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273. 姫は『実現』させたいそうです
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273. 姫は『実現』させたいそうです
今日から3月。オレは『姫宮ましろ』の配信と『双葉かのん』のマネージャーの仕事を両立しながら多忙な日々を過ごしている。そして今は事務所で色々な雑務をしながらスケジュールを確認する。
「そう言えば彩芽ちゃん、この前の罰ゲームの『死神ホテル』の実況プレイは今週末だったな」
自分の『双葉かのん』の雑談配信でも言っていたが、彩芽ちゃんから誰かをオフコラボを誘う日がくるなんてな……なんか泣けてきた。
オレも今年は色々挑戦したいと思ってるし、彩芽ちゃんも自分なりに頑張ろうとしてるんだな……。そんなことを考えていると、スマホに電話が掛かってくる。相手は月城さんだ。ディスコードではなく、普通にこっちにかかってくるってことは『姫宮ましろ』じゃなく、オレに用があるのか?
「もしもし?」
《あ。颯太君?今事務所だよね?電話大丈夫?》
「はい。どうしました?」
《今最寄りの駅にいるんだけど……実はさ……チャージが足りなくて、しかも財布忘れちゃってさw助けてほしいかなってw》
「……酔ってます?」
《ひどいなぁw1期生のスケジュール見たら、颯太君が事務所にいるから電話したんだよ。私のマネージャー休みでさ。お願い助けて!》
「分かりました。今行きますよ」
《ありがと!》
というわけで、オレは月城さんを迎えに最寄りの駅に行くことにする。あの月城さんが財布忘れるとか珍しいな。そして月城さんと合流してお金を払い解放してもらう。
「ごめんね颯太君。あとで返すから」
「別にいいですよ。ほら、『ましポん48』の時奢ってもらいましたし」
「あーそんなこともあったね。あれからデートしてないね颯太君と」
「え!デート!?」
「冗談だよ。颯太君は弟みたいで可愛いなぁ?」
オレの横を歩く月城さんは微笑みながらからかうように言う。月城さんのこういうところずるいよなぁ……。
「からかわないでくださいよ……」
「あはは。こうやって颯太君と会うの久しぶりだよね?リアルで会うのは年末の『すたライ』の収録以来かな?今年初だね」
「そうですね。まぁ……今までの期間とか考えるとそこまでじゃないですけどね」
「確かにね。それでも、もう私と颯太君は出会ったからね……本当に去年は夏から濃くて楽しくて忘れられない1年だったよ。今年は私も頑張りたいって思ってるし。颯太君が配信で話してるみたいにデビュー当時くらいのモチベーションでね?」
「応援してますよ。もちろんオレも頑張るつもりなんで。お互い頑張りましょう」
「そうだね」
事務所に向かって歩いてる途中、月城さんはふと思い出したかのように言う。
「あっそうだ。颯太君良かったらまた晩酌配信やらない?リスナーさんからも好評みたいなんだよね。結構雑談配信してると言われるし」
晩酌配信……まぁ月城さんが暴走しないなら構わないが……言っても飲みそうだもんな
「そりゃ月城さんがあれだけはっちゃけてたらリスナーさんも望むでしょうね。別の……配信事故的なやつを期待してるんだと思いますよ?」
「そうならないように、今度はさ1期生で集まってやらない?ほら紫織ちゃんの部屋広いし、料理上手だし!おつまみ作ってくれそうじゃん!」
「立花さん、文句言いそうですけど……」
「文句言っても作ってくれるのが紫織ちゃんだよ。『なんで私の家なのよ。しかも料理まで。仕方ないからいいけど』って言ってさw」
……想像できてしまうのが、少し嬉しくもある。そこまでの関係性が出来ている。もちろん同じ1期生だからかもしれないけど。
オフコラボか……正直実現したら楽しそうではある。というより実現させたいと思ってしまうオレがいた。
今日から3月。オレは『姫宮ましろ』の配信と『双葉かのん』のマネージャーの仕事を両立しながら多忙な日々を過ごしている。そして今は事務所で色々な雑務をしながらスケジュールを確認する。
「そう言えば彩芽ちゃん、この前の罰ゲームの『死神ホテル』の実況プレイは今週末だったな」
自分の『双葉かのん』の雑談配信でも言っていたが、彩芽ちゃんから誰かをオフコラボを誘う日がくるなんてな……なんか泣けてきた。
オレも今年は色々挑戦したいと思ってるし、彩芽ちゃんも自分なりに頑張ろうとしてるんだな……。そんなことを考えていると、スマホに電話が掛かってくる。相手は月城さんだ。ディスコードではなく、普通にこっちにかかってくるってことは『姫宮ましろ』じゃなく、オレに用があるのか?
「もしもし?」
《あ。颯太君?今事務所だよね?電話大丈夫?》
「はい。どうしました?」
《今最寄りの駅にいるんだけど……実はさ……チャージが足りなくて、しかも財布忘れちゃってさw助けてほしいかなってw》
「……酔ってます?」
《ひどいなぁw1期生のスケジュール見たら、颯太君が事務所にいるから電話したんだよ。私のマネージャー休みでさ。お願い助けて!》
「分かりました。今行きますよ」
《ありがと!》
というわけで、オレは月城さんを迎えに最寄りの駅に行くことにする。あの月城さんが財布忘れるとか珍しいな。そして月城さんと合流してお金を払い解放してもらう。
「ごめんね颯太君。あとで返すから」
「別にいいですよ。ほら、『ましポん48』の時奢ってもらいましたし」
「あーそんなこともあったね。あれからデートしてないね颯太君と」
「え!デート!?」
「冗談だよ。颯太君は弟みたいで可愛いなぁ?」
オレの横を歩く月城さんは微笑みながらからかうように言う。月城さんのこういうところずるいよなぁ……。
「からかわないでくださいよ……」
「あはは。こうやって颯太君と会うの久しぶりだよね?リアルで会うのは年末の『すたライ』の収録以来かな?今年初だね」
「そうですね。まぁ……今までの期間とか考えるとそこまでじゃないですけどね」
「確かにね。それでも、もう私と颯太君は出会ったからね……本当に去年は夏から濃くて楽しくて忘れられない1年だったよ。今年は私も頑張りたいって思ってるし。颯太君が配信で話してるみたいにデビュー当時くらいのモチベーションでね?」
「応援してますよ。もちろんオレも頑張るつもりなんで。お互い頑張りましょう」
「そうだね」
事務所に向かって歩いてる途中、月城さんはふと思い出したかのように言う。
「あっそうだ。颯太君良かったらまた晩酌配信やらない?リスナーさんからも好評みたいなんだよね。結構雑談配信してると言われるし」
晩酌配信……まぁ月城さんが暴走しないなら構わないが……言っても飲みそうだもんな
「そりゃ月城さんがあれだけはっちゃけてたらリスナーさんも望むでしょうね。別の……配信事故的なやつを期待してるんだと思いますよ?」
「そうならないように、今度はさ1期生で集まってやらない?ほら紫織ちゃんの部屋広いし、料理上手だし!おつまみ作ってくれそうじゃん!」
「立花さん、文句言いそうですけど……」
「文句言っても作ってくれるのが紫織ちゃんだよ。『なんで私の家なのよ。しかも料理まで。仕方ないからいいけど』って言ってさw」
……想像できてしまうのが、少し嬉しくもある。そこまでの関係性が出来ている。もちろん同じ1期生だからかもしれないけど。
オフコラボか……正直実現したら楽しそうではある。というより実現させたいと思ってしまうオレがいた。
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