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35 中間考査が終わって
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長くて苦しい試験勉強を乗り越えて、ようやく試験が終わった。あとは結果を待つだけ。
今まで後回しにしていたことをしなきゃいけない。ちょうど私たちの試験後の休暇期間に、精霊界では男爵挑戦決闘が行われるそうだ。
ロイは私の契約精霊ではないので、私には関係ないんだけど……。
「ねえ、契約精霊以外にも聖力を渡せるの?」
「うん? 浮気の話かな?」
「違うって。ロイのことだけど、いろいろ助けてもらったからお返しをした方がいいのかなって。だって、対戦相手はイザベラの指輪から聖力を取り込んでるんでしょ。でも、ロイには契約者がいないから」
「ああ、それはカナデが心配しなくても大丈夫だよ。でも、カナデが気にするのなら、ロイにもらった魔石を返したらいいよ。いつも持ち歩いているんだよね」
うん? シャルからも金色の魔石をもらったけれど、授業の時にはロイにもらった魔石を使っている。まだ魔力が残っているから。でも、返すってどういうこと?
「カナデがいつも身に着けているものには、聖力がしみこんでいるからね。まあ、普通の聖女だとあまり影響はないけど、カナデのなら効果あるかな」
ああ、私は聖力が多すぎて、聖力玉で急性聖力中毒で精霊を殺しかけたしね。担架で運ばれたロイを思い出した。
結局、ロイに魔石を返すことにした。
それだけじゃ何となく申し訳ないので、よく使っているリボンも一緒に。なんか、自分の身に着けているものを彼氏でもない異性に渡すのって、変だしイヤだけど仕方ないか。
リボンを渡すと言ったら、シャルが自分もほしいと言うので、渡すかわりに魔石をねだった。すぐに、大量の金色の魔石をくれた。大きな純金の魔石がゴロゴロ。なんか私って最近、大金持ちだなぁ。
男爵挑戦決闘の様子は人間には知らされないから、結果をシャルに教えてもらうことにした。
さあ、そろそろ長い中間休暇。何をしようか。でもその前に、試験結果を気にしなきゃ。もしも、恐怖の軍隊補習組になったら、人生終わりそう。
翌日、イザベラ・サークルから呼び出しを受けた。
「おめでとう。さすがわたくしの選んだサークルメンバーね。ひとりも補習を受けずに済んで、誇り高いわ。おほほほほ!」
部屋に入るなり、イザベラが高笑いした。
テストの結果で相当ハイになってるみたい。
でも、ブルレッドさんもスノウさんもかなり危なかったそうだ。イザベラが毎晩つきっきりで勉強を教えたおかげだとか。
今年は補習を受けるのは4人。答案を見て暗い顔をしていた子たちがそうだろう。かわいそうに。
「ですから、この休暇の間はサークル強化合宿を行います」
イザベラが大声で宣言した。
え、いやだよ。勝手に決めないでよ。行かないよ。
「わたくし事ですが、契約精霊のオスカーのレベル上げに協力しようと思ってますの。ちょうどわたくしたちの休暇期間は、精霊界では男爵挑戦期間にあたり、決闘予定の貴族は不正防止のため精霊界から出てこられないそうです。オーギュスト様に邪魔されない今がチャンスですの」
イザベラはコウモリ精霊に対抗するため、アライグマ精霊を強化している。アライグマ精霊に頻繁に面会に来てもらって、直接聖力を譲渡しているとか。切った髪の毛を渡したのも聖力を与えるため。毎日身に着けた衣類も全部、洗う前に渡して、聖力を吸収させていたらしい。……ごめん、ちょっと、ひいた。
「みなさんも、運動会の時に苦心したでしょ。ダンジョンになれてレベルを上げるべきですわ」
イザベラの説得に、ブルレッドさんとスノウさんは賛成した。
「ああ、いいね。ダンジョン。自分の未熟さを思い知ったから。どんなモンスターにも次は負けない」
「あたしだって、やれるわよ。お化けさえ出なきゃ、あたしももっと早く帰ってこれたんだから」
二人がリレーで走ったダンジョンは、恐ろしい場所だったそうだ。
スノウさんはゴーストモンスターに襲われたらしい。他のモンスターは平気だけど、お化けだけは苦手だって。でも、たしか、スノウさんは元の世界で神官だったんじゃ……神官の役割って?
ブルレッドさんはもっと悲惨だった。触手系のモンスターに襲われたそうだ。大蛸や巨大イカのぬるぬるねばねばの足が体に絡みついてきて、触手植物の蔦の粘液が衣服を溶かそうとして……。気の毒だからこれ以上は聞かないであげよう。
「契約精霊同伴なら、ダンジョンにこもることも許可されるそうよ。だから、あっ」
イザベラが、うかつでしたわ、って顔をした。
「カナデさんの精霊は、精霊界から出てこられないのかしら?」
ん? シャルなら、今度の行事は参加するって言ってたよ。
あ、そうか。
ロイのことか。確かに、決闘を控えた男爵だ。でも、ロイとは契約してないし。
イザベラの誤解を理由にサークル活動をさぼろうかなとも思ったけど、なんかすごく悪いことをしてる気持ちになって、とりあえず、大丈夫だから参加すると言ってしまった。
今まで後回しにしていたことをしなきゃいけない。ちょうど私たちの試験後の休暇期間に、精霊界では男爵挑戦決闘が行われるそうだ。
ロイは私の契約精霊ではないので、私には関係ないんだけど……。
「ねえ、契約精霊以外にも聖力を渡せるの?」
「うん? 浮気の話かな?」
「違うって。ロイのことだけど、いろいろ助けてもらったからお返しをした方がいいのかなって。だって、対戦相手はイザベラの指輪から聖力を取り込んでるんでしょ。でも、ロイには契約者がいないから」
「ああ、それはカナデが心配しなくても大丈夫だよ。でも、カナデが気にするのなら、ロイにもらった魔石を返したらいいよ。いつも持ち歩いているんだよね」
うん? シャルからも金色の魔石をもらったけれど、授業の時にはロイにもらった魔石を使っている。まだ魔力が残っているから。でも、返すってどういうこと?
「カナデがいつも身に着けているものには、聖力がしみこんでいるからね。まあ、普通の聖女だとあまり影響はないけど、カナデのなら効果あるかな」
ああ、私は聖力が多すぎて、聖力玉で急性聖力中毒で精霊を殺しかけたしね。担架で運ばれたロイを思い出した。
結局、ロイに魔石を返すことにした。
それだけじゃ何となく申し訳ないので、よく使っているリボンも一緒に。なんか、自分の身に着けているものを彼氏でもない異性に渡すのって、変だしイヤだけど仕方ないか。
リボンを渡すと言ったら、シャルが自分もほしいと言うので、渡すかわりに魔石をねだった。すぐに、大量の金色の魔石をくれた。大きな純金の魔石がゴロゴロ。なんか私って最近、大金持ちだなぁ。
男爵挑戦決闘の様子は人間には知らされないから、結果をシャルに教えてもらうことにした。
さあ、そろそろ長い中間休暇。何をしようか。でもその前に、試験結果を気にしなきゃ。もしも、恐怖の軍隊補習組になったら、人生終わりそう。
翌日、イザベラ・サークルから呼び出しを受けた。
「おめでとう。さすがわたくしの選んだサークルメンバーね。ひとりも補習を受けずに済んで、誇り高いわ。おほほほほ!」
部屋に入るなり、イザベラが高笑いした。
テストの結果で相当ハイになってるみたい。
でも、ブルレッドさんもスノウさんもかなり危なかったそうだ。イザベラが毎晩つきっきりで勉強を教えたおかげだとか。
今年は補習を受けるのは4人。答案を見て暗い顔をしていた子たちがそうだろう。かわいそうに。
「ですから、この休暇の間はサークル強化合宿を行います」
イザベラが大声で宣言した。
え、いやだよ。勝手に決めないでよ。行かないよ。
「わたくし事ですが、契約精霊のオスカーのレベル上げに協力しようと思ってますの。ちょうどわたくしたちの休暇期間は、精霊界では男爵挑戦期間にあたり、決闘予定の貴族は不正防止のため精霊界から出てこられないそうです。オーギュスト様に邪魔されない今がチャンスですの」
イザベラはコウモリ精霊に対抗するため、アライグマ精霊を強化している。アライグマ精霊に頻繁に面会に来てもらって、直接聖力を譲渡しているとか。切った髪の毛を渡したのも聖力を与えるため。毎日身に着けた衣類も全部、洗う前に渡して、聖力を吸収させていたらしい。……ごめん、ちょっと、ひいた。
「みなさんも、運動会の時に苦心したでしょ。ダンジョンになれてレベルを上げるべきですわ」
イザベラの説得に、ブルレッドさんとスノウさんは賛成した。
「ああ、いいね。ダンジョン。自分の未熟さを思い知ったから。どんなモンスターにも次は負けない」
「あたしだって、やれるわよ。お化けさえ出なきゃ、あたしももっと早く帰ってこれたんだから」
二人がリレーで走ったダンジョンは、恐ろしい場所だったそうだ。
スノウさんはゴーストモンスターに襲われたらしい。他のモンスターは平気だけど、お化けだけは苦手だって。でも、たしか、スノウさんは元の世界で神官だったんじゃ……神官の役割って?
ブルレッドさんはもっと悲惨だった。触手系のモンスターに襲われたそうだ。大蛸や巨大イカのぬるぬるねばねばの足が体に絡みついてきて、触手植物の蔦の粘液が衣服を溶かそうとして……。気の毒だからこれ以上は聞かないであげよう。
「契約精霊同伴なら、ダンジョンにこもることも許可されるそうよ。だから、あっ」
イザベラが、うかつでしたわ、って顔をした。
「カナデさんの精霊は、精霊界から出てこられないのかしら?」
ん? シャルなら、今度の行事は参加するって言ってたよ。
あ、そうか。
ロイのことか。確かに、決闘を控えた男爵だ。でも、ロイとは契約してないし。
イザベラの誤解を理由にサークル活動をさぼろうかなとも思ったけど、なんかすごく悪いことをしてる気持ちになって、とりあえず、大丈夫だから参加すると言ってしまった。
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