【絶対攻略不可?】~隣の席のクール系美少女を好きになったらなぜか『魔王』を倒すことになった件。でも本当に攻略するのは君の方だったようです。~

夕姫

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87. 直感

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 87. 直感



 夏休みも残り半分。そして付き合ったのにも関わらず、まだ二人きりでどこかに行ったことがない。さすがに、このままじゃいけないと思ったオレは、勇気を出して咲夜さんを誘ってみることにした。

 咲夜さんは今リビングでテレビを見ている。チャンスは今しかない。

「あ、あの……」

「ん?どうしたの?」

「えっと……その……」

 いざ誘うとなると、緊張して言葉が上手く出てこない。でも言わないと!

「……来週。花火大会だよな?」

「花火大会?」

「……一緒にいかない?」

「うん。いいわよ」

 ……あっさりOK貰えた!?そんな簡単に了承されると逆に不安になるんだけど……。まぁ、いっか。悩んでいたのがバカらしくなってくる。

「それなら新しい装備を買おうかしら」

「装備?」

「ええ。花火大会と言えば浴衣でしょ?だからそれに合うような装備を買いたいなって思ってたの」

「なるほど。そういうことか」

 確かに咲夜さんの言う通りだ。花火といえば浴衣。ならばそれに見合う装備が必要になる。……てか装備ってなんだよ。

「ねぇ颯太君。私は何色が似合うと思う?」

「うーん……そうだな……」

 これってあれじゃね?本当は自分の中で答え決まってるパターンじゃないか?だってほら、目がキラキラ輝いてるし。これは完全に自分が着る浴衣の色決めてる顔じゃん!

 確か咲夜さんがこの前着ていた水着は黒だろ?そして好きな色は青と黒。つまり……。ん?待てよ……この好きな色ってもしかしたらモブキャラ生徒Aの好きな色だったりしないか?いや、絶対そうに違いない!よし決めたぞ。

 オレは咲夜さんにどんな色の浴衣を着てもらいたいかで決める!オレは直感を信じる!

「そうだな……。咲夜さんにはやっぱりオレンジとかかな?」

「オレンジ?意外ね……」

「ああ。咲夜さんって性格明るいし、オレの中では元気いっぱいのイメージがあるから、オレンジ色の浴衣が凄く似合いそうな気がするんだ」

「そう。それなら着てみようかしら。ありがとう颯太君。それなら明日一緒に買いに行きましょう。颯太君のも選んであげる」

 そう言って咲夜さんは微笑む。笑顔の破壊力ヤバすぎだろ……。オレの心はもうノックアウト寸前です。こうしてオレと咲夜さんは花火大会に行くことになり、浴衣を明日買いに行くことにしたのだった。
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