124 / 135
第7章 大罪天使の降誕
第124話 本気も本気②
しおりを挟む
ロボットが見せてきたのは記録した映像を映し出す魔道具の水晶だ。
そこに映し出された映像には、確かに俺が、地面から出てきた魔道具に何かの細工をしている瞬間が記録されていた。
背丈も、癖も、全てが俺の誰かが今の状況を作った!?
「んな事が......有り得ないだろ......」
「現に貴様のせいでここにいる人間が危険にさらされている! 我々が客の滲み出る幸せのみを吸収していた今までなら有り得ない事だ!」
『天帝の器はね、設定した一つの物の吸収ができる古代遺物だよ。おそらく、みんなは体内の魔力を吸われて倒れたみたいだ。でも調べていたら今は機能を停止してて、これ以上みんなから何かを吸収する心配は無いみたい』
ナマコ神様の解析も含めようやく何で俺が疑われているのかが分かった。
あとはどうやって弁解するか......俺は機械オンチですなんて言っても信じて貰えないだろうし何より無実を証明する決定的な証拠もない。
「俺は知らないって言ってるだろ!!!!」
「動かぬ証拠を見せても認めないか......愚かな人間は脳の隅々まで愚かだな......来い貴様等ァ!!」
鼓膜が破れそうに成程の轟声が結界中に響き渡った。
「――スペルん......私達が呼ばれたって事はそういう事でいいのよね?」
「ぷッ!! アヴァもイーラも負けちゃったの? 無様~!」
「アヴァ~イ~ラ~大丈夫~?」
「やっぱり実物の方がイケメンじゃない!」
更に同じ顔の少女が四人......コイツらも幹部か!!
「五対一とか......マジで話聞かない気満々じゃねぇか......」
「五対一? ハンッ!! あまり笑わせないで貰えるか......アポキュアス様!! こちらへ――」
まさか幹部五人と魔王を同時に相手しなきゃなの!? 確か魔王アポキュアスは”激情天使“なんて二つ名が付くくらいやべえ魔王なんだろ!? ヤバい!! これはヤバい!!
「あの......スペル? 私そんなに強くないよ? ねぇ、そんなみんなの中心に立てるほど凄くないよ? あは! あははははは......」
幹部達の前に現れたのは、例に漏れず顔、背丈は全く同じの、ただ一点違うところは光を一切通さない黒髪という点だけの少女だった。
なんと言うか......こう......
「影武者だろ?」
「なっ......貴様ァ!! アポキュアス様になんて口の利き方をするんだ!!」
「いいよスペル怒らないで? 私なんてほら......自分の力すら上手く使えない駄目魔王だし......」
え......この子がホントに魔王? 激情天使?? ずっと下向いて全く俺の方向いて話してくれないよ......? あ、こっち見た。
その瞬間、アポキュアスの周りの空気が少しだけざわめいた。
「ねぇスペル......なんでここの人達は倒れてるの?」
「それは......天帝の器が暴走したようで......」
「この人がやったの?」
「それを今から捕獲し尋問しよう――――」
「いいよ。疑わしきは罰する。それが私達のやり方でしょ?」
なんだ? 急に何が起こった!? 空気の壁が押し潰して来るような......さっきまでアポキュアスからは全く感じられなかった殺気が押し寄せて来る!!
「――私、ここに来てくれたみんなを傷付けるような人、絶対に許さない」
「ッッ!! アポキュアス様!!......くれぐれもお身体に気を付けて――アヴァとイーラも起きろ!!」
そこはかとなく感じる深く暗い不安が足にへばりついて離れない......
「戻って」
刹那、アポキュアスと七人の幹部達の周囲が虹色の光に包まれた。
そこに映し出された映像には、確かに俺が、地面から出てきた魔道具に何かの細工をしている瞬間が記録されていた。
背丈も、癖も、全てが俺の誰かが今の状況を作った!?
「んな事が......有り得ないだろ......」
「現に貴様のせいでここにいる人間が危険にさらされている! 我々が客の滲み出る幸せのみを吸収していた今までなら有り得ない事だ!」
『天帝の器はね、設定した一つの物の吸収ができる古代遺物だよ。おそらく、みんなは体内の魔力を吸われて倒れたみたいだ。でも調べていたら今は機能を停止してて、これ以上みんなから何かを吸収する心配は無いみたい』
ナマコ神様の解析も含めようやく何で俺が疑われているのかが分かった。
あとはどうやって弁解するか......俺は機械オンチですなんて言っても信じて貰えないだろうし何より無実を証明する決定的な証拠もない。
「俺は知らないって言ってるだろ!!!!」
「動かぬ証拠を見せても認めないか......愚かな人間は脳の隅々まで愚かだな......来い貴様等ァ!!」
鼓膜が破れそうに成程の轟声が結界中に響き渡った。
「――スペルん......私達が呼ばれたって事はそういう事でいいのよね?」
「ぷッ!! アヴァもイーラも負けちゃったの? 無様~!」
「アヴァ~イ~ラ~大丈夫~?」
「やっぱり実物の方がイケメンじゃない!」
更に同じ顔の少女が四人......コイツらも幹部か!!
「五対一とか......マジで話聞かない気満々じゃねぇか......」
「五対一? ハンッ!! あまり笑わせないで貰えるか......アポキュアス様!! こちらへ――」
まさか幹部五人と魔王を同時に相手しなきゃなの!? 確か魔王アポキュアスは”激情天使“なんて二つ名が付くくらいやべえ魔王なんだろ!? ヤバい!! これはヤバい!!
「あの......スペル? 私そんなに強くないよ? ねぇ、そんなみんなの中心に立てるほど凄くないよ? あは! あははははは......」
幹部達の前に現れたのは、例に漏れず顔、背丈は全く同じの、ただ一点違うところは光を一切通さない黒髪という点だけの少女だった。
なんと言うか......こう......
「影武者だろ?」
「なっ......貴様ァ!! アポキュアス様になんて口の利き方をするんだ!!」
「いいよスペル怒らないで? 私なんてほら......自分の力すら上手く使えない駄目魔王だし......」
え......この子がホントに魔王? 激情天使?? ずっと下向いて全く俺の方向いて話してくれないよ......? あ、こっち見た。
その瞬間、アポキュアスの周りの空気が少しだけざわめいた。
「ねぇスペル......なんでここの人達は倒れてるの?」
「それは......天帝の器が暴走したようで......」
「この人がやったの?」
「それを今から捕獲し尋問しよう――――」
「いいよ。疑わしきは罰する。それが私達のやり方でしょ?」
なんだ? 急に何が起こった!? 空気の壁が押し潰して来るような......さっきまでアポキュアスからは全く感じられなかった殺気が押し寄せて来る!!
「――私、ここに来てくれたみんなを傷付けるような人、絶対に許さない」
「ッッ!! アポキュアス様!!......くれぐれもお身体に気を付けて――アヴァとイーラも起きろ!!」
そこはかとなく感じる深く暗い不安が足にへばりついて離れない......
「戻って」
刹那、アポキュアスと七人の幹部達の周囲が虹色の光に包まれた。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
ゆったりおじさんの魔導具作り~召喚に巻き込んどいて王国を救え? 勇者に言えよ!~
ぬこまる
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれ異世界の食堂と道具屋で働くおじさん・ヤマザキは、武装したお姫様ハニィとともに、腐敗する王国の統治をすることとなる。
ゆったり魔導具作り! 悪者をざまぁ!! 可愛い女の子たちとのラブコメ♡ でおくる痛快感動ファンタジー爆誕!!
※表紙・挿絵の画像はAI生成ツールを使用して作成したものです。
俺と合体した魔王の娘が残念すぎる
めらめら
ファンタジー
魔法が使えない中学生、御崎ソーマ。
ソーマはある事件をきっかけに、異世界からやって来た魔王の第3王女ルシオンと合体してしまう。
何かを探すために魔物を狩りまくるルシオンに、振り回されまくるソーマ。
崩壊する日常。
2人に襲いかかる異世界の魔王たち。
どうなるソーマの生活。
どうなるこの世界。
不定期ゆっくり連載。
残酷な描写あり。
微エロ注意。
ご意見、ご感想をいただくとめちゃくちゃ喜びます。
万能チートで異世界開拓! 〜辺境スタートの最強転移者スローライフ〜
山猪口 茸
ファンタジー
スローライフを夢見る平凡な高校生、藤峰卓人(ふじみね たくと)。屍のように日々を暮らしていた彼がある時転移したのは、岩だらけの辺境の土地だった!
「手違いで転移させちゃった///。万能チートあげるから、ここで自由に暮らしていいよ。ごめんね!」
そんな適当な女神のせいで荒地に転移してしまったものの……これって夢を叶えるチャンスでは?
チートや魔法を有効活用しまくって、夢のスローライフを送ってやる!ついでに畑とか施設も作ってのんびり暮らそう!村なんか作っちゃってもいいかも!?
そんな彼の送る、目指せほのぼのスローライフ!
[投稿はかなり不定期です!小説家になろうにも同時にあげています]
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力!魔石を使っての魔法&スキル付与!この力で最強を目指す〜
KeyBow
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRMMOゲームにダイブしたはずが、リアルの異世界に飛ばされた。
いきなり戦闘になるハードモードを選んでおり、襲われている商隊を助ける事に。
その世界はタワーがあり、そこは迷宮となっている。
富や名誉等を得る為に多くの冒険者がタワーに挑み散っていく。
そんなタワーに挑む主人公は、記憶を対価にチート能力をチョイスしていた。
その中の強化と鑑定がヤバかった。
鑑定で一部の魔石にはスキルや魔法を付与出来ると気が付くも、この世界の人は誰も知らないし、出来る者がいないが、俺にはそれが出来る!
強化でパラメータを上げ、多くのスキルを得る事によりこの世界での生きる道筋と、俺TUEEEを目指す。
タワーで裏切りに遭い、奴隷しか信じられなくなるのだが・・・
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる