243 / 687
216. 後輩ちゃんは『打ち合わせ』をします
しおりを挟む
216. 後輩ちゃんは『打ち合わせ』をします
そして1月下旬。オレと彩芽ちゃんは週末の『ましのん』の配信に向けて企画の打ち合わせをしている。そう、この前彩芽ちゃんが企画してくれた『Fmすたーらいぶ学力王選手権』だ。
ちなみにFmすたーらいぶでは、コラボ依頼はスケジュールを見て、ライバー同士がある程度自由に決めていいことになっている。今回の『ましのん』は公式ユニットなので、複数人呼ぶ場合は事務所からマネージャーを通して許可が必要になっている。
そして今回みたいに問題やら準備が必要な場合は事務所の運営スタッフがフォローしてくれている。ただ今回の企画は彩芽ちゃんが考えたものなので、オレはほとんどフォローをするだけで基本的には彩芽ちゃんが決めている。
「颯太さん。当日の問題が……運営さんからきました……」
「うん。後で確認しよう。参加してくれるライバーさんは決まったんだよね?誰が出てくれるの?」
「はい。1期生はポアロ先輩、2期生はさくら先輩、3期生はココアちゃん、4期生はえるるちゃん……です」
「おお……ある程度予想通りだな……」
とか思ってしまうのは失礼か。せっかく彩芽ちゃんが考えてくれた初企画だから面白くなるといいな。
「そう言えば……4期生は全員出演したかったそうですよ?その中でも特に……八神えるるちゃんのマネージャーさんが張り切ってて。今回選んだみたいです」
「4期生はまだデビューしたばかりだから、企画に参加したりコラボすることで知名度が上がるからな。マネージャーさんも色々大変だな」
「私なら……出たくない……ですけど」
「またそんなこと言って。今はオレがマネージャーだから、ある程度は我慢してもらうよ彩芽ちゃん?」
「えぇ……でも……颯太さんと一緒なら……頑張ります」
顔を赤くしながら承諾してくれる彩芽ちゃん。こういうところ本当に可愛いな。というか……今までも『ましろん先輩』と一緒ならと言ってくれていたか。そう考えると彩芽ちゃんってオレにめっちゃアプローチしてたのか?
でも『ましろん先輩』だとオレなのか姫宮ましろなのか分からなかったからな……それでも彩芽ちゃんの精一杯のアプローチだったんだろうけど。そもそもオレも聞く勇気がなかったしな。
「さて……じゃあ問題の方も確認しておこうか」
「はい」
今回の『Fmすたーらいぶ学力王選手権』に参加するライバーの問題を確認する。教科は国語、数学、社会、理科、英語の5科目の問題で各100点満点。合計500点満点で行われる。内容は中学生卒業レベルだが……改めて確認してみると難しいんじゃないかこれ?
「なんか普通のテストみたいだなこれ?懐かしいな……そう言えば彩芽ちゃんは高卒だっけ?」
「はい……高校卒業して、地元の企業を転々として……今に至ります……はい」
「彩芽ちゃんは成績良かったの?」
「普通だと思いますけど……なんでですか?」
「いや……やってみる?」
そう言うと彩芽ちゃんはオドオドし始める。なんだろう……なんかオレが嫌なことしようとしているみたいな目で見るのやめて欲しいんだが……
「颯太さんも……やるならやります」
「え?いや、オレはいいよ。ほら!これは彩芽ちゃんの企画だろ?」
「む。これは『ましのん』の企画です」
頬を膨らまして怒る彩芽ちゃん。なんかそんな彩芽ちゃんも可愛いな。そして結局お互いの面子のため、テストはおこなわないようにした。
とにかく、週末の『ましのん』配信を頑張らないとな。
そして1月下旬。オレと彩芽ちゃんは週末の『ましのん』の配信に向けて企画の打ち合わせをしている。そう、この前彩芽ちゃんが企画してくれた『Fmすたーらいぶ学力王選手権』だ。
ちなみにFmすたーらいぶでは、コラボ依頼はスケジュールを見て、ライバー同士がある程度自由に決めていいことになっている。今回の『ましのん』は公式ユニットなので、複数人呼ぶ場合は事務所からマネージャーを通して許可が必要になっている。
そして今回みたいに問題やら準備が必要な場合は事務所の運営スタッフがフォローしてくれている。ただ今回の企画は彩芽ちゃんが考えたものなので、オレはほとんどフォローをするだけで基本的には彩芽ちゃんが決めている。
「颯太さん。当日の問題が……運営さんからきました……」
「うん。後で確認しよう。参加してくれるライバーさんは決まったんだよね?誰が出てくれるの?」
「はい。1期生はポアロ先輩、2期生はさくら先輩、3期生はココアちゃん、4期生はえるるちゃん……です」
「おお……ある程度予想通りだな……」
とか思ってしまうのは失礼か。せっかく彩芽ちゃんが考えてくれた初企画だから面白くなるといいな。
「そう言えば……4期生は全員出演したかったそうですよ?その中でも特に……八神えるるちゃんのマネージャーさんが張り切ってて。今回選んだみたいです」
「4期生はまだデビューしたばかりだから、企画に参加したりコラボすることで知名度が上がるからな。マネージャーさんも色々大変だな」
「私なら……出たくない……ですけど」
「またそんなこと言って。今はオレがマネージャーだから、ある程度は我慢してもらうよ彩芽ちゃん?」
「えぇ……でも……颯太さんと一緒なら……頑張ります」
顔を赤くしながら承諾してくれる彩芽ちゃん。こういうところ本当に可愛いな。というか……今までも『ましろん先輩』と一緒ならと言ってくれていたか。そう考えると彩芽ちゃんってオレにめっちゃアプローチしてたのか?
でも『ましろん先輩』だとオレなのか姫宮ましろなのか分からなかったからな……それでも彩芽ちゃんの精一杯のアプローチだったんだろうけど。そもそもオレも聞く勇気がなかったしな。
「さて……じゃあ問題の方も確認しておこうか」
「はい」
今回の『Fmすたーらいぶ学力王選手権』に参加するライバーの問題を確認する。教科は国語、数学、社会、理科、英語の5科目の問題で各100点満点。合計500点満点で行われる。内容は中学生卒業レベルだが……改めて確認してみると難しいんじゃないかこれ?
「なんか普通のテストみたいだなこれ?懐かしいな……そう言えば彩芽ちゃんは高卒だっけ?」
「はい……高校卒業して、地元の企業を転々として……今に至ります……はい」
「彩芽ちゃんは成績良かったの?」
「普通だと思いますけど……なんでですか?」
「いや……やってみる?」
そう言うと彩芽ちゃんはオドオドし始める。なんだろう……なんかオレが嫌なことしようとしているみたいな目で見るのやめて欲しいんだが……
「颯太さんも……やるならやります」
「え?いや、オレはいいよ。ほら!これは彩芽ちゃんの企画だろ?」
「む。これは『ましのん』の企画です」
頬を膨らまして怒る彩芽ちゃん。なんかそんな彩芽ちゃんも可愛いな。そして結局お互いの面子のため、テストはおこなわないようにした。
とにかく、週末の『ましのん』配信を頑張らないとな。
20
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説
勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す
大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。
その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。
地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。
失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。
「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」
そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。
この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に
これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。
猫神様の言うことにゃ、神頼みなんて役立たず
フドワーリ 野土香
ライト文芸
第7回ほっこり・じんわり大賞【優秀賞】受賞!
野良猫の溜まり場になっているとある神社――通称野良神社には、猫神様がいる。
その猫神様は恋の願いを叶え、失恋の痛みを取り去ってくださるという。
だが実際には、猫神様は自由奔放で「願いは自分で叶えろ」というてきとーな神様だった……。
ちっさくてもふもふの白い猫神様と、願いを叶えたい男女4人の恋物語。
※2024.6.29 連載開始
※2024.7.24 完結
この作品はフィクションです。 ─ 実際の人物・団体・事件・地名・他の創作ドラマには一切関係ありません ──
るしあん@猫部
ライト文芸
東京の名門・海原大学キャンパスで、学生の田中翔が白い粉の袋を手にしたま倒れ込み命を落とす。新米刑事の大江戸嵐は、大学の名声を揺るがすこの大麻事件の解決に挑む。周囲の証言をもとに、田中の死の裏には麻薬密売組織の存在があることを突き止めた嵐は、事件の核心に迫る捜査を展開。最終的に組織の摘発と事件の真相を解明し、田中の死の真実を明らかにする。この物語は、正義を貫く新人刑事の成長と決意を描く。
初めて、刑事ドラマを書いてみました。
興奮?と緊張?に満ちたドラマティックな展開を、ぜひお楽しみください。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
ブランリーゼへようこそ
みるくてぃー
恋愛
今王都で人気のファッションブランド『ブランリーゼ』
その全てのデザインを手がけるのが伯爵令嬢であるこの私、リーゼ・ブラン。
一年程前、婚約者でもあった王子に婚約破棄を言い渡され、長年通い続けた学園を去る事になったのだけれど、その際前世の記憶を取り戻し一人商売を始める事を決意する。
試行錯誤の末、最初に手掛けたドレスが想像以上に評価をもらい、次第に人気を広めていくことになるが、その時国を揺るがす大事件が起きてしまう。
やがて国は変換の時を迎える事になるが、突然目の前に現れる元婚約者。一度は自分をフッた相手をリーゼはどうするのか。
そして謎の青年との出会いで一度は捨て去った恋心が再び蘇る。
【注意】恋愛要素が出てくるのは中盤辺りからになると思います。最初から恋愛を読みたい方にはそぐわないかもしれません。
お仕事シリーズの第二弾「ブランリーゼへようこそ」
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる