小説女優《ノベルアクトレス》~あたしは小説を演じて、小悪魔先パイに分からされちゃう???~

夕姫

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101. 選択授業

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101. 選択授業



 お昼休み。あたしは学食堂でみんなと一緒に昼食を食べている。今日のメニューはあたしの大好きな唐揚げ定食だ。

 日替わりランチは値段が安いので、みんなが注文することが多い、毎日違うメニューが食べられるのもいい。でもこの唐揚げ定食はなかなか出てこないから、日替わりランチになった時は必ず食べることにしている。

「ん~美味しい!」

「凛花。あんた本当に唐揚げ定食すきだよね?いつも頼んでるじゃん?」

「ダメ?サキちゃんも食べたらいいのに?」

「私は脂っこいものは食べないことにしてるの。身体重くなったらバスケットに影響でるし。」

 うっ……。身体測定の体重のことを思いだしてしまった。でも唐揚げは鶏肉だから!きっとカロリーオフの油で揚げてるはず!そんなことを考えながら唐揚げを口に運ぶとサクッとした衣の中から肉汁たっぷりのジューシーな肉が出てきた。美味しい~これだよぉ……この味がたまらんのだぁ!! あたしは夢中で唐揚げを頬張った。すると春菜ちゃんがあたしたちに質問してくる。

「ねぇねぇ。みんなは二年生からの選択授業何にするの?文系?理系?」

 あたしたちの学校はクラス替えがない代わりに二年生の授業の半分は選択授業になっている。まずは文系と理系。あとは家庭科と美術。そして英語と情報処理だ。その中から組み合わせて選択できるシステムだ。

「私は理系と美術と情報処理かな。」

「サキちゃんもう決めてるの?早いね。」

「まぁね。凛花は文系と情報処理は確定でしょ?数学と英語苦手だもんね?」

「言わないで……わかっているから」

 あたしは数学や英語の成績は平均以下だ。特に英作文なんかは毎回赤点ギリギリである。それに理系科目も得意ではない。化学や生物などは特に苦手なのだ。ちなみにもうひとつは家庭科をとるつもりだ。どっちも苦手だけど、結愛先パイに料理が作れたら嬉しいし!

「私は凛花ちゃんと逆かな。理系と英語をとろうと思ってるから。」

「衣吹ちゃん……。」

「なんでそんな悲しい顔するの凛花ちゃん?選択授業だけだよ?もう……迷うからやめてよ……。」

 春菜ちゃんとサキちゃんは首をかしげている。そりゃそうだよね。二人は衣吹ちゃんがあたしのこと好きなの知らないんだし……。選択授業か……。あたしももう二年生になるんだなぁ。

 放課後。部室には結愛先パイがいる。そうだ、結愛先パイは何の選択授業をとっているんだろう?聞いてみよう。

「あの結愛先パイ。聞きたいことがあるんですけど?」

「なにかしら?」

「結愛先パイって、選択授業何とってるんですか?あたしそろそろ選ばないといけなくて。参考に聞きたいなって」

「ああ……もうそんな時期なのね……。」

「どうかしましたか?」

「……なんでもないわ」

結愛先パイはなぜか表情を曇らせる。でもすぐにいつもの顔に戻って教えてくれた。

「私は理系と美術と英語よ。」

 えっ……?なんか思ったのと違う。全部反対だと思ったんだけど、だって結愛先パイはいつも小説読んでいるし、小説書いたことあるし。料理もすごい上手だし、パソコンだって使えるし。

「意外です……。あたしは全部反対だと思ってました。なのにあんなに料理が上手なんですね……。羨ましい。」

「それは母が作った料理を食べたくないから。自分で作るしかなかっただけ。」

「えっ?」

「理系を選んだのだって【雪月花】の事を思い出したくないだけ、小説を読むのは好きだけど授業で文を書くのが嫌なの。」

 聞いちゃいけなかったかも……。そういえば結愛先パイは中学の頃は不登校だったんだよな。あたしは何も言えなかった。それに結愛先パイは自分の両親のことが嫌いなのかな……。あたしに話したがらないし。

「ごめんなさいね。変なこと言って。」

「あっ。いえ。あたしも変な事を聞いてすいません。」

 あたしたちは黙り込んでしまった。その時扉が開く音がした。そこには真白先パイの姿があった。

「部活動中失礼します。小鳥遊さん。三者面談の日程の返事がないと先生が探していましたよ?」

「あぁ……そろそろそう言う時期よね。凛花。ちょっと職員室に行ってくるわ。長くなるかもしれないから今日は終わり。先に帰っていて。」

 そういうと結愛先パイは出て行った。そしてそのまま帰ることにする。その帰り道。あたしは一人で歩いていた。

「結愛先パイの両親か……。」

 あたしは思わず独り言をつぶやく。結愛先パイ大丈夫かな……?部活動中も時々元気がなかったし。すると後ろから誰かが走ってきた。その人はあたしを呼び止める。

「凛花ちゃん!」

「えっ衣吹ちゃん?」

「姿が見えたから。少しお茶してかない?」

「うんいいよ。」

 あたしたちは二人並んで歩く。そして駅前のカフェに立ち寄った。そこで衣吹ちゃんは飲み物を注文する。あたしはミルクティーにした。しばらくすると店員が頼んだものを持ってくる。衣吹ちゃんはホットコーヒーだ。あたしはそれを一口飲むと、衣吹ちゃんはゆっくりと話し出した。
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