423 / 803
380. 姫は『新しい風』を見つけたようです
しおりを挟む
380. 姫は『新しい風』を見つけたようです
「早速部屋に行き、配信準備を始めていく。そして高坂さんにもパソコンの画面が見えるように向きを変える。すると高坂さんは、目の前に広がる2つのモニターに目を輝かせていた。
「わぁ!これがプロの部屋なんですね!素敵です!こっちの画面でコメント欄を拾うんですね。すごい……」
「ありがとうございます」
……なんか近いな。まぁいいか。とりあえず配信を始めるか。高坂さんは少し離れたところに椅子を置き、オレの配信画面を見ながらメモを取っていく。
コメント
『おはよう』
『ましろ姫おはよう』
『親衛隊揃ってます!』
「おはようございます。今日も1日頑張ろうね?Fmすたーらいぶ1期生、みんなの姫こと姫宮ましろです」
いつものように雑談配信をスタートさせていく。それからしばらく雑談配信をしていたが、時折チラッと高坂さんを見てみると、夢中になってメモを取っていく姿が目に映る。
コメント
『ステラさんと連絡してるの?』
『しろしろまた観たい』
『姫かまそう!』
「ステラさんとは連絡取ってないかなw忙しいよきっと。だってチャンネル登録者100万人いるんだよ?あのコラボだって奇跡だからw」
コメント
『次は姫も100万人!』
『その時逆凸しよ』
『あとどのくらい?』
「ましろは……今83万人だから、早くても来年じゃないかなwまぁ逆凸はその時考えようか」
コメント
『待ってます』
『そう言えば5期生募集してるね』
『もうそんな時期なのか』
「公式で募集してるの?知らなかった。でもそんな時期だよね、4期生は『ましポん』の時にシルエット御披露目したもんね……5期生は何人入るんだろ楽しみだね」
コメント
『応募要項面白いよ』
『オレも見た』
『なかなか味がある』
「そうなの?ちょっと見てみようか……えっと……条件……『在籍ライバーでは無理!絶対に私にだけしか出来ない!と自信のあるものをお持ちの新しい風になりたい方』……おお……Fmすたーらいぶらしいねwでも、最近は動画配信者や個人勢のVtuberさんも増えてるから、単純に配信スキルだけでは判断は難しいよね?ほら4期生だっていきなり話せていたもんね。ましろの初配信なんて沈黙してる時間の方が多かったよw」
コメント
『姫も成長したね』
『新しい風楽しみだね』
『ガチ恋増えるかなw』
『ありそうw』
「あはは。確かに、もしかしたら3期生、4期生のガチ恋勢が入ってきてもおかしくないからね?かのんちゃんのガチ恋勢とかだったらどうしようwそうだ!新しい風と言えば、ましろのマネージャーさん新しい人になったんだよね?しかも可愛い新人ちゃんだよ?」
オレがそう言うと、高坂さんは目を丸くして驚いた表情を見せる。まさか自分が話題に出るなんて思ってなかっただろうからな。
コメント
『そうなの?』
『新人が姫につくの!?』
『スパルタすぎw』
『さすがFmすたーらいぶw』
「前のマネージャーさんは偉くなっちゃったから、なかなかましろだけに時間を作るのは難しくてね?でも……新人ちゃんを指名したのはましろなんだ」
更に驚く高坂さん。オレなりに教えてみると桃姉さんには言ったし、とりあえず今オレが思っていることを話そう。
「でもさ、新人とかベテランとかは関係ないとましろは思うよ?もちろん経験値が違うから、色々対処する術はないけど。そこはましろが教えてあげられるといいと思うし。ただ重要なのは、お互いが信頼しあって助け合うこと。良く勘違いされるんだけどライバーとマネージャーに優劣はないよ。よりみんなが楽しんでくれるような配信にするためにやっている。ゴールは同じだからさ?」
コメント
『いい言葉や』
『姫の考え好き』
『新人ちゃんどんな子?』
「新人ちゃんはね……真面目で礼儀正しくてしっかりしてる。でも……不器用な子かな?素晴らしい才能があるけど、その才能に気づいてなくて『私には……』みたいな?」
コメント
『姫は見抜いてる』
『さすがエース』
『すごい才能なんだろうな』
「彼女はね『好きなものを共有』できる才能があるんだよ。まだ1回しか話したことないけど、彼女が大切にしている気持ちや想い。それを分かち合うことが出来ればきっとみんなを笑顔にできるって思って行動できるすごい才能だよ。ましろにはそれはない。だって怖いじゃん?自分の好きなものが否定されたらさ?」
コメント
『確かに』
『自分の趣味とか隠したい人いるよね』
『自分だけが楽しめればいいし』
「そう。自分だけが楽しめればいい。その通りだよね、でも彼女は違う。その勇気がある。だからさ、きっとましろにも良い提案とかしてくれるんじゃないかな?それが今は楽しみだね?」
そんな感じで雑談を続けていき、いつものように朝配信を終える。高坂さんにオレの思いが伝わったならいいけどな。
「お疲れ様でした。あの……私のこと話題にしてくれて嬉しかったです」
「……高坂さん。オレはライバーは4年目ですけど、マネージャーはまだ1年目。正直、マネージャーの仕事を教えてあげるにはスキル不足かもしれません。でも、ライバーのことは誰よりも分かってるつもりですから、遠慮なく思ったことを言ってください。ライバーとマネージャーには優劣はないから」
「はい。私……なんか吹っ切れました。頼らせてください!色々勉強させていただきます!そして早く皆さんのために貢献したいです!」
満面の笑顔をオレにくれる高坂さん。その時、少し開けていた部屋の窓から心地よい風が入ってくる。それはまだ微かではあるけど、オレと高坂さんを包みこむような優しい風。もしかしたらオレは『新しい風』を見つけたのかもしれない。
「早速部屋に行き、配信準備を始めていく。そして高坂さんにもパソコンの画面が見えるように向きを変える。すると高坂さんは、目の前に広がる2つのモニターに目を輝かせていた。
「わぁ!これがプロの部屋なんですね!素敵です!こっちの画面でコメント欄を拾うんですね。すごい……」
「ありがとうございます」
……なんか近いな。まぁいいか。とりあえず配信を始めるか。高坂さんは少し離れたところに椅子を置き、オレの配信画面を見ながらメモを取っていく。
コメント
『おはよう』
『ましろ姫おはよう』
『親衛隊揃ってます!』
「おはようございます。今日も1日頑張ろうね?Fmすたーらいぶ1期生、みんなの姫こと姫宮ましろです」
いつものように雑談配信をスタートさせていく。それからしばらく雑談配信をしていたが、時折チラッと高坂さんを見てみると、夢中になってメモを取っていく姿が目に映る。
コメント
『ステラさんと連絡してるの?』
『しろしろまた観たい』
『姫かまそう!』
「ステラさんとは連絡取ってないかなw忙しいよきっと。だってチャンネル登録者100万人いるんだよ?あのコラボだって奇跡だからw」
コメント
『次は姫も100万人!』
『その時逆凸しよ』
『あとどのくらい?』
「ましろは……今83万人だから、早くても来年じゃないかなwまぁ逆凸はその時考えようか」
コメント
『待ってます』
『そう言えば5期生募集してるね』
『もうそんな時期なのか』
「公式で募集してるの?知らなかった。でもそんな時期だよね、4期生は『ましポん』の時にシルエット御披露目したもんね……5期生は何人入るんだろ楽しみだね」
コメント
『応募要項面白いよ』
『オレも見た』
『なかなか味がある』
「そうなの?ちょっと見てみようか……えっと……条件……『在籍ライバーでは無理!絶対に私にだけしか出来ない!と自信のあるものをお持ちの新しい風になりたい方』……おお……Fmすたーらいぶらしいねwでも、最近は動画配信者や個人勢のVtuberさんも増えてるから、単純に配信スキルだけでは判断は難しいよね?ほら4期生だっていきなり話せていたもんね。ましろの初配信なんて沈黙してる時間の方が多かったよw」
コメント
『姫も成長したね』
『新しい風楽しみだね』
『ガチ恋増えるかなw』
『ありそうw』
「あはは。確かに、もしかしたら3期生、4期生のガチ恋勢が入ってきてもおかしくないからね?かのんちゃんのガチ恋勢とかだったらどうしようwそうだ!新しい風と言えば、ましろのマネージャーさん新しい人になったんだよね?しかも可愛い新人ちゃんだよ?」
オレがそう言うと、高坂さんは目を丸くして驚いた表情を見せる。まさか自分が話題に出るなんて思ってなかっただろうからな。
コメント
『そうなの?』
『新人が姫につくの!?』
『スパルタすぎw』
『さすがFmすたーらいぶw』
「前のマネージャーさんは偉くなっちゃったから、なかなかましろだけに時間を作るのは難しくてね?でも……新人ちゃんを指名したのはましろなんだ」
更に驚く高坂さん。オレなりに教えてみると桃姉さんには言ったし、とりあえず今オレが思っていることを話そう。
「でもさ、新人とかベテランとかは関係ないとましろは思うよ?もちろん経験値が違うから、色々対処する術はないけど。そこはましろが教えてあげられるといいと思うし。ただ重要なのは、お互いが信頼しあって助け合うこと。良く勘違いされるんだけどライバーとマネージャーに優劣はないよ。よりみんなが楽しんでくれるような配信にするためにやっている。ゴールは同じだからさ?」
コメント
『いい言葉や』
『姫の考え好き』
『新人ちゃんどんな子?』
「新人ちゃんはね……真面目で礼儀正しくてしっかりしてる。でも……不器用な子かな?素晴らしい才能があるけど、その才能に気づいてなくて『私には……』みたいな?」
コメント
『姫は見抜いてる』
『さすがエース』
『すごい才能なんだろうな』
「彼女はね『好きなものを共有』できる才能があるんだよ。まだ1回しか話したことないけど、彼女が大切にしている気持ちや想い。それを分かち合うことが出来ればきっとみんなを笑顔にできるって思って行動できるすごい才能だよ。ましろにはそれはない。だって怖いじゃん?自分の好きなものが否定されたらさ?」
コメント
『確かに』
『自分の趣味とか隠したい人いるよね』
『自分だけが楽しめればいいし』
「そう。自分だけが楽しめればいい。その通りだよね、でも彼女は違う。その勇気がある。だからさ、きっとましろにも良い提案とかしてくれるんじゃないかな?それが今は楽しみだね?」
そんな感じで雑談を続けていき、いつものように朝配信を終える。高坂さんにオレの思いが伝わったならいいけどな。
「お疲れ様でした。あの……私のこと話題にしてくれて嬉しかったです」
「……高坂さん。オレはライバーは4年目ですけど、マネージャーはまだ1年目。正直、マネージャーの仕事を教えてあげるにはスキル不足かもしれません。でも、ライバーのことは誰よりも分かってるつもりですから、遠慮なく思ったことを言ってください。ライバーとマネージャーには優劣はないから」
「はい。私……なんか吹っ切れました。頼らせてください!色々勉強させていただきます!そして早く皆さんのために貢献したいです!」
満面の笑顔をオレにくれる高坂さん。その時、少し開けていた部屋の窓から心地よい風が入ってくる。それはまだ微かではあるけど、オレと高坂さんを包みこむような優しい風。もしかしたらオレは『新しい風』を見つけたのかもしれない。
11
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説

マイナーVtuberミーコの弱くてニューゲーム
下城米雪
ライト文芸
彼女は高校時代の失敗を機に十年も引きこもり続けた。
親にも見捨てられ、唯一の味方は、実の兄だけだった。
ある日、彼女は決意する。
兄を安心させるため、自分はもう大丈夫だよと伝えるため、Vtuberとして百万人のファンを集める。
強くなった後で新しい挑戦をすることが「強くてニューゲーム」なら、これは真逆の物語。これから始まるのは、逃げて逃げて逃げ続けた彼女の全く新しい挑戦──
マイナーVtuberミーコの弱くてニューゲーム。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

底辺ダンチューバーさん、お嬢様系アイドル配信者を助けたら大バズりしてしまう ~人類未踏の最難関ダンジョンも楽々攻略しちゃいます〜
サイダーボウイ
ファンタジー
日常にダンジョンが溶け込んで15年。
冥層を目指すガチ勢は消え去り、浅層階を周回しながらスパチャで小銭を稼ぐダンチューバーがトレンドとなった現在。
ひとりの新人配信者が注目されつつあった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

パワハラ女上司からのラッキースケベが止まらない
セカイ
ライト文芸
新入社員の『俺』草野新一は入社して半年以上の間、上司である椿原麗香からの執拗なパワハラに苦しめられていた。
しかしそんな屈辱的な時間の中で毎回発生するラッキースケベな展開が、パワハラによる苦しみを相殺させている。
高身長でスタイルのいい超美人。おまけにすごく巨乳。性格以外は最高に魅力的な美人上司が、パワハラ中に引き起こす無自覚ラッキースケベの数々。
パワハラはしんどくて嫌だけれど、ムフフが美味しすぎて堪らない。そんな彼の日常の中のとある日の物語。
※他サイト(小説家になろう・カクヨム・ノベルアッププラス)でも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる