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第128話 この子に未来を
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俺はシキとゼファルトと一緒に、部屋を出てちょっと進んだ先の通路で、肩を並べて座っていた。
ナナルリが出産するところを男に見せるわけにはいかないと、侍女たちに追い出されてしまったのである。
フォルテとアヴネラは手伝いということで部屋に居残っているが、何を手伝うのかは正直言って謎だ。
男は見るなって……今は普通に旦那だって出産に立ち会える時代だぞ。別に恥ずかしいことをしているわけじゃないんだから、男が見ていても問題はないだろうに。
……まあ、此処は日本じゃないからな……ナナルリは一応魚人族の姫で一般人とは身分が違うから、俺たちには理解できない何かがあるのだろう。古来からの掟とか、そういうのが。
「……女の人ってさぁ、凄いよなぁ」
通路の壁に背を預けて天井を仰ぎながら、シキがしみじみとそんなことを呟く。
「あんなに大きな赤ちゃんをお腹の中に入れてさ、重たくて自分が動けなくなっても嫌だとか文句ひとつ言わないで。それに、産む時ってすっごい痛いんでしょ? それを嫌がらないで弱音も吐かないで。俺だったら絶対そんな風にはなれないな。痛い苦しいもう嫌だってみっともなく泣いてそう」
俺も、出産の苦しみがどれほどのものかは想像が付かない。
昔、結婚していた会社の同僚が奥さんの出産に立ち会った時の話を聞かせてくれたことがあったが、彼も、今のシキと似たようなことを言っていたという記憶がある。できることなら代わってやりたいけど、自分には何時間もあの苦しさに耐える自信がないと。
だから無事に子供が産まれた時、晴れやかな顔で涙を流しながら喜んでいる奥さんを見ていたら、今度は自分が身を張って二人を守り抜いてやるのだと、そういう気持ちになったのだそうだ。
「俺、子供が産まれたらさ、絶対に奥さんと子供に自分たちは幸せだって笑ってもらえるような、そんな親父になろうって思う。ね、なれると思う? 俺にも」
「……その前にまず結婚する相手を見つけろよ。相手がいなきゃ子供も産まれんだろうが」
「あっはは、そりゃそうだね!」
俺の突っ込みに、シキはぱしんと自分の膝を叩いて笑った。
「おっさんもさ、頑張っていい親父になりなよ? そうなる日もすぐそこまで来てるかもしれないんだからさ」
「……何でそこで俺に振るんだ」
「あれ、おっさん、てっきりフォルテちゃんとくっつくもんだって思ってたのに。違うの?」
「……はぁ!?」
「俺、おっさんたちの様子見てて思ってたんだけどさ。おっさんたちって、絶対何かしてるでしょ? あれってただ「好きだ」って思ってるだけの態度じゃないよね? ねぇ、何処までやったの? 二人きりで秘密の話とかした? 抱き締めた? キスはした? ……あ、ひょっとしてセ……」
「ナナルリが頑張ってる時に何て話をしてるんだよ、あんたはっ!」
ごいん、と俺の拳骨がシキの脳天に直撃した音が通路に響いた。
自分の顔が火照ってるということが嫌というくらいに自覚できる。
あの時のフォルテから感じた匂いが、柔らかさが、まるで目の前に現れたかのような感覚を感じて……
……落ち着け、俺。今はそんなことを考えてる場合じゃないだろうが。
「……君たちは、面白いな」
くすくすと肩を揺らしながら、ゼファルトが俺たちのことを静かに見つめている。
いつも真面目な顔をしているから、彼がこうして笑っている顔を見たのは初めてのことかもしれない。
「我々円卓の賢者は、同じ役職の『仲間』ではあるがそういった話をするような親しい間柄ではないのでな。そうして家族のように笑い合える関係を築いている君たちが羨ましいよ」
若くして魔法の才能に恵まれて、権力があって。でも、他人との繋がりが希薄な、そんな人生。
何の才能もなくて、権力もない一般人。だけど笑い合える仲間が傍にいてくれる、そういう人生と。
一体、どちらが人間として幸福な人生なのだろうかと、ふと、そんなことを俺は思ったのだった。
「……こんなところにいたの? みんな」
それから、ひたすら賑やかに喋り続けるシキを俺とゼファルトが眺めている、そんな時間を過ごしていると。
ほっとした様子のフォルテが、ヴァイスと一緒に俺たちのところへとやって来た。
「ナナルリさんが、ハルたちにお願いしたいことがあるってみんなのことを呼んでたわ。もう部屋に入っても大丈夫だから、来てくれる?」
「無事に産まれたのか?」
「うん、産まれたわよ」
はて。その割には赤ん坊の泣き声が全く聞こえてこなかったが……
シキの声がうるさすぎて聞き取れなかったってことは、流石にないだろうし。
「赤ん坊は元気なのか? 生きてるんだよな?」
「お世話役の人たちが元気だって言ってるから、多分元気なんだと思う……私には、全然分からないけど」
何処か困ったように俺から視線をそらすフォルテ。
その言い方に、俺は片眉を跳ねさせた。
……どういうことだ?
「とにかく、来て」
「分かった。今行く」
フォルテに連れられて部屋へと赴く俺たち。
その中で、ナナルリは相変わらず横になったままの体勢で俺たちの到着を待っていた。
先程はあんなに丸々と太っていた腹が、今はすっかりとぺちゃんこになっている。ナナルリって元々はこんなに痩せてたんだな。腰のくびれもしっかりとあるし、鱗に覆われてはいるがそれなりに魅力的な女の体だ。
「このような格好のままで申し訳ありません……疲れが酷くて起き上がれなくて……このままお話させて頂く無礼をどうかお許し下さい」
「いや、気にしなくていい。出産は体力を使うものだってことくらいは俺たちも分かってるから。そのまま楽にしていてくれ」
「ありがとうございます」
「それで、俺たちに頼みたいことがあるってフォルテから聞いたんだが……何だ? 頼みって」
「はい」
俺が尋ねると、ナナルリは侍女たちにあれを用意してほしいと命令した。
侍女たちが部屋の隅に置かれていた道具の山から、掌に乗る程度の小さな壺のようなものを取り出して持ってきた。その数は三つ。貝殻を加工して作ったかのような、石とは異なるごつごつとした表面の灰色の入れ物だ。
それをひとつずつ、俺とシキとゼファルトへと渡してくる。
何か入ってるのかと蓋を開けて中を覗いてみるが……壺の中には何も入っていなかった。
「何だ? これ」
「普通の壺です」
次にナナルリは傍に控えていた侍女たちに指示を出す。
侍女の一人が、何かを抱えてそれを俺たちによく見えるように前に立った。
それは……人の頭よりも大きな、透明の物体だった。
ぷるんとしたゼリー状の丸いそれは、内側に小さな泡のようなものが浮かんでいるのが見える。中に水が詰まってでもいるのだろうか。見た目は、でかくした水羊羹って感じの代物だ。
何だ? スライムか?
いや、スライムは妖異だ。こんな場所に妖異がいるわけないし……
「……それは?」
「姫様がお産みになられた卵です」
「たっ!?」
侍女の返答に、俺は思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
魚人族は……人間と魚との間に生まれたと言われている種族。姿かたちは人だし陸上に普通に上がったりもするが、えらを備えていたり水のない環境では生きられなかったりと、生物としての特性はどちらかというと魚の方に近いらしい。
その繁殖方法も、一見すると俺たち普通の人間と同じように見えて実際はかなり異なっていて、いつでも子作りができるというわけではないらしい。女が一年近くかけて腹の中で卵を育て、それを出産し、産まれた卵に男が精子を掛けて受精させ、生育に適した環境に卵を安置して赤ん坊が誕生するのを待つ、そういうものなのだそうだ。
つまり、今俺たちの目の前にある卵は、現時点ではまだ無精卵の状態。このままでは赤ん坊は産まれてこないという。
……でも、どうするんだ? これ。
ナナルリの話によると、此処にいるナナルリを含めた六人が、魚人族最後の生き残り。それも全員が女だ。
魚人族は両性具有の種族ってわけじゃないだろうし、女しかいないとなると、せっかく卵を産んでも赤ん坊には育たない。受精できないのだから、このまま腐るしかなくなる。
……頼み。男三人に渡された壺。説明された、魚人族の種族繁栄の仕組み。
……まさか、頼みっていうのは……
俺の顔が引き攣る。
胸中のその仮説を決定付けるかのように、ナナルリからその言葉が告げられた。
「女性しか生き残っていない以上、わたしたちには、こうする以外に種族を繁栄させる方法が残っていないのです……お願い致します。魚人族を絶滅の危機から救うために、男性である貴方方の力をお借りしたいのです……この子の父親に、なって頂けないでしょうか?」
ナナルリが出産するところを男に見せるわけにはいかないと、侍女たちに追い出されてしまったのである。
フォルテとアヴネラは手伝いということで部屋に居残っているが、何を手伝うのかは正直言って謎だ。
男は見るなって……今は普通に旦那だって出産に立ち会える時代だぞ。別に恥ずかしいことをしているわけじゃないんだから、男が見ていても問題はないだろうに。
……まあ、此処は日本じゃないからな……ナナルリは一応魚人族の姫で一般人とは身分が違うから、俺たちには理解できない何かがあるのだろう。古来からの掟とか、そういうのが。
「……女の人ってさぁ、凄いよなぁ」
通路の壁に背を預けて天井を仰ぎながら、シキがしみじみとそんなことを呟く。
「あんなに大きな赤ちゃんをお腹の中に入れてさ、重たくて自分が動けなくなっても嫌だとか文句ひとつ言わないで。それに、産む時ってすっごい痛いんでしょ? それを嫌がらないで弱音も吐かないで。俺だったら絶対そんな風にはなれないな。痛い苦しいもう嫌だってみっともなく泣いてそう」
俺も、出産の苦しみがどれほどのものかは想像が付かない。
昔、結婚していた会社の同僚が奥さんの出産に立ち会った時の話を聞かせてくれたことがあったが、彼も、今のシキと似たようなことを言っていたという記憶がある。できることなら代わってやりたいけど、自分には何時間もあの苦しさに耐える自信がないと。
だから無事に子供が産まれた時、晴れやかな顔で涙を流しながら喜んでいる奥さんを見ていたら、今度は自分が身を張って二人を守り抜いてやるのだと、そういう気持ちになったのだそうだ。
「俺、子供が産まれたらさ、絶対に奥さんと子供に自分たちは幸せだって笑ってもらえるような、そんな親父になろうって思う。ね、なれると思う? 俺にも」
「……その前にまず結婚する相手を見つけろよ。相手がいなきゃ子供も産まれんだろうが」
「あっはは、そりゃそうだね!」
俺の突っ込みに、シキはぱしんと自分の膝を叩いて笑った。
「おっさんもさ、頑張っていい親父になりなよ? そうなる日もすぐそこまで来てるかもしれないんだからさ」
「……何でそこで俺に振るんだ」
「あれ、おっさん、てっきりフォルテちゃんとくっつくもんだって思ってたのに。違うの?」
「……はぁ!?」
「俺、おっさんたちの様子見てて思ってたんだけどさ。おっさんたちって、絶対何かしてるでしょ? あれってただ「好きだ」って思ってるだけの態度じゃないよね? ねぇ、何処までやったの? 二人きりで秘密の話とかした? 抱き締めた? キスはした? ……あ、ひょっとしてセ……」
「ナナルリが頑張ってる時に何て話をしてるんだよ、あんたはっ!」
ごいん、と俺の拳骨がシキの脳天に直撃した音が通路に響いた。
自分の顔が火照ってるということが嫌というくらいに自覚できる。
あの時のフォルテから感じた匂いが、柔らかさが、まるで目の前に現れたかのような感覚を感じて……
……落ち着け、俺。今はそんなことを考えてる場合じゃないだろうが。
「……君たちは、面白いな」
くすくすと肩を揺らしながら、ゼファルトが俺たちのことを静かに見つめている。
いつも真面目な顔をしているから、彼がこうして笑っている顔を見たのは初めてのことかもしれない。
「我々円卓の賢者は、同じ役職の『仲間』ではあるがそういった話をするような親しい間柄ではないのでな。そうして家族のように笑い合える関係を築いている君たちが羨ましいよ」
若くして魔法の才能に恵まれて、権力があって。でも、他人との繋がりが希薄な、そんな人生。
何の才能もなくて、権力もない一般人。だけど笑い合える仲間が傍にいてくれる、そういう人生と。
一体、どちらが人間として幸福な人生なのだろうかと、ふと、そんなことを俺は思ったのだった。
「……こんなところにいたの? みんな」
それから、ひたすら賑やかに喋り続けるシキを俺とゼファルトが眺めている、そんな時間を過ごしていると。
ほっとした様子のフォルテが、ヴァイスと一緒に俺たちのところへとやって来た。
「ナナルリさんが、ハルたちにお願いしたいことがあるってみんなのことを呼んでたわ。もう部屋に入っても大丈夫だから、来てくれる?」
「無事に産まれたのか?」
「うん、産まれたわよ」
はて。その割には赤ん坊の泣き声が全く聞こえてこなかったが……
シキの声がうるさすぎて聞き取れなかったってことは、流石にないだろうし。
「赤ん坊は元気なのか? 生きてるんだよな?」
「お世話役の人たちが元気だって言ってるから、多分元気なんだと思う……私には、全然分からないけど」
何処か困ったように俺から視線をそらすフォルテ。
その言い方に、俺は片眉を跳ねさせた。
……どういうことだ?
「とにかく、来て」
「分かった。今行く」
フォルテに連れられて部屋へと赴く俺たち。
その中で、ナナルリは相変わらず横になったままの体勢で俺たちの到着を待っていた。
先程はあんなに丸々と太っていた腹が、今はすっかりとぺちゃんこになっている。ナナルリって元々はこんなに痩せてたんだな。腰のくびれもしっかりとあるし、鱗に覆われてはいるがそれなりに魅力的な女の体だ。
「このような格好のままで申し訳ありません……疲れが酷くて起き上がれなくて……このままお話させて頂く無礼をどうかお許し下さい」
「いや、気にしなくていい。出産は体力を使うものだってことくらいは俺たちも分かってるから。そのまま楽にしていてくれ」
「ありがとうございます」
「それで、俺たちに頼みたいことがあるってフォルテから聞いたんだが……何だ? 頼みって」
「はい」
俺が尋ねると、ナナルリは侍女たちにあれを用意してほしいと命令した。
侍女たちが部屋の隅に置かれていた道具の山から、掌に乗る程度の小さな壺のようなものを取り出して持ってきた。その数は三つ。貝殻を加工して作ったかのような、石とは異なるごつごつとした表面の灰色の入れ物だ。
それをひとつずつ、俺とシキとゼファルトへと渡してくる。
何か入ってるのかと蓋を開けて中を覗いてみるが……壺の中には何も入っていなかった。
「何だ? これ」
「普通の壺です」
次にナナルリは傍に控えていた侍女たちに指示を出す。
侍女の一人が、何かを抱えてそれを俺たちによく見えるように前に立った。
それは……人の頭よりも大きな、透明の物体だった。
ぷるんとしたゼリー状の丸いそれは、内側に小さな泡のようなものが浮かんでいるのが見える。中に水が詰まってでもいるのだろうか。見た目は、でかくした水羊羹って感じの代物だ。
何だ? スライムか?
いや、スライムは妖異だ。こんな場所に妖異がいるわけないし……
「……それは?」
「姫様がお産みになられた卵です」
「たっ!?」
侍女の返答に、俺は思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
魚人族は……人間と魚との間に生まれたと言われている種族。姿かたちは人だし陸上に普通に上がったりもするが、えらを備えていたり水のない環境では生きられなかったりと、生物としての特性はどちらかというと魚の方に近いらしい。
その繁殖方法も、一見すると俺たち普通の人間と同じように見えて実際はかなり異なっていて、いつでも子作りができるというわけではないらしい。女が一年近くかけて腹の中で卵を育て、それを出産し、産まれた卵に男が精子を掛けて受精させ、生育に適した環境に卵を安置して赤ん坊が誕生するのを待つ、そういうものなのだそうだ。
つまり、今俺たちの目の前にある卵は、現時点ではまだ無精卵の状態。このままでは赤ん坊は産まれてこないという。
……でも、どうするんだ? これ。
ナナルリの話によると、此処にいるナナルリを含めた六人が、魚人族最後の生き残り。それも全員が女だ。
魚人族は両性具有の種族ってわけじゃないだろうし、女しかいないとなると、せっかく卵を産んでも赤ん坊には育たない。受精できないのだから、このまま腐るしかなくなる。
……頼み。男三人に渡された壺。説明された、魚人族の種族繁栄の仕組み。
……まさか、頼みっていうのは……
俺の顔が引き攣る。
胸中のその仮説を決定付けるかのように、ナナルリからその言葉が告げられた。
「女性しか生き残っていない以上、わたしたちには、こうする以外に種族を繁栄させる方法が残っていないのです……お願い致します。魚人族を絶滅の危機から救うために、男性である貴方方の力をお借りしたいのです……この子の父親に、なって頂けないでしょうか?」
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