い先生って何?
納得できない説明だけど、おとなしく聞いておく。長い物には巻かれろ精神だ。
「うわー!」
「すごい」
「遊んでいい? ねえ、先生!」
お行儀のよかった園児たちも、園庭に出てくると走り出した。お目当てはすべり台とブランコ。
でも、歓声をあげながら駆け出した子たちは、遊具にたどり着く前に立ち止まった。
そして、そこから悲しそうな顔をして、すべり台で遊んでいる子供たちを見つめた。
ああ、そうか。薔薇組が先に遊んでたんだ。上級貴族の子たちだもん。割り込めないよね。
幼稚園児の時から貴族の階級差を実体験で教えられてしまった。
さあ、マーガレット先生。「みんな平等」を教える時間ですよ。
私は期待を込めて、先生を探したけど、近くにはいなかった。園庭を見渡せる位置に作られた休憩所で、屋根付きのテーブルの側の椅子に座って優雅にくつろいでいる。
あれ? 先生?
タンポポ組の子供たちが、困ってますよ?
「姉さま、ぼくたちはすべり台で遊べないの?」
私の隣でリョウ君が悲し気な顔をした。紫色の瞳はうるんでいる。もうっ、王太后様が演説していた平等精神はどこへ行ったの?! 下級貴族の子供にがまんさせるなんて、かわいそうだよ!
「いいよ。リョウ君。みんなを呼んできて。もっと楽しい遊びをしよう」
前世、14歳。前世でも弟がいた私は、子供と遊ぶなんて楽勝なのだ。
「うん、姉さま!」
リョウ君は、さっそく友達になった男の子を誘うために走って行った。私の隣にルビアナちゃんとアニータちゃんもやってきた。
「レティシアちゃん、何をするの?」
ルビアナちゃんの期待のこもった顔に答えた。
「みんなでね、『ドラゴンさんがころんだ』をするよ!」
政略結婚の悪女と別れて、かしこく心優しい男爵令嬢と結ばれる。国王が積極的に広めた演劇は、二人の結婚式のシーンで花びらが舞い散り、ハッピーエンドで終わるんだけど、現実にはその続きがある。
なんで先王が、仲の悪い公爵令嬢と無理やり結婚させたのかっていうと、魔力の問題なんだよね。貴族って魔力主義なところがあるんだけれど、上級貴族は魔力が高くて、下級貴族は低い。魔力は遺伝するから、先の国王は男爵令嬢との結婚には反対していた。
そしたら、案の定。
真実の愛で生まれた国王夫妻の子供、王太子ビクトルと一つ年下の王女マリアンヌ。二人とも、王族の特徴の紫の瞳を持たなかった。王太子は薄い水色、王女はピンク色の瞳で生まれた。当然、魔力も低い。
ここ、タンポポ組の教室に集まった園児たちは下級貴族なので、みんな淡い色の瞳をしている。ここでは濃い紫色の瞳の私とリョウ君はとても目立っていた。
父親に似て、キラキラした金髪だし。
貴族は金髪が多い。まあ、色合いは家系によって変わるけど、魔力が多い人は、光輝く髪色をしている。例外は黒髪だけど、このクラスにはいない。薔薇組の侯爵令嬢と辺境伯爵令息の黒髪は遠くからも目立っていた。
「ねえ、レティシアちゃんは、どうして王族じゃないのに紫眼なの?」
隣の席になった子爵令嬢のルビアナちゃんが、ずばりと聞いて来た。その隣の席の男爵令嬢のアニータちゃんも、身を乗り出して聞き耳を立てている。
「えーと、ね。うちの父はね、冒険者になる前はゴールドウィン公爵の子供だったんだよ」
これで通じるかな?
