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416. ましのんは『特別な関係』らしいです
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416. ましのんは『特別な関係』らしいです
夏の大型イベント『すたフェス』が終わり、今日は7月31日。昨日公式配信にて『新しい風』をコンセプトにした5期生の御披露目配信が行われた。そしてオレたちライバーとのディスコードのやり取りも解禁された。
とりあえず挨拶が来ていたのでそのまま返した。まぁすでにポアロ探偵やらさくらちゃんやらに絡まれているディスコードなんかも散見されてたけど。
そして今日は5期生の初配信の日だ。18時から22時までの1時間順番に行う。なので高坂さんには『姫宮ましろ』のマネージャーの仕事を休みにしてもらって配信に集中してもらうことにしている。初配信か……懐かしいな……オレの初配信はもう5年前だもんな。
そんなことを考えて作業をしていると部屋に彩芽ちゃんがやってくる。
「お疲れ様です颯太さん」
「うん。どうしたの?」
「コーヒー飲みますか?」
「ありがとう」
彩芽ちゃんはコーヒーを淹れてくれ、オレの机にそっと置くとオレの横に座る。
「今日5期生の初配信……ですね。陽葵さん……大丈夫ですかね?」
「今頃すごく緊張してると思うよ。でも、楽しみにもしてるはずだよ」
「そうですね。あっ……あの……良かったら一緒に5期生の初配信……視聴しませんか?」
「いいよ。じゃあ配信まで来週の打ち合わせしちゃおうか」
彩芽ちゃんは嬉しそうに微笑むとオレの隣に座る。夏だからか……妙に彩芽ちゃんの体温が伝わってくる。肩と肩が触れ合う距離。それに……これは香水かな?今まで彩芽ちゃんって香水とかつけてたっけ?なんか女子力上がってない?
「どうかしました?」
「いや……彩芽ちゃん……なんか大人っぽくなった?」
「そっ……そうですか……ね?紗希さんのおすすめのコスメとか使ってるから……ですかね……」
彩芽ちゃんは嬉しそうに、そして少し照れながら髪を耳にかける。可愛いなぁ……せっかく夏なのに最近どこにも行ってないしな……ここは思い切って誘ってみるか。別に普通のことだオレと彩芽ちゃんは付き合っているんだから。焦るなオレ。
「あのさ彩芽ちゃん。海……とか行きたくない?」
「え。海ですか?」
「そう。ほら8月後半は忙しくなっちゃうし、せっかく夏だしさ……泊まりで旅行も兼ねてどうかなって」
「行きたいです。あと……せっかくなら……『ましのん』で初めての旅行配信もしたいかなって……ダメですかね?」
プライベートでもいいのにな……でもこれがオレと彩芽ちゃんだけの特別な関係でもあるのかもしれない。
「確かにリスナーさんもそれを望んでいるかもしれないしな。彩芽ちゃんがいいならいいよ」
「はい。楽しみです」
そんなことを話しながら打ち合わせをすすめていく。そして時間は17時40分。5期生の初配信がそろそろ始まる。20分前だと言うのに同接が2万人を越えている。オレの初配信は161人だからそれと比べればどれだけの人数が集まっているか分かる。
でもそれと同時に、それだけこのFmすたーらいぶが企業として大きくなっているということ、そしてVtuber業界が世間に認めらているということの証明でもあるんだけど。
「きっ……緊張します……」
「なんで彩芽ちゃんが緊張するの?」
「だって初配信ですし……失敗しないか心配です……」
「……『いくら準備しても失敗する時は失敗する。大事なのは楽しめるかどうか』……高坂さんはきっと大丈夫だよ。意外に度胸あるし、彩芽ちゃんみたいに頑固だしね」
「私……頑固ですか?」
「うん。頑固だと思うよ?」
彩芽ちゃんは少し膨れているがその顔も可愛らしい。そんなやり取りをしていると時間がくる。ついに5期生の初配信が始まるのだった。
夏の大型イベント『すたフェス』が終わり、今日は7月31日。昨日公式配信にて『新しい風』をコンセプトにした5期生の御披露目配信が行われた。そしてオレたちライバーとのディスコードのやり取りも解禁された。
とりあえず挨拶が来ていたのでそのまま返した。まぁすでにポアロ探偵やらさくらちゃんやらに絡まれているディスコードなんかも散見されてたけど。
そして今日は5期生の初配信の日だ。18時から22時までの1時間順番に行う。なので高坂さんには『姫宮ましろ』のマネージャーの仕事を休みにしてもらって配信に集中してもらうことにしている。初配信か……懐かしいな……オレの初配信はもう5年前だもんな。
そんなことを考えて作業をしていると部屋に彩芽ちゃんがやってくる。
「お疲れ様です颯太さん」
「うん。どうしたの?」
「コーヒー飲みますか?」
「ありがとう」
彩芽ちゃんはコーヒーを淹れてくれ、オレの机にそっと置くとオレの横に座る。
「今日5期生の初配信……ですね。陽葵さん……大丈夫ですかね?」
「今頃すごく緊張してると思うよ。でも、楽しみにもしてるはずだよ」
「そうですね。あっ……あの……良かったら一緒に5期生の初配信……視聴しませんか?」
「いいよ。じゃあ配信まで来週の打ち合わせしちゃおうか」
彩芽ちゃんは嬉しそうに微笑むとオレの隣に座る。夏だからか……妙に彩芽ちゃんの体温が伝わってくる。肩と肩が触れ合う距離。それに……これは香水かな?今まで彩芽ちゃんって香水とかつけてたっけ?なんか女子力上がってない?
「どうかしました?」
「いや……彩芽ちゃん……なんか大人っぽくなった?」
「そっ……そうですか……ね?紗希さんのおすすめのコスメとか使ってるから……ですかね……」
彩芽ちゃんは嬉しそうに、そして少し照れながら髪を耳にかける。可愛いなぁ……せっかく夏なのに最近どこにも行ってないしな……ここは思い切って誘ってみるか。別に普通のことだオレと彩芽ちゃんは付き合っているんだから。焦るなオレ。
「あのさ彩芽ちゃん。海……とか行きたくない?」
「え。海ですか?」
「そう。ほら8月後半は忙しくなっちゃうし、せっかく夏だしさ……泊まりで旅行も兼ねてどうかなって」
「行きたいです。あと……せっかくなら……『ましのん』で初めての旅行配信もしたいかなって……ダメですかね?」
プライベートでもいいのにな……でもこれがオレと彩芽ちゃんだけの特別な関係でもあるのかもしれない。
「確かにリスナーさんもそれを望んでいるかもしれないしな。彩芽ちゃんがいいならいいよ」
「はい。楽しみです」
そんなことを話しながら打ち合わせをすすめていく。そして時間は17時40分。5期生の初配信がそろそろ始まる。20分前だと言うのに同接が2万人を越えている。オレの初配信は161人だからそれと比べればどれだけの人数が集まっているか分かる。
でもそれと同時に、それだけこのFmすたーらいぶが企業として大きくなっているということ、そしてVtuber業界が世間に認めらているということの証明でもあるんだけど。
「きっ……緊張します……」
「なんで彩芽ちゃんが緊張するの?」
「だって初配信ですし……失敗しないか心配です……」
「……『いくら準備しても失敗する時は失敗する。大事なのは楽しめるかどうか』……高坂さんはきっと大丈夫だよ。意外に度胸あるし、彩芽ちゃんみたいに頑固だしね」
「私……頑固ですか?」
「うん。頑固だと思うよ?」
彩芽ちゃんは少し膨れているがその顔も可愛らしい。そんなやり取りをしていると時間がくる。ついに5期生の初配信が始まるのだった。
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