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438. 『あかくま50』~オフパート 憧れの先に~
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438. 『あかくま50』~オフパート 憧れの先に~
時間は23時45分。この後彩芽ちゃんと衣音ちゃんの長時間ゲーム耐久配信が始まる。オレは明日の朝配信の準備を終えて、リビングに飲み物を取りに来ていた。するとタイミング良く、配信が終わった朝比奈さんがやってくる。
「お疲れ様。朝比奈さん」
「お疲れ様です。神崎さん。あの……飲み物を頂いてもいいですか?」
「うん。冷蔵庫は好きに使って。キッチンも好きに使ってご飯とかも作っていいから」
「はい」
なんだか……自分の家に朝比奈さんがいるのが変な感じだな。オフコラボはしたことあるけど、あの時は通話越しだったしな。
「次は2人の長時間配信ですね」
「そうだね。オレも朝比奈さんも今のうちに休んでおかないと」
「はい。正直言うと、私も長時間やってみたいですけどね……でも大体ゲームか歌枠くらいですもんね……」
「確かにジャンルは偏るな」
「私はゲームは長時間やるほど上手いわけじゃないし、歌枠も2期生なら『いのピン』がいるので需要は少なそうですしねwなかなか難しいです」
そうかもしれないな。2期生の箱としての立ち回りを考えるのなら、朝比奈さんがやれるジャンルはないのかもしれない。
「それなら雑談配信やったらいいんじゃない?」
「私は神崎さんみたいに話せないですよ。それに……『伊集院クララ』のテンションのままいるのは疲れますしw神崎さんはそういうのないんですか?」
「あー……確かに『姫宮ましろ』として長時間やるのは疲れるかもなw」
「ですよね?でもそう考えると私と神崎さんは、理由は違えど似た者同士かもしれないですね?」
そう微笑みながら話す朝比奈さん。似た者同士……なのかもな。
「そう言えば……せっかくだから神崎さんに言っておこうかな」
「え?なに……怖いんだけど」
「何でですかwいや……恥ずかしいんですけど、こうやって『姫宮ましろ』とオフコラボをするのが私のデビューの時からの夢だったんです」
「そうなの?」
「はい。ずっと憧れでしたし、ほら『姫宮ましろ』は謎の人でしたから。伊集院クララはライバルポジション。だから1期生の先輩の中でも『姫宮ましろ』は特別ですし、いつかはオフコラボをして、裏でも仲良くなりたいなってずっと思っていました。だから今凄く嬉しいんですよ」
「そっか。結果、男だったけどどう?」
「正直に言うと驚きはありましたけど、どっちかと言うと尊敬が大きかったですよ。神崎さんが『姫宮ましろ』だと気づいて、私が思っているよりも何倍も何倍も努力していたんだなって。だから凄いなって純粋に思いましたし、いつかは追い抜きたいと本当に心から思いました。パラレルワールド雑談の時も、このくらいでヘラってどうすんの!って思い直せましたしね?」
そう言って少し照れた笑顔を見せてくれる朝比奈さん。まさかそんなことを言われるとはな。でも……そう言われるとなんかむず痒いな。でもそう思って貰えていたことが、何だか嬉しい。
「あ。すいません長話をしてしまって」
「いや大丈夫だよ」
「お風呂いただきますね?明日も頑張りましょう。それじゃおやすみなさい」
「うん。おやすみ」
夢が1つ叶ったか……そんな風に誰かの夢になっているなら、オレとしても『姫宮ましろ』としても嬉しい。そんな誰かの憧れの先に、これからも居れるように頑張りたいよな。
「さて……オレも部屋に戻って休むとするか。まだまだ『あかくま50』は始まったばかりだからな」
あの時たまたま『姫宮ましろ』になっただけなのに、こんなにも素晴らしい後輩が増えた。本当に……人生って分からないもんだな。
時間は23時45分。この後彩芽ちゃんと衣音ちゃんの長時間ゲーム耐久配信が始まる。オレは明日の朝配信の準備を終えて、リビングに飲み物を取りに来ていた。するとタイミング良く、配信が終わった朝比奈さんがやってくる。
「お疲れ様。朝比奈さん」
「お疲れ様です。神崎さん。あの……飲み物を頂いてもいいですか?」
「うん。冷蔵庫は好きに使って。キッチンも好きに使ってご飯とかも作っていいから」
「はい」
なんだか……自分の家に朝比奈さんがいるのが変な感じだな。オフコラボはしたことあるけど、あの時は通話越しだったしな。
「次は2人の長時間配信ですね」
「そうだね。オレも朝比奈さんも今のうちに休んでおかないと」
「はい。正直言うと、私も長時間やってみたいですけどね……でも大体ゲームか歌枠くらいですもんね……」
「確かにジャンルは偏るな」
「私はゲームは長時間やるほど上手いわけじゃないし、歌枠も2期生なら『いのピン』がいるので需要は少なそうですしねwなかなか難しいです」
そうかもしれないな。2期生の箱としての立ち回りを考えるのなら、朝比奈さんがやれるジャンルはないのかもしれない。
「それなら雑談配信やったらいいんじゃない?」
「私は神崎さんみたいに話せないですよ。それに……『伊集院クララ』のテンションのままいるのは疲れますしw神崎さんはそういうのないんですか?」
「あー……確かに『姫宮ましろ』として長時間やるのは疲れるかもなw」
「ですよね?でもそう考えると私と神崎さんは、理由は違えど似た者同士かもしれないですね?」
そう微笑みながら話す朝比奈さん。似た者同士……なのかもな。
「そう言えば……せっかくだから神崎さんに言っておこうかな」
「え?なに……怖いんだけど」
「何でですかwいや……恥ずかしいんですけど、こうやって『姫宮ましろ』とオフコラボをするのが私のデビューの時からの夢だったんです」
「そうなの?」
「はい。ずっと憧れでしたし、ほら『姫宮ましろ』は謎の人でしたから。伊集院クララはライバルポジション。だから1期生の先輩の中でも『姫宮ましろ』は特別ですし、いつかはオフコラボをして、裏でも仲良くなりたいなってずっと思っていました。だから今凄く嬉しいんですよ」
「そっか。結果、男だったけどどう?」
「正直に言うと驚きはありましたけど、どっちかと言うと尊敬が大きかったですよ。神崎さんが『姫宮ましろ』だと気づいて、私が思っているよりも何倍も何倍も努力していたんだなって。だから凄いなって純粋に思いましたし、いつかは追い抜きたいと本当に心から思いました。パラレルワールド雑談の時も、このくらいでヘラってどうすんの!って思い直せましたしね?」
そう言って少し照れた笑顔を見せてくれる朝比奈さん。まさかそんなことを言われるとはな。でも……そう言われるとなんかむず痒いな。でもそう思って貰えていたことが、何だか嬉しい。
「あ。すいません長話をしてしまって」
「いや大丈夫だよ」
「お風呂いただきますね?明日も頑張りましょう。それじゃおやすみなさい」
「うん。おやすみ」
夢が1つ叶ったか……そんな風に誰かの夢になっているなら、オレとしても『姫宮ましろ』としても嬉しい。そんな誰かの憧れの先に、これからも居れるように頑張りたいよな。
「さて……オレも部屋に戻って休むとするか。まだまだ『あかくま50』は始まったばかりだからな」
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