「父のね、父親、おじいさまがね、先王様の弟で、王族だったんだけど、公爵家に婿入りしてるの」
つまりは、うちの父様は今の王様の従弟にあたる。祖父が王族で紫眼だったから、魔力の高い父様も紫眼で、その子供のリョウ君も紫眼。私の実母は父様の妹なんだけど、やっぱり紫眼だった。実の父親である今の国王も紫眼なんだけどね。ゴールドウィン公爵家って王族と政略結婚を繰り返しているから、ほぼ王族と同等の血筋になってる。魔力も多い。
「公爵の子供だったのに、男爵になっちゃったんですの?」
よく分からないって顔をして、ルビアナちゃんが首を傾げた。
「うん、だって、跡継ぎ以外は公爵になれないでしょ。うちの父は次男だったから」
「あっ、そうですわね」
両手をぱんと合わせて、ルビアナちゃんが大きくうなずいた。その隣のアニータちゃんも納得したって顔をした。
「長男じゃないと後を継げないですもんね。うちもお父様が子爵になった時に、伯父さんが平民になったのですわ。私も、貴族と結婚しないと平民になっちゃうんですの」
「そうだよね。私も、がんばって貴族と結婚しなきゃ。ママがね、いい結婚相手を見つけてきなさいだって」
恐るべし、貴族。5歳から婚活が始まってる。
その後、担任の先生が来て、自己紹介が始まった。タンポポ組でトップは子爵令嬢のルビアナちゃんだった。サザストン子爵家の経営する商会は、帝国との独占貿易で大儲けしているからね。そうやって、みんなが順番に自己紹介していく。
「ぼくは、リョウ・ゴールドウィンです。勇者リョウ様とおんなじ名前を父様がつけてくれました。好きなものは、勇者様の魔道具です。将来は、父様みたいに冒険者になって、勇者様の遺産を見つけたいです」
リョウ君がビシッと起立して自己紹介をした。男の子ってこれぐらいの年齢の時は、みんな勇者にあこがれるんだよね。リョウ君以外にも勇者について言及した自己紹介があったよ。まあ、大人になっても、勇者を引きずってるうちの父様みたいな人も、たまにいるけど。
「私は、リョウの双子の姉のレティシアです。将来は母のような魔道具職人になりたいです」
前世、14歳だからね、私もしっかりと自己紹介したよ。でも、ここの5歳児って本当にレベル高すぎ。さすがは貴族の子女だなぁ。
全員の自己紹介が終わると、豪華なドレスにエプロンをつけた女性が前に出て来た。
「はい、じゃあ、最後は先生ね。私は子爵夫人のマーガレットです。タンポポ組の担任です。では、一番大切なことを教えますね。王太后様もおっしゃってましたけど、学園では身分は関係なく、みんな平等です。だから、私のことは子爵夫人ではなく、『先生』と呼んでくださいね。お友達には『様』をつけずに、『ちゃん』とか『君』をつけて呼びましょう」
マーガレット先生が難しいことを言ってくる。
だからって、王太子を、『ビクトル君』なんて呼べないよね。建前は平等でも、あのわがまま王子相手にそんな呼び方できる人はいないって。まあ、タンポポ組だと、部屋が遠いから話をすることもないだろうけど。
平等教育よりも、身分差をしっかり言い聞かせて、上級貴族を怒らせるなって教えた方が将来のためになるんじゃない?
別室で保護者会をしている母様のことが心配になってきた。だいじょうぶかな? 失言して上級貴族を怒らせていなければいいけど。
「じゃあ、次は学園の紹介をしますね。ここには、私のような貴族の先生と平民の召使い先生がいます。何か欲しい物がある時は召使い先生に言いなさいね。お茶とお菓子はいつでも用意させることができるわよ。それから、向こうの校舎は薔薇組専用なので、たんぽぽ組さんは立ち入り禁止です。運動場や中庭は共用なので、わきまえた行動をしましょうね。あと、園庭の遊具もね。さあ、今からみんなで見に行きましょう」
先生が笑顔で言ってること、どこが平等? めちゃくちゃ身分差あるよ。召使い先生って何?
納得できない説明だけど、おとなしく聞いておく。長い物には巻かれろ精神だ。
「うわー!」
「すごい」
「遊んでいい? ねえ、先生!」
お行儀のよかった園児たちも、園庭に出てくると走り出した。お目当てはすべり台とブランコ。
でも、歓声をあげながら駆け出した子たちは、遊具にたどり着く前に立ち止まった。
そして、そこから悲しそうな顔をして、すべり台で遊んでいる子供たちを見つめた。
ああ、そうか。薔薇組が先に遊んでたんだ。上級貴族の子たちだもん。割り込めないよね。
幼稚園児の時から貴族の階級差を実体験で教えられてしまった。
さあ、マーガレット先生。「みんな平等」を教える時間ですよ。
私は期待を込めて、先生を探したけど、近くにはいなかった。園庭を見渡せる位置に作られた休憩所で、屋根付きのテーブルの側の椅子に座って優雅にくつろいでいる。
あれ? 先生?
タンポポ組の子供たちが、困ってますよ?
「姉さま、ぼくたちはすべり台で遊べないの?」
私の隣でリョウ君が悲し気な顔をした。紫色の瞳はうるんでいる。もうっ、王太后様が演説していた平等精神はどこへ行ったの?! 下級貴族の子供にがまんさせるなんて、かわいそうだよ!
「いいよ。リョウ君。みんなを呼んできて。もっと楽しい遊びをしよう」
前世、14歳。前世でも弟がいた私は、子供と遊ぶなんて楽勝なのだ。
「うん、姉さま!」
リョウ君は、さっそく友達になった男の子を誘うために走って行った。私の隣にルビアナちゃんとアニータちゃんもやってきた。
「レティシアちゃん、何をするの?」
ルビアナちゃんの期待のこもった顔に答えた。
「みんなでね、『ドラゴンさんがころんだ』をするよ!」
24
お気に入りに追加
1,469
あなたにおすすめの小説
ひめさまはおうちにかえりたい
あかね
ファンタジー
政略結婚と言えど、これはない。帰ろう。とヴァージニアは決めた。故郷の兄に気に入らなかったら潰して帰ってこいと言われ嫁いだお姫様が、王冠を手にするまでのお話。(おうちにかえりたい編)
追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて
だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。
敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。
決して追放に備えていた訳では無いのよ?
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシャリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
【完結】伯爵令嬢が効率主義の権化になったら 〜厄介事(第二王子と侯爵子息)が舞い込んできたので、適当にあしらいました〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「『面倒』ですが、仕方が無いのでせめて効率的に片づける事にしましょう」
望まなかった第二王子と侯爵子息からの接触に、伯爵令嬢・セシリアは思慮深い光を瞳に宿して静かにそう呟いた。
***
社交界デビューの当日、伯爵令嬢・セシリアは立て続けのトラブルに遭遇する。
とある侯爵家子息からのちょっかい。
第二王子からの王権行使。
これは、勝手にやってくるそれらの『面倒』に、10歳の少女が類稀なる頭脳と度胸で対処していくお話。
◇ ◆ ◇
最低限の『貴族の義務』は果たしたい。
でもそれ以外は「自分がやりたい事をする」生活を送りたい。
これはそんな願望を抱く令嬢が、何故か自分の周りで次々に巻き起こる『面倒』を次々へと蹴散らせていく物語・『効率主義な令嬢』シリーズの第2部作品の【簡略編集版】です。
※完全版を読みたいという方は目次下に設置したリンクへお進みください。
※一応続きものですが、こちらの作品(第2部)からでもお読みいただけます。
何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は
だましだまし
ファンタジー
何でもかんでも「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢にその取り巻きの侯爵令息。
私、男爵令嬢ライラの従妹で親友の子爵令嬢ルフィナはそんな二人にしょうちゅう絡まれ楽しい学園生活は段々とつまらなくなっていった。
そのまま卒業と思いきや…?
「ひどいわ」ばっかり言ってるからよ(笑)
全10話+エピローグとなります。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